2026年9月19日土曜日

【ZホールSP合唱団燻銀10】「これでやっと調律が終わりました。」

 9月19日(土)の午後,奥州市文化会館Zホールの展示室で,10回目となるZホールSP合唱団の「燻銀の響き」コンサートに向けた練習を行いました。前回は9月13日(日)でしたから,なんとたった1週間しか間が空いていませんでした。一般的にアマチュア合唱団の練習頻度は1週間に1回の練習が多いと思います。先週の練習との繋がりをもって積み重ねていければいいなと思って,盛岡市から奥州市に向いました。


 発声練習の声を聞いていたら,「i」母音の時に声が全く落ちていました。そこで《秋・村祭》の練習の最初に「i」母音で歌ってもらって声の響きを整えようと思ったのですが…声が全く鳴らず,従ってハモりも生まれませんでした。そこで発声の仕方の基本から確認しました。①響きの部屋を開けること,②息は響きの部屋に回すこと,③声はおでこや上顎から前に響かせることなどです。また④音域によって音色と強さが変わらないこと(音高だけが変わること),最後に⑤どの母音でも同じ音色で響くよう楽器の形(声道の形状)をなるべく変えないこと(母音の違いは唇の形で決まるのではないこと)も確認しました。その後「a」母音で出だしの音からハモらせ,ハモったことを実感してもらい,次は「i」母音,「o」母音と変えながら全体を歌わせました。すると多くの方が,ハモるようになったこと,綺麗な響きになったことを感じてくれました!

 ここに至って「これでやっと調律が終わりました。」とお伝えしました。なぜなら身体という楽器から声という音が出ます。ですから等質な音を出そうとする意識と方法をきちんと自覚し楽器をコントロールできるようになって初めて,音楽に使える音が出る楽器を手にした状態になったと言えると思うからです。

 またこの日はこのように整えた音を使って各パートの歌い方を丁寧に吟味しました。ですから声を出している時間より他のパートのレッスンを聞いている時間の方が長かったかもしれません。しかし合唱団の皆さんは他のパートのレッスンを聴きながら音楽的な様々なことを感じ学びとっていて,いざ自分が歌う時になると以前とは比べものにならないほど音楽的な表現をしてくれました。素晴らしいことです!違いがわかる音楽的な耳の良さ,どんな音楽がより良いと思うかという判断力,そしてそれまでの歌い方を(言われなくても)より良くしようと自分から変えるチャレンジ精神。10回目にしてここまで育ってきたのだなぁと,とても嬉しく思いました…もしかしたら4年間の積み重ねもあるのかもしれません

 1週間しか間をおいていなかったことももちろん良かったと思います。頭だけでなく心もそして身体も音楽モードへと活性化しやすかったと思うからです。次の練習は10月12日(月・祝)です。3週間も空いてしまいます!今回の良かった感じをぜひ次回に繋げるよう,各自で取り組んでもらえたらと強く思いました。

 11月21日(土)の「燻銀の響き」コンサート本番まであと3回。より良い音楽を実現して音楽を楽しめるように共にがんばりましょう。

2026年9月14日月曜日

【ZホールSP合唱団燻銀09】これからが音楽づくり


 9月13日(日)の午後,奥州市文化会館でZホールSP合唱団の9回目の練習を行いました。この日はほぼ同じ時間に大ホールで神田伯山独演会があり,駐車場が混み混みでした。

 練習は本番会場でもある中ホールで行いました。60名の混声合唱団員が中ホールのステージにのれるか?という心配が当初ありましたが,この日ステージ上に山台を組んでもらって並んでみると,まあなんとか60人が立てそうな感じでした。

 ここまですでに8回の練習を終えひと通りは歌えるようになってきて,残り5回の練習となりました。そこで今回から,合唱表現の細部をつめていく段階としました。はじめに4曲全部をおおよそ通して歌いました。せっかくの本番会場ですから,お客様をイメージしてホールに響かせるように歌いました。しかし,全体に平板で声が大きく言葉の異メーが伝わって来ない印象でした。そこでまず《春・花》から取りかかりました。各声部の音質,パート同士の音程(ハーモニー),フレーズの息の運び方,子音の明瞭化,言葉のイメージの伝え方,ヴォカリーゼでの音楽の仕方…などなど,多岐にわたって細かくとり上げてできるようになるまで何度もチャレンジさせました。またその様子を他のパートの方々にも見てもらいながら,一緒に学んでもらいました。続いて《夏・城ケ島の雨》でも同様に取り組みました。


 音がとれておおよそ歌えるようになってきたのですが,(だからこそ)ここからやるべきことは満載です。残り4回の練習で目指すはコンパクト化です。充実した響ながらコンパクトで明瞭な音楽をめざしていきたいと思います。11月21日(土)「燻銀の響」コンサートの本番,ぜひ聴きにいらしてください。お待ちしています!

 なお,この日は練習後17:30から来年7月11日に予定しているオペらの指導者打ち合わせ会がありました。今回の指導陣2名に加えて,新しくお二人の先生方がお力を発揮してくださることになりました。頼もしい若手のお二人に大いに期待がもてる打ち合わせ会でした。(オペラの合唱参加者を大募集しています。こちらをご覧ください!

2026年9月12日土曜日

【宮古木曜会合唱団】充実の混声合唱の響き

 9月12日(土)の午後,宮古市の山口公民館に宮古木曜会合唱団の強化練習に行ってきました。いつもなら1ヶ月に1回日曜日に開催している強化練習なのですが,9月は私の都合がつかなかったので土曜日に設定していただきました。その関係もあり前半は2階の(響きの悪い)会議室で,後半はいつも木曜日に使う1階のホールでと場所の移動がありました。

 発声練習では横隔膜を下げて体を開くための運動を紹介したり,腹からの息で音を出して鳴らしてみてりしました。

 身体を開いたその音で,始めに《糸》を練習しました。前回の定期演奏(3月)で歌った曲ですが,10月18日(日)に宮古市文化会館で開催される宮古市民文化祭のステージで歌うことにしたからです。「p」と楽譜に書いてあるからと言って,ただ弱くするだけでは歌に込められたメッセージは伝わりません。まずは聴き手に届く声・言葉として発することが基本です。大きめでも身体がよく鳴った声で歌えば,聴き手の耳は開かれます。久しぶりに充実した混声合唱の響きを聴くことができました。

 続いてビクトリア作曲の《Jesu dulcis memoria》に移りました。音はよく鳴っているものの解け合いません。「様式が違う」といった感じでした。そこでハーモニー,つまり聴き合うことを吟味しました。出だしのh-mollの和音の決まり具合,次のFis-durの時の自分のパートの役割を考える,さらにh-mollに戻ってきて再び溶け合う…といった基本的な和音をそれぞれのパートの音で共同で作り上げる感覚は合唱の基本中の基本ですが,発声に気を取られて聴き合うことがおろそかになっていたようでした。途中から響きが少しは良いホールに移動して続け,曲全体のトーンが揃ってきました…しかしまだ任意の母音唱です。ここから歌詞をつけたのですが,一気に崩れてしまいました。残念ながらこの日は時間切れ。

