2023年8月25日金曜日

日本声楽発声学会 2023年度「夏季研修会」 in 日本福音ルーテル東京教会

 


 6月上旬に東京芸術大学で例会を行った日本声楽発声学会毎年行っている夏季研修会に1泊2日で参加してきました。場所は新宿区大久保にあるとても響きの良い教会です。(東京より盛岡のほうが暑かったようですが,東京は人が多くて暑苦しい感じでした。)

 4つの講座がありました。

 A講座は特別講座で,ヴォルフラーツハウゼン児童合唱団の指導者でありミュンヘン音楽演劇大学で教員養成にも携わっている木下マティアス義久氏が講師で,「関係性・存在・創造性〜子供たちの合唱体験の設計について〜」という演題でした。人間の存在と人間の成長について真正面から考え,それを丁寧に実践している様子が伝わりました。「本質と状況を区別する」「安心なスペースをつくる」「差別化(個別化)と評価を注意深く分ける」「沈黙・集中・注意の力を高める訓練をする」「Affekt Betonungの状態をつくる」「声帯の機能を取り戻す」…たくさんの学びがあり,またこれまで感じていたことが誤りでないと自信にもなりました。公演終了後の休憩時間には個別にお話しすることもでき,変声期の指導のことなども聞くことができました。


 B講座は現代日本の作曲家シリーズ講座XIで,信長貴富さんが《祈ってもいいだろうか》《うた》の2曲についての作曲の意図や工夫,表現のアイディアについて話し,参加者が実践しながら学びました。終了後にはサインをいただく列に加わり,2013年3月にHarmony for Japanの演奏会およびその後の打ち上げで宮古木曜会合唱団としてご一緒したこと(《群青》の編曲を決意なされた場でした)などお伝えしました。

 翌日C講座は公開講座で,耳鼻咽喉科医の萩野仁志氏による「声の診察に関して」の講演でした。発声時の声帯や軟口蓋の様子の動画を見たり髙橋未来子さんの実演を聞いたりしながら学ぶことができました。「EAT治療」という治療法の効果絶大なることも初めて知りました。終了後にはデモンストレーションを担当した髙橋未来子さんと及川貢先生のことをお話ししたりもしました。

 最後はD講座で「歌の集い」,4人の声楽家の演奏を聴きました。声質の違い,声量,表現力,目指す方向などなど,四人四様の音楽を聴くことができました。「声は手段だから」…となりで聴いていた会長のお言葉です。沁みました。

 次は11月に東京芸術大学で例会があります。またまた興味深いプログラムのようなので,学びに行こうと思っています。

0 件のコメント:

コメントを投稿

【盛岡某高音楽部】歌いぞめ!

 1月6日(月)盛岡某高音楽部の今年最初の部活動に行って来ました。冬休み中なので午前中です。 まだ部活動を開始しているところは少ないようで,外にも体育館にも運動している高校生の姿はほとんど見えませんでした。音楽室に行くと,昨年暮れにインフルエンザの流行により残念ながら中止となった...