 次に(私は今日初めてとなる)《どこかで春が》(島頼子編曲)の「どんぐりころころ」「村まつり」「ゆうやけこやけ」に取り組みました。これも宮古市民文化祭で歌います。ひと通り聞かせてもらった後,まず「ゆうやけこやけ」の難しい男声パート(4部!)の音をさらってから,日本語の子音を明瞭にすることを練習しました。続けて「村祭」はZホールSP合唱団同様に「どんどん(ヒャララ)」の太鼓の大きさのイメージを考えさせて,声を吟味しました。また全体にレガートすぎたので,お祭の弾む感じを引き出しました。そして「どんぐりころころ」では短いながらドラマがあるので,場面の変化を音楽で明瞭に示すようにしました。

 最後に《僕らの歌》で,言葉のイメージを音楽にきちんと表現することに取組み,《リフレイン》は思い出しておく程度に通しました。

 何か手を打てばそれなりに変化をもって応えてくれるのがこの合唱団の良いところ!一方毎回「振り出しにもどる」状態で身体を使って声を出すことや言葉のイメージをもって明瞭に表現することなどをゼロからスタートで取り組まなければならないところが残念なところと思っています。10月18日(日)の宮古市民文化祭まではあと2回(10/11(日)と 10/15(木)),3月28日(日)の定期演奏会まではおよそ10回程度しかありません。効率よく進めて行きたいものです。

【唄芝居・観てきました】素晴らしい音楽性の結晶


 宮沢賢治生誕130年にあたる今年,賢治さん関連の催物がいろいろと開催されています。9月11日(金)にはトーサイクラシックホール岩手(岩手県民会館)中ホールに「〜音楽による〜賢治童話の世界」という公演を鑑賞に行ってきました。主催はPoor Peoples's Paper…長谷川恭一さんです。

 プログラムは2つ。前半は「弦楽四重奏と朗読で綴る賢治の世界」と題して,弦楽四重奏団ラトゥール・カルテットと朗読の石原黎子さんとの協奏により「鹿踊りのはじまり(かつて宮古では⻑澤勝俊作曲/中江隆介構成の「音楽物語」をやったことがありました)いちょうの実」「グスコーブドリの伝記」「銀河鉄道の夜」の4作品の表現でした。後半が「唄芝居」と称しての「ツェねずみ」。オペレッタのような感じでした。

 前半のステージでは,朗読の石原さんは花巻弁のニュアンス豊かに賢治作品を表現し,その朗読の間にラトゥール・カルテットの皆さんが長谷川恭一さんの作品を演奏していました。朗読も弦楽四重奏も賢治童話の世界を豊かに想像させてくれました。

 後半の「ツェねずみ」では知り合いの方々が歌いながら演技し,楽しい物語を長谷川さんの世界で表現していました。長谷川さんは60分間くらいずっと(本当に休みなく)ピアノを弾きながら歌にぴったりと合わせていました。作曲者ご本人とはいえ,集中して音楽世界を展開していくことに驚きました。歌い手のみなさんも,転調が多く単純でない和音進行の中で旋律を歌っていて(あたりまえですが暗譜で),音楽に向かう集中力がこのステージ上に漲っていると感じました。もちろん演技も素晴らしく,滑稽な様子もあり非常に楽しめました。

 作曲者も演奏者も,歌い手も演出家も,一人ひとりの才能が発揮されて結晶となった舞台でした。盛岡の音楽&演劇のレベルの高さ,歴史の厚さを強く感じました。

2026年9月7日月曜日

【合唱音楽研究会奥州76】行き詰っているときは学びのとき…と信じて

 9月6日(日)の午後,奥州市の常盤地区センターの会議室で合唱音楽研究会奥州の76回目の活動を行いました。9月27日(日)の第33回胆江合唱祭まであと2回となりました。前回は響きの良い岩谷堂地区センターの他目的ホールでしたが,今回の会議室は思いのほか響きがよくなく,聞き辛い感じがしました。私が寒暖差にやられたために鼻炎薬を服用していたせいかもしれませんが…。

 発声練習もそこそこに,まずはモーツァルトの「Kyrie」「Sanctus」から始めました。合唱はもやもやしていて張りが感じられず,モーツァルトらしい楽しさが伝わってきませんでした。ソロの部分も歌い方がまちまちでした。音楽の良さが出るようにとなんとか回復を試みましたが,なかなかうまく好転しませんでした。難しいものです。

 次にプログラム最後の合同演奏でとりあげる《大地讃頌》を練習しました。暗譜で歌える方がほとんどというくらい歌い慣れている楽曲だからこそ,表現したいことを再吟味して明確にし,それが表現できているか精査していくことが大切だと思います。

 続けて《紅葉・冬景色》を練習しました。これも全体がぼんやりしていて景色が見えてきません。最後に《Furusato》に取り組みました。こちらも生気が感じられない音でした。

 思ったように「向上的変容」を引き出せませんでした。でも行き詰っているときこそ学びのときと信じて,次回(9月26日(土)は本番の前の日!)に向けて準備していきたいと思いました。なお,この日は全体の活動の前の時間を利用してアルトがパート練習を行っていました。皆で声を合わせて練習するって素晴らしいことですね!


 この日はやっと胆江合唱祭のチラシやポスターが配られました。また当日のタイムテーブルやプログラムのコピーもいただきました。Zホール児童合唱団は昨年に引き続き出演するようですし,新しく参加する団体もあるようで,胆江地区の合唱が少し盛んになりつつあるのかなと嬉しく思いました。

 第33回胆江合唱祭(第21回奥州市民芸術文化祭)は9月27日(日)13:00開演,会場は奥州市文化会館(Zホール)・大ホール,入場無料です。17団体の演奏が楽しめます。ぜひご来場ください!!

2026年9月4日金曜日

【演奏会・お知らせ3つ】9/27合唱祭・11/15バロック音楽・11/21器楽と

 この秋に予定している演奏会(本番)を3つご案内します。

1. 第33回胆江合唱祭(9月27日(日)奥州市文化会館Zホール)
 「胆江」胆江とは「胆沢や江刺」地方を差す言葉で主に現在の奥州市と金ケ崎町の範囲です。この胆江地区で合唱に親しんでいる人たちが集まって合同で発表会を行います。過去の様子はこちらから(2025年第32回2024年第31回2023年第30回)。
 様々なタイプの合唱を聴くことができます。どうぞ足をお運びの上お聞きください。
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日時:9月27日(日)…開演時刻は未定(例年は13:00頃から)
会場:奥州市文化会館Zホール・大ホール
入場料:無料
合唱音楽研究会奥州の演奏曲目:
 1.W. A. Mozart作曲《Missa in C》KV259より「Kyrie」「 Sanctus」
 2.源田俊一郎編曲《ふるさとの四季》より「紅葉」「冬景色」
 3.Bob Chilcott編曲《Furusato》
 (合同演奏:《大地讃頌》)
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2. 「バロックの森の奥へ」盛岡バッハ・カンタータ・フェライン演奏会
 盛岡で50年来バロック音楽の研究・演奏に取り組んでいる盛岡バッハ・カンタータ・フェラインという合唱団の演奏会です。毎年ドイツ・ライプツィヒ市で開催されている「Bachfest バッハ音楽祭」に,2027年6月招聘された(Bachfest 2027)ことを記念しての演奏会であり,久しぶりの単独での演奏会となります。
 今回はJ. S. バッハのカンタータ第187番《Es wartet alles auf dich 彼らはみな汝を待ち望む》BWV187と,「主よ,人の望のの喜びよ」として有名なコラールの元曲を含む第147番《Herz und Mund und Tat und Leben 心と口と行いと生活をもって》BWV147の2曲(といってもBWV187は7曲から,BWV147は10曲から成っています)と,H. シュッツの《Geistliche Chormusik 1648 宗教合唱曲集》Op.11から6曲&《Meine Seele erhebt den Herrn ドイツ・マグニフィカト》SWV426を演奏します。

 指揮者は世界的なバッハ演奏家の佐々木正利氏,器楽は仙台フィルのメンバーを中心とした盛岡バッハ・カンタータ・アンサンブル(コンサートミストレスは川原千真さん),声楽ソリストは当会会員ながらセミプロ,プロとして活躍しているメンバーが担当します。
 世界的な音楽レベルを目指して日々取り組んでいます。岩手,盛岡で聴くことができるというのはとてもお得!ぜひ足をお運びください。チケットは会員も持っています!!
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日時:11月15日(日)14:00開演
会場:盛岡市民文化ホール(マリオス)・大ホール
入場料:前売り/一般3,500円,大学生以下1,500円(当日は各500円増し) 全席自由
演奏曲目:
 J. S. バッハ作曲《Es wartet alles auf dich 彼らはみな汝を待ち望む》BWV187
 H. シュッツ作曲《Geistliche Chormusik 1648 宗教合唱曲集》Op.11から
  16 《Ein Kind ist uns geboren》SWV384
  12. 《Also hat Gott die Welt geliebt》SWV380
  10. 《Die mit Tränen säen》SWV378
  11. 《So fahr ich hin zu Jesu Christ》SWV379
  23. 《Selig sind die Toten》SWV391
  22. 《Unser Wandel ist im Himmel》SWV390
 H. シュッツ作曲《Meine Seele erhebt den Herrn ドイツ・マグニフィカト》SWV426
 J. S. バッハ作曲《Herz und Mund und Tat und Leben 心と口と行いと生活をもって》BWV187
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3. 「燻銀の響き」ヴァイオリン・リサイタル
 「名手二人が紡ぐ,渋く輝く至高のアンサンブル」をキャッチフレーズにしたヴァイオリニストの木野雅之さんとピアニストの平沢匡朗さんのリサイタルなのですが,Zホールスペシャル合唱もご一緒させていただきます。
 演奏曲は信長貴富編曲の《ヴィヴァルディが見た日本の四季》1作品だけですが,春・夏・秋・冬の4曲から成っています。合唱メンバーは公募による60名ほどです。5月から1ヶ月に2回程度練習を重ねてきました。
 またこのZホールによる公募の合唱団は毎年結成され,今年は連続で5年目になりました。
2022年…開館30周年記念オペラ《トスカ》
2026年…燻銀の響き
 ヴァイオリンと合唱のアンサンブルはあまり聴く機会がないと思います。楽しい楽曲ですのでぜひ聴きにいらしてください。
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日時:11月21日(土)14:00開演
演奏曲目:
 J. S. バッハ作曲《無伴奏ヴァイオリンパルティータ第2番ニ短調》BWV1004より「シャコンヌ」
 L. v. ベートヴェン作曲《ヴァイオリンソナタ第7番ハ短調》Op. 30-2「アレキサンダー」
 信長貴富編曲《ヴィヴァルディが見た日本の四季》
 J. フバイ作曲《カルメンによる華麗な幻想曲》Op. 3 No. 3
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2026年9月2日水曜日

【MBKV】音楽に乗せて言葉を伝えるために


 9月1日(火)の夜,盛岡市にある舘坂橋教会での盛岡バッハ・カンタータ・フェラインの通常練習に参加してきました。あと2ヶ月半で演奏会本番を迎えるので本番を想定した練習の時期かと思いきや,筋肉の使い方のトレーニングと音楽のイメージの共有と実現といった徹底的な基本練習でした。もちろん指導は指揮者の佐々木正利先生です。

 この日に取り上げた楽曲はH. Schütz作曲の《Geistlche Chormusik》(1648) op.11から"Unser Wandel ist im Himmel"Nr.22でした。しかも,全部で99小節の作品の54小節から始めて80小節あたりまで,25小節ほどで1時間50分のレッスンが終わりました。

 歌で表現するには声をコントロールすること,これは当たり前のことです。でもこれが本当に難しい!やっているつもりなのにできていないことばかりです。

 まずは子音をドイツ人と同じように明瞭に発すること。発音(音を発する)ためには,日本語話者である自分たちが普段使わない筋肉を,それも相当程度強く使わなくてはいけません。使えるよにならなくてはいけません。そのためには何度も何度も繰り返して筋肉をコントロールできるようになることは必須です。

 言葉のニュアンスを伝え意味を表現するには,声=母音が強すぎてはいけません。「歌う」という動作は基本的に母音に音高を与えて旋律を作ること,と考えがちです。しかし言葉として聞き取らせるには,母音の音量が増したらその分子音の音量も増やさなければバランスがくずれてしまいます。「音」や「声」は聞こえても「言葉」としては聞こえ辛くなります。そこで必要なことは,母音の強さのコントロールです。「声は出すけれども母音は大きくしない」「子音は強めるけれども母音は強めない」「大きな母音ではないけれども音(声)の響きは失わない」といったような難しい声のコントロールを実現するためには,そのための筋肉をコントロールできるようにならなければなりません。

 そして言葉を聞き取らせるには,「言葉のアクセントがあるから強く発音する」とか「ストレスのないシラブルだから音を小さくする」のように音量を変えるのではなく,平らに歌いながら喋りの抑揚をコントロールすることです。

 それらの全ては音楽に乗せて言葉を伝えることのためですから,それを実現する言葉や音楽のイメージのために成されなければなりません

 先日までコンクールに向けて盛岡某高音楽部で日本語の表現にチャレンジしてきたこともあって,この日のレッスンからはとても多くの学びを得ましたし,目指してきた方向に間違いがないとも感じました…もちろん足元にも及びませんが。(東北大会に向けて徹底的な基本練習でさらに磨きをかけよう!)

 演奏会の本番は11月15日(日)14:00から盛岡市民文化ホール(マリオス)大ホールです。器楽アンサンブル(オルガンつき)の伴奏も聴きどころです。ぜひ足をお運びください。チケットのお問い合わせも待ってます!!

2026年8月30日日曜日

【全日本合唱コンクール岩手県大会・参加してきました】一喜一憂しない!!


 8月29日(土),第78回全日本合唱コンクール岩手県大会の高等学校の部が開催され,盛岡某高も出場してきました。一昨年は(私は)久しぶりの参加で銀賞昨年も銀賞で録音を聴いておおいに反省したのでした

 今年の出番は22団体中20番目と終わり近くでした。「多くの方に聴いてもらえる!」と皆で期待して出場しました。結果は金賞(金賞9位中8位)でした。ここ10年は金賞がなく,東北大会への出場は平成30年度を最後になかったようなので,久しぶりのこと。子どもたちはとても喜んでいました。

 聴いてくださった知人たちからは,「品の良い音楽だった」「丁寧でクオリティの高い演奏」「(それまでの外国語の演奏は言葉がまるでわからなかったけれど,)英語も日本語もよく聴こえてきた」「(自由曲について)7月の県合唱祭の時は『長い曲だなぁ』と思ったが,今回はまったくそうは感じなかった」など嬉しいお言葉をいただきました。「もっとパワフルだといいなぁ」という感想も。

 審査員の付けた点数とそれによる勝敗とその結果である賞よりも,音楽を聴いてくださった方々がどのように感じたか,どのように音楽を受け取ったかということのほうが演奏者としては大切だと感じています。一方,審査員の先生方がそれぞれの音楽的な経験を元にして示してくださるアドバイスは貴重です。紙面を通じてのレッスンみたいなものです。今回もたくさんのご評価をいただきました。表現したかったことが伝わっていたこと,表現したつもりが伝わっていなかったこと,考えていなかった視点など,非常に参考になります。(合唱研のみなさん,後で勉強会をしましょう。)

 大切なことは,一喜一憂しないで音楽に真摯に取り組むこと。東北大会の高等学校の部は9月25日(金)に青森市のリンクステーションホール青森(青森市文化会館)で行われます。この先1ヶ月間の半分は定期考査のために部活ができませんが,少ない時間を有効に使って3年生も含めたこのチームでよりよい演奏を目指して練習に取り組みたいと思います。

2026年8月28日金曜日

【Nコン・聴いてきました】制限時間内でドラマを構成する難しさ

 8月26日(水)と27日(木)にトーサイクラシックホール岩手(岩手県民会館)大ホールに「第93回NHK全国学校音楽コンクール岩手県コンクール」を聴きに行ってきました。平日の午前中ながら親御さんらしき方々が結構な人数聴きにきていました。今回の審査員の先生方は作曲家の上田真樹さん,声楽家の佐々木まり子さん,合唱指揮者の谷本喜基さん,声楽家の谷内畝晶子さん,指揮者で山形大学教授の渡辺修身さんの5名でした。

 一日目の午前中は小学校の部と高等学校の部でした。小学校の部には6団体(7校),盛岡市内3団体,滝沢市1,北上市1,九戸村&二戸市で1,そして宮古市1団体が出場していました。かつて自分が関わっていた頃は宮古市だけでも3つは出ていたし北上市からも数校出場していたように記憶しています。少なくなったのは残念です。演奏については,指導の先生によい発声の方向が見えていないのか素材である声がより良く子どもたちから引き出されていなくて残念な団体と,声を磨いた上で課題曲,自由曲のそれぞれでドラマを明確に示している団体とがあったように思いました。

 午後は高等学校の部でした。こちらは小学校に比べると人数が少なめでした。盛岡地区は4校,一関地区から1校,県北から1校が出場していました。やはり声作りがなされていると聴いていて心地よいものです。

 二日目は中学校の部でした。こちらは全部で16団体(19校)が出場していました。時間の関係で昼食休憩前までの10団体しか聴けなかったのですが,やはり身体から声が出ていることを感じさせる音で歌っている演奏には説得力を感じました。その上で音,母音の響き,息づかいなどが揃っていると,楽曲の姿がすっきりと見えて(聴こえて?)きました

 それにしても今年の課題曲はどれも難しい曲だと感じました。「なんでこの歌詞?」「このことばになぜこの音楽?」と,ちょっと聴いたくらいでは腑に落ちない感じです(私の感性の問題か)。どの子もそれらに長い時間向き合って演奏を磨いてきたのだろうなぁと,課題曲の重さを感じました。

 結果は即日Nコンのサイトに出ていました。金賞受賞校は東北大会に出場するようですから,さらに磨きをかけて良い演奏を目指して欲しいと思いました。

 各学校の演奏からたくさんの刺激とヒントを得ることができた二日間でした。

2026年8月25日火曜日

【日本声楽発声学会・夏季研修会】様々な視点が得られました


 8月23日(日)に東京上野の東京藝術大学で開催された日本声楽発声学会の2026夏季研修会(プログラムはこちら)に参加してきました。かつては東京新宿区大久保の日本福音ルーテル東京教会で2日間開催されていました(2023年の様子はこちら)が,今回は1日での開催でした。しかし多様な内容で,自分の音楽活動への様々な視点が得られました。

 A講座は「日本の作曲家シリーズXIV」で三宅悠太さんによる「W. A. Mozart《Ave verum corpus》の芸術性と演奏研究ー作曲の視点からー」と題した講演でした。三宅悠太さんといえば先日某小学校合唱クラブで指導した《どっきん せみさん》の作曲者でもあります。短いながら美しい作品として知られる《Ave verum corpus》を作曲技法の観点から分析し,「だからこう演奏するのもいいのではないか」と演奏法の提案までされていました。作曲についてよく知らない私などは,残された作品はア・プリオリなものとして受け取ってしまうのですが,三宅さんによると「こういう書方が当時は普通だったと思う」とピアノで弾いたり参加者に歌わせたりして経験させ,それとの比較で「でもモーツアルトはこのように書いている!普通はそうは書けない。その意味は…」と旋律の運び方,和音の選択,和音の進め方などなどをテキストとも関連させながら取り上げて説明してくれました。「なるほど,自分が取組んでいる作品でも見直してみよう。」と思ったもののその基本となる和声分析が覚束なく,敢なく断念しました。でも(理解できなくても)感じ取るヒントは得られたように思いました。


 B講座は「音声生理学講座」で高橋純竹田数章さんの「声を『見る』ための音声学・音声生理・音響分析入門」と題した講演でした。音声生理学の復習から音響分析の実演まで幅広く扱っていたので,多くのことの再確認もできました。またその場でスペクトログラムによる音色の解析まで見ることができました。3000Hz前後のシンガーズフォルマントの様子や母音の違いによる周波数特性の違いなど,とてもよくわかりました。

 C講座は特別講演で垣内大樹さんによる「Plant Music」の実演や体験でした。植物内に生じる電位差をトリガーとしてMIDI信号を作成する「植物音楽デバイス」を使って,任意に生成されるMIDI音を音楽ととらえてそれとセッションする,といった感じでしょうか。植物から生成されるMIDI音は音高も強さも長さも全くランダムなので,聞いているとなぜかゆったりとした気分になりました。「キー」はなんとなくあるものの「調性」のようなものはないので,自分の声の音高などを気にすることなく身体から発してセッションすることができました。心地よい体験でした。


 16:40に研修会を終えて向かったのは武蔵小山,目黒の少し西の方です。その商店街アーケードの一角で先日盛岡でコンサートを開催した明和電機による「明和電機 おもちゃができるまで展(ナンセンス発想からものづくり)」を見てきました。コンセプトのノートを手にとって見ることで思考の変遷をたどることができたり,楽器のデモンストレーションを鳴らすには別売りのカードを買う必要があるなど明和電機らしい設定もありました。社長によるサイン会も奥の方で行われており,子どもたちが列をなしていました。会場を視察にきた社長とほんの一言交わすこともできました!

 数日前に知人と「(水沢から見た仙台とか,宮古から見た盛岡とか)都会には文化的なものがたくさんあるね。」と話していたのですが,東京には本当にたくさんの文化的・刺激的なものがあるとあらためて感じました。

2026年8月23日日曜日

【ZホールSP合唱団燻銀08】身体という楽器をよく鳴らして歌いましょう!

 8月22日(土),午前中に合唱音楽研究会奥州の活動を行った午後,奥州市のZホールでZホールスペシャル合唱団の練習がありました。今回は8回目,初めてリハーサル室で練習しました。

 前回は《春・花》と《夏・城ヶ島の雨》を取り上げたので,今回は2周目の後半《秋・村祭り》と《冬・ペチカ》に取り上げました。まずは《秋・村祭り》からです。一度聞かせてもらったものの,お祭りの威勢の良さを表現するには声が貧弱でした。そこでコーダ部の「ドンドンヒャララ…」を使って腹から声を出すことを徹底しました。そうしてから最後の歌詞の部分でやっとハーモニーが聞こえてくるようになりました。次に3番,2番ともどってきてはや一時間が経ち休憩をとりました。後半は続きの1番を,これまで同様に身体を使って歌う練習から始めました。

 次に《冬・ペチカ》を練習しました。合唱冒頭のハミングで積み重なってくるところから練習しました。ハミングの後すぐに「A-」と1小節間歌うのですが,どうもイメージが定まりません。「ハミングの積み重なりは冬の夜に静かに深々と降る雪の重苦しさ」,直後の「A-は家の明かり・家の中の暖かさにホッとするイメージ」と伝え,なんとか共有できたように思いました。難しいものです。続いて中間部の4パートが皆そろうところなのですが,この合唱団はソプラノの人数が矢鱈に多く,アルトとバランスが取れません。聞いてみると案の定アルトを聞いていないことがわかりました。そこでアルトを聴き,かつコンパクトに歌うことをお願いしました。アンサンブルの基本は聞き合うことです。基本を大切にすれば,合唱をどう仕上げるかが自ずと見えてきます。加えて,2名だけだったテノールですが真正面から逃げずにチャレンジを重ねたので,正しくしっかりと歌えるようになりました!

 次回はふたたび1曲目の《春・花》にもどって,繰り返し歌って評価しながらヴァイオリンとセッションする際の合唱のポイントを育てたい…などとハイレベルを求める前に,【合唱の基礎】を身体で覚えてもらおうと思っています。この合唱団に最も必要なものは身体という楽器をよく鳴らして歌うことだと感じています。来年のオペラにもつながることですし,他の合唱団で合唱を楽しむ際にも必要なことですから,身体に染み込ませて常識のレベルを上げていきたいと思いました。あと4回やったら前日リハを迎えます。プロのヴァイオリンと対等にアンサンブルできる合唱団に育てていかなければと思いました。

【合唱音楽研究会奥州75】岩谷堂地区センターは良い響き!

 8月22日(土)の午前中9:30〜12:00に奥州市の岩谷堂地区センター多目的ホールで75回目となる合唱音楽研究会奥州の活動を行いました。岩谷堂地区センターは比較的新しい施設で,「ささらホール」のすぐ隣にあります。今回初めて多目的ホールを活動場所にしてみました。

 今回はピアノ伴奏の千田絵未さんがお休みなので,全編無伴奏での取組みとなりました。初めに《紅葉・冬景色》から始めました。というのは,いつもこれら日本語の曲を後に回すと疲れからか音下がりがひどくなるからです。で今回はというと…やはり初めは下がりました。でも指摘してしつこく取組むうちに改善され気にならなくなりました!また,雑にというか音楽や歌詞へのイメージを明確にしないまま声だけ出すようにして歌っていることが多かったので,丁寧に音楽するように練習しました。

 つづいて《Furusato》でした。テノールの主旋律の歌い方の改善が最重要課題でしたが,まずは3番の皆で歌詞で歌うところから取り上げました。テノールだけではなくどのパートにも共通する課題だと感じたからです。その後2番,1番と前に戻ってくる頃には,テノールの歌い方も安定していました。

 その後《Kyrie》に取組みました。ソリストを紹介し,その方々には最前列に来ていただいて練習しました。ソロを取り上げて2回目になります。どの方も自分の歌にしっかりと向き合ってチャレンジしてくれました。少しずつ歌い慣れてきたようです。

 最後に《Gloria》のソロを入れて1回だけ歌いました。時々歌わないと忘れてしまいますから。ソロの方も初挑戦ながら堂々と歌っていました。

 次回は9月6日(日)14:00〜17:00常盤地区センターですが,なんとアルトの皆さんは早く集まってパート練習をするとのこと!その意欲に刺激されます!9月27日(日)の胆江合唱祭に向けてさらに良い演奏を目指しましょう!

2026年8月20日木曜日

【宮古高校音楽部】素直で意欲的な学びで変わる音楽

 8月19日(水)の午後,宮古高校音楽部のレッスンに行ってきました。同部の外部コーチとしてここ数年,1年に1,2回夏におこなっています。2025年はパレストリーナとメンデルスゾーンという外国語の楽曲(1回目)(2回目)2024年は黒人霊歌と邦人曲でした。

 今回は週末の文化祭に向けた準備で忙しそうな学校の校舎の音楽室で行いました。校舎に着くと,いつも通り生徒さんの代表の子が玄関に立って待っていてくれました。

 今回の楽曲は全日本合唱コンクールに向けた3曲で,課題曲がG4《河》(詩:石原吉郎,曲:福丸光詩),自由曲がBob Chilcott編曲の《Sunayama》と《Mura Matsuri》です。ソプラノ2名,アルト3名,テノール2名,バス3名と,計10名ながらしっかりとした混声合唱に生徒さんによる充実したピアノ伴奏が付きます。羨ましい環境です!

 はじめに3曲を通して聴かせてもらいました。皆暗譜で指揮の先生に集中し一人ひとりがしっかりと声を出して歌っていました。歌詞も音楽も難しい《河》でも感情を込めて歌っているのがわかりました。ですから解釈や表現の意欲についてはそれほど問題ありません。むしろ表現するための「素材」となる声,つまり楽器としての身体の使い方が気になりました。

 いずれも日本語の楽曲ですが,懸命に言葉を喋ろうとしたり大きな音で伝えようとしたりするあまり,身体が堅くなってしまって音楽がでこぼこしていました。そこでまず「楽器作り」の大切さを伝えた上で,①響きの部屋の確保(喉を開く筋肉の自覚),②腹から息を送れば楽器は鳴るという感覚(胸郭を締め付けない),③楽器の保持(母音が変わっても,音高が変わっても「楽器の形を変えない」)ことを,《Sunayama》の主旋律を使ってチャレンジさせました。

 心を込めて一生懸命に歌ってきたのに,急に「力を抜け」だの「お腹を使え」だの「楽器の形を変えない」だのと言われ,おそらく抵抗感があったことと思います。でも「今のはダメ」「今のは良し」といったしつこい評価に耐えながらもチャレンジを繰り返し,自分たちの音が変わっていくことを自覚してくれたようでした。自分を変えていくことを怖がらずアドバイスを素直に受入れ,より良くなっていこうという意欲に溢れる10名でした。

 全日本合唱コンクール岩手県大会の高等学校部門は来週末の8月29日(土)です。出演順や時間も決まり,全22団体中宮古高校音楽部は17番目のようです。私の出番より前なので聴くことは叶わないと思いますが,良い音楽を,そしてそれを目指す姿を聴き手に届けて欲しいと思います。お時間のある方はトーサイクラシックホール岩手(岩手県民会館)大ホールに足をお運びになり,若者たちの音楽を聴きにいらしてください!!

2026年8月10日月曜日

【ZホールSP合唱団燻銀07】いよいよ本格的な音楽づくり

 8月9日(日)の午後,奥州市文化会館Zホールで,Zホールスペシャル合唱団の練習をしてきました。前前回までの5回で音とりをほぼ終え,前回は本番のピアニストの平沢先生と合わせる機会を得ました。今回からいよいよ本格的な音楽づくりです。

 2クール目となります。初めに《春・花》から扱いました。この合唱団は普段からそして長く一緒に歌ってきているわけではないので,発声の仕方も音楽の捉え方もまちまちです。それが声や音楽に現れているようで,どうもまとまった音楽になりません。そこで今回から合唱団としての音楽のまとまりを目指そうと考えました。そうしないとスペシャリストによる1本のヴァイオリン&ピアノとの合同演奏で,それを邪魔する音の塊となりかねないと思ったからです。


 《春・花》の主旋律は多くの方が知っているので,主旋律を使って発声や音楽性を整えてみることにしました。具体的には,歌詞唱では母音や音域によってでこぼこして不安定な旋律をなるべくそろえようと,まずは徹底的に母音唱をしました。「ア」ではまず明るくよく響かせるとともに下行の跳躍進行でも響きを落とさないようすること,「イ」では浅くならないようにしながら前の響きを保つこと,そして「ウ」,「エ」,「オ」と同じ旋律を何度も歌って確かめました。その後各パートに別れて同様に母音唱しながら,細部のハーモニーを確かめてきちんとハモらせながら歌うことに取り組んだり,「アイ」でランダムに歌いながら響きを落とさないで歌うということを意識したりしました。

 《夏・城ケ島の雨》も少しの時間取り組みました。こちらは基本的なリズムの悪さを修正したり,旋律での息を身体を使って運ぶ練習をしましたが,途中で時間切となりました。次回8月22日(土)は《夏・城ケ島の雨》から取り組む予定です。

 この日は今度のコンサートのチラシが配布され,先行販売が開始されました。11月21日(土)に行われる本番は席が少なめな中ホールですので,ぜひとも早めにチケットを入手されるようお願いいたします。また,来年7月11日に公演予定のオペラ《トゥーランドット》の合唱団員の再募集も始まりました。興味のあるかたはぜひご参加ください。お待ちしています。

 それから,この日はこのスペシャル合唱団初の懇親会が行われました。特設の合唱団なのでお互いどんな方なのかわからないという人が多く,それは一緒に音楽する上でマイナスだと考えたからです。参加者は少なめではありましたが,練習時に顔は見たことがあっても名前が覚束なかった方の合唱経験や参加の動機,参加しての感想などを知ることができ,とても有意義だったと感じています。幹事を買って出てくれたKさん,ありがとうございました!

【合唱音楽研究会奥州74】初のソロ体験!

 令和8年8月8日(土)の午後(ものすごい雨と雷でしたね。奥州市の一部では道路の冠水もあったとか…),奥州市の水沢南地区センターで合唱音楽研究会奥州の74回目となる活動を行いました。前回(第73回)は水沢教会で「声の響きが豊かになったのは会場のおかげ?」などと考えたりしながら,でもしっかりと声を出して歌うことに慣れてもらったのでした。その時に希望してもらったモーツアルトのミサ曲KV259のソロについて,今回はいよいよチャレンジを始める回でした。

 発声の後,《Kyrie》のソロを希望した方には最前列に移動していただき,立って歌っていただきました。ピアノなしの1回目の通しの際は,ソロの所になると不安気な空気が漂い,調が怪しくなることもありました。しかし,部分を取り上げて合唱を練習したりソロに繋げたりと繰り返すうちに,ソリストの声がだんだん明瞭になってきました。途中からピアノ伴奏者の八木絵未さんがいらっしゃったので伴奏を弾いていただきました。するとソロの方も安心して声を出せるようになったようで,さらに安定して歌えるようになりました。同時に合唱の部分も音楽がシャキッとしてきました。予想以上の出来でした。続くソロなしの《Sanctus》では音楽の繰り返しと変化の構造を理解していただきながら表現を工夫しました。

 次に《紅葉・冬景色》に取り組みました。先に《冬景色》を使って「薄い声」での歌唱表現にチャレンジしました。身体をしっかりと使って「薄い声」を出すのはとても難しいのですが,冬の朝の感じ(?)の音楽に近いたように思います。残念なのは,なぜかこれらの楽曲の際の音のとり方が低めなのです。「ピアノが聞こえていないのか?でもモーツアルトではそうでもなかったし?…」と考えると,もしかすると知っている旋律なので,旋律全体として大ざっぱに歌っていて,音高吟味の精度が下がっているのではないかと思いました。このあたりは次回の課題かと思っています。

 最後にチルコット編曲の無伴奏《Furusato》(こちらは不思議なことに音が下がりませんでした)。主旋律を歌うパート・ソロをまず吟味しました。ふるさとを遠く離れた場所でふるさとを思い出しながら言葉を紡ぐ歌にしたかったからです。よく健闘してもらいましたが,まだまだ。(これもまた)次回の課題としました。

 9月27日の胆江合唱祭まではあと3回です(8/22(土)午前,9/6(日)午後,9/26(土)午後)。ソロへのチャレンジを通して,より充実した響きをめざしていきたいと思います。なお,ソロの分担について2回目の希望をとりほぼ埋まりました。次回までにまとめてご連絡しようと思っています。

2026年8月7日金曜日

【宮古木曜会合唱団】ピアノ伴奏は音楽のイメージを与えてくれます!

 8月6日(木)の夜,宮古木曜会合唱団の通常練習に行ってきました。この日の宮古は盛岡よりも最高気温が高く33度もあったようで,夕方になってもモワッとした暑さが残っていました。

 発声練習では横隔膜を意識してもらうために,①胸郭広げ(=横隔膜広げ),②鳩尾押し返し,③押し返しながら呼気,④その呼気で発音などにチャレンジしてもらいました。盛岡某高音楽部の子どもたちはこれでだいぶ変わってきたので期待したのですが,やはり1回やったくらいでは身につきません。継続して取り組みたいと思いました。

 久しぶりに高校生の作曲作品を練習しました。まずは《僕らの歌》と《秘密の海》の復習から始めました。発声練習で身体の鳴りを少しつかみ始めたので,実際に楽曲の中で使えるようにと,「アー」で歌いながらハモりや溶け合いをめざしました。最後に新曲の《繋がり》を,全パートを全員で階名唱しながら音とりし,最後に1回だけ歌詞で歌いました。

 この日は練習のピアノ伴奏を希望してくださった宮古在住の大久保和歌子先生が来てくださいました。かつて(第30回から第33回までの定期演奏会)宮古木曜会合唱団で一緒に歌ったりピアノ伴奏をしていただいたりした先生です。高校生の作曲作品は音源などがないので,ピアノ伴奏がないと楽曲のイメージをもちづらかったのですが,今回伴奏を入れていただいたのでだいぶイメージがつかめたように思いました。有難いことです!!(ただし,山口公民館のピアノの調律が…)

 次回は1ヶ月以上先の9月12日(土)の午後,その次は9月24日(木)の通常練習となります。今回の音楽的なイメージが失われないことを願っています。

2026年8月4日火曜日

【宮古市立磯鶏小学校合唱クラブ】久しぶりの小学生は楽しかった!

 8月4日(火),東北北部も「平年より7日遅く梅雨明けしたと思われる」爽やかな日の午前中,宮古市の磯鶏小学校の合唱クラブの指導をしてきました。宮古市は昔から音楽が盛んな地域で,小学校にはかつてたくさんの合唱クラブ・合唱委員会がありNコンなどにも数チームが出ていたのですが,今やこの1校だけになってしまいました。指導している先生がかつて同じ学年を組んだこともある同僚で,その関係でここ3年ほど夏休みにお邪魔しています。(ちなみにこの学校は宮古市の連合音楽会の事務局校でもあります。11月の連合音楽会では今年も講師としてお世話になる予定です。)

 今年のNコン課題曲は《どっきん せみさん》,自由曲は《いっしょけんめい》(新川和江作詞/三宅悠太作曲)です。《いっしょうけんめい》のほうは2日前の「音楽の夕べ」で聞いていました

 夏休みの合唱クラブの練習のために登校してくる子どもたちのなかには,すでに歌いながら歩いてくる子もいて,合唱クラブを楽しんでいるように感じました。

 練習は2時間,自由曲は本番を終えたばかりで課題曲は音とりが終わった程度とのことでしたので,まずは2曲を聞かせてもらいました。昨年の印象(記憶?)よりも柔らかい声で一人ひとりがしっかりと歌っているように感じました。聞かせてもらってから,例によって「今日はなにをしたい?」と問いかけました。すると「声を大きく響せたい」とか「強弱をつけて歌えるようになりたい」といった声が聞こえてきました。(昨年のブログを見たら昨年も同じでしたね。)

 はじめは,発声練習で使っていた《あくびの歌》を使って①F-durから長2度ずつH-durまで移調しながら高い音(gis)までチャレンジさせたり,②あくびの真似をさせたりしました。あくびの真似は恥ずかしがってなかなかできなかったので,「歌うってことは作詞者や作曲者になったつもりで言葉を発したりするわけだから,それは真似してるってこと。真似が上手な人は歌もうまくなるんだよ。」と教えて,恥ずかしがらないことを教えました。加えて喉の響きの部屋を広げることも真似させながら,狭い喉を開かせました。

 喉が開くと,(響きはつきますが)同じ程度の音量を出そうとする当然息が足りなくなります。それを「マヨネーズ」とか「水まきホース」のイメージで伝え,お腹から息を送ることの必要性を納得させました。《いっしょけんめい》(の冒頭のユニゾン部分)を何度も繰り返しながら「どこが疲れてくるかな?」とお腹周りの筋肉を使っていることを意識させた上で「歌うってことは筋肉運動だから,使えば使うほど疲れるし,強くなっていきます。」という話をしました。子どもたちはよくチャレンジし,活動していた普通教室ではうるさいほどの大きな声が出てきました。

 一方楽曲の演奏については2つの点を主に伝えました。一つは「きちんとバトンパスをすること」でした。フレーズの最後にまで音楽の緊張感が続かなかったり,ピアノ伴奏を聞かないで歌っていたりしていたからです。もう一つは「言いたいことに応じてブレスをすること」でした。《どっきん せみさん》では「どっきんせみさん」とか「どうしたの?」とか「そうだよね」など,自分の心を表す言葉がたくさんあるのですが,それらの言葉から気持ちが感じられなかったので,その同じ言葉を様々な気持ちで話すことを通してそれぞれの気持ちに応じて息の吸い方が違っていることをわかってもらい,歌うときに活かしてもらいました。

 久しぶりの小学生の指導でした。どんどん変わっていく様子が楽しく,あっという間の2時間でした。担当の先生によると,12時に終了し帰る子どもたちはいつになくお腹が空いている様子とのことでした。身体を使って歌うと(エネルギーを使いますから)お腹が空きますよね。身体を「いっしょけんめい」使って歌った証拠です!Nコンの岩手県大会は8月26日(水)【小学校の部】(と【高等学校の部】,翌日が【中学校の部】)とのこと。岩手県民会館は近いので聴きにいきたいと思っています(審査員の先生方も様変わりしたようです。楽しみです)。みなさん,がんばってね。

2026年8月3日月曜日

【宮古木曜会合唱団】人数バランスよし…場所もよし…

 8月2日(日)の午後,宮古市の磯鶏幼稚園で宮古木曜会合唱団の強化練習を行いました。ソプラノ3,アルト3,テノール2,バス3名と人数バランスが非常によい感じの参加者数でした。

 発声練習では,盛岡某高や合唱音楽研究会奥州でやった横隔膜を意識させる運動や「鼻つまみ」を体験してもらいました。しかし残念ながらその後の練習で生かす場面は少なかったかもしれません。

 団員お勧めの楽曲シリーズから《リフレイン》《小さな空》《Jesu dulcis memoria》《O vos omnes》などを取り上げ練習しました。言葉をつけて歌える方,階名唱なら音が取れる方,階名唱でも音が不安定な方など,大きな差のある状態でした。人数バランスは良いものの,どこに合わせてどのように進めていくと参加した皆さんが充実感を得られるのか,難しいところです。今後の大きな課題と捉えています。


 この日はすぐ隣の宮古市民文化会館で「第61回音楽の夕べ」という演奏会が開催されていました。宮古で昔からヴァイオリン教室を主宰している梅村さんが長年熱意を持って開催している音楽会で,かつて私も宮古の小学校の合唱委員会を引き連れて参加したことがあります。小学生にとっては弦楽器の響きの中で歌う機会は貴重な音楽体験です。この日は磯鶏小学校の合唱クラブが出演するということで,強化練習を15分ほど中抜けして聴きに行かせていただきました。というのも2日後に磯鶏小学校合唱クラブのレッスンをする予定だからです。柔らかい弦楽アンサンブルの響きに溶け込むような声で《いっしょけんめい》を歌っていました。次のレッスンが楽しみになりました。

2026年7月27日月曜日

【ZホールSP合唱団燻銀06】平沢匡朗先生登場!

 7月26日(日)の午後,奥州市文化会館Zホールで,Zホールスペシャル合唱団の6回目の練習を行いました。前回までの5回の練習で全4曲をそれぞれ個別にさらってきて,一応全曲の音とりを終えての今回でした。

 はじめにパート練習を1時間程度とりました。特にも前回取り組んだ《《冬》ペチカ》が難しかったので,それを中心に復習してもらいました。テノールとバスは合同でバスパートリーダーのIさんのご指導で,アルトはパートリーダーがお休みでしたので私が指導しました。アルトのみなさんはとても積極的で,歌い手の中にピアノ弾き担当者がいらっしゃったり,「ここが歌えない」「ここがどうもはっきりしない」と声を出してくださったりするので,ポイントを絞って繰り返して練習することができました。

 1時間パート練習をした後にアルトがパート練習をしていた中ホールのステージに全員が集合して全体練習を行おうとしたら,なんと本番のピアニストの平沢匡朗先生がいきなりショパンのワルツを1曲弾いて登場なさいました!

 その後は平沢先生に伴奏を弾いていただきながら,曲集の後ろから(冬→秋→夏→春)全曲を練習しました。どの曲においても器楽だけの部分と合唱が加わる部分とがバトンタッチしながら音楽が進むのですが,器楽だけの部分では平沢先生のピアノから音楽の方向性が示されるので,それを合唱が受け取って紡いでいくという楽しさ(そして難しさ)を体験できました。中でも《冬》と《夏》はテンポの移行がとても難しく,今後の(私の)宿題となりました…。

 早い時期に本番の(プロの)演奏者の方と合わせる,一緒に音楽づくりができるのはとても助かります。楽譜から読み取ること=楽譜の解釈は演奏者によって異なるのが当たり前です。それを擦り合わせてよりよい音楽を目指す作業は必要で,そのためには時間がかかります。ですから早い時期に合わせておけると,その後の時間でさらに自由がきくように練習を進められます。

 次回は8月9日(日)14:00-17:00です。練習後には懇親会も予定されていますので,奮ってご参加ください。

2026年7月26日日曜日

【合唱音楽研究会奥州73】声が充実!音楽が充実!

 7月25日(土)雨の午後,奥州市の日本基督教団水沢教会で合唱音楽研究会奥州の73回目となる活動を行いました。久しぶりに水沢教会をお借りしての活動でした。

 9月27日(日)の胆江合唱祭を意識したのか,あるいは「この日にモーツアルトのミサ曲(K259)のソロ箇所の希望をとります」とアナウンスメントをしたからなのか,けっこう多くの方が集まってくださいました。

 発声では,腰を落としながら背筋下部(インプルス)に息を入れ,そのまま声を出すことにチャレンジしました。背筋下部に息を入れることについては,ちょうどこの日の朝の岩手朝日テレビ「題名のない音楽会」で,6月下旬の日本声楽発声学会に「現役声楽家」の講師として来てくださった宮里直樹がやっていた息の入れ方を,再び取り上げてやってみました。すると,皆さん非常に楽にしかも大きな声が(高い音まで)出ました。いい感じだったのでそのまま楽曲の練習に移りました。

 初めはモーツァルト作曲のオルガンソロ・ミサ曲(KV259)から《Kyrie》です。「モーツアルトらしい楽しさが音楽に溢れるように歌いましょう。」と声掛けしたら,皆さんがじゃんじゃん声を出して生き生きとした感じが表れてきました。そして前回までとは声の大きさが違っていました。これは発声練習が効果的だったのか,胆江合唱祭という本番を意識してやる気が増したのか,高校生が頑張っている様子を伝えた(盛岡まで聞きに来てくださり感想発表してくださったSさん,ありがとうございました)からか,あるいは水沢教会という会場のおかげか…。いずれにしろこの音楽のモードを次回以降にも引き出していくことが大事と思いました。

 つづいて無伴奏のボブ・チルコット作曲《Furusato》に取り組みました。前回はテノールの主旋律が課題で終わっていたのですが,そこも含めて全体が音楽の方向性を共有できた感じで,とてもよい響きにまとまっていきました。「音下り」の癖も全く現れませんでした。

 最後に《紅葉・冬景色》を練習しました。音的には難しいことはないのですが,《紅葉》の色彩感,《冬景色》の空気感や朝の静寂の様子を表現することはまだまだ難しく,どうしても声(それも母音)を出しすぎる傾向が止みませんでした。

 9月27日の胆江合唱祭まではあと4回です(8/8(土)午後,8/22(土)午前,9/6(日)午後,9/26(土)午後)。学びの成果を胆江地区の皆様にお聞かせできるように,集中して取組み高めていきたいと思います。なお,ソロの分担については次回までに原案をまとめておこうと思います。お待ちくださいね。

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