2023年11月24日金曜日

岩大合唱団合同練習③:チラシもできて,様々いい感じ

 


 11月23日(木・祝)の午後,ウクライナ・フィルの第九の小中学生の指導をソプラノ・パートリーダー のAAさんにお願いして,私は岩手大学合唱第70回記念定期演奏会に向けたOB・OG合同合唱団の指導に行ってきました。演奏会は今度の1月21日(日)14:00開演,盛岡市民文化ホール(マリオス)大ホールです。

 この日は(第3部としては)3回目の練習でした。盛岡近郊だけでなく,岩手県内だけでなく,東北各地,関東からも集まり,50人はいたと思います。懐かしい顔やら大先輩方,そしえ現役学生も10名ほども参加してくれました。本来ならSM先生のご指導の予定で,それを楽しみに集まったのでしたが…私の指導で残念でしたぁ〜

 普段は合唱団に所属していない方も多くいるので,まずは「体を楽器・パイプにする」発声練習をしました。続いてパート練習を,と思ったのですが皆さんほぼ必要ないほどさらってきていて(SBはリーダーがいたけどTAはリーダーがいなかったのもあって),「全体練習がいい」という声が多く,ヴィヴァルディの「グローリア」の全体を確認したり,ブラッシュアップしたりといった練習になりました。

 久しぶりの人もいるとは思いますが,基礎力があるせいか,出てくる音はなかなか良い感じです。張り切って歌ってるので,(特にポリフォニックな部分では)「パートの役割を自覚して,テーマや周りの音楽を聴く」こと,「ハーモニーのバランスを想定する」こと,「溶け合う響きの声を目指す」ことなどが主だったポイントでした。

 第3部の練習の最後に,アンコール予定の「岩手大学学生歌」(千葉了道先生作曲)と「ほしめぐりの歌」(林光作曲)の音を出しました。「学生歌」は「岩手公園でクダを巻いている感じじゃなく,素敵な歌詞を伝えましょう!」とお話ししました。学生歌の合唱を聴いていて,懐かしくて涙が出そうになりました!

 一区切りつけて,第2部に出る予定の方々のために,宮沢賢治シリーズの音を駆け足で出しました。歌った事のある曲や他の合唱団で振った事のある曲などでしたので難しいポイントはわかりましたが,解決するだけの時間はありませんでした。ごめんなさい。

 この日はチラシや招待券が配られました。音楽もいい感じになってきて,あと2ヶ月って感じになりました。私が初めて出たのは第31回…それから40年・40回も繰り返されてきたのですね。ご指導くださったSM先生に心から感謝です!素晴らしい文化を盛岡に,岩手に,私たちに伝えてくださったこと,「自己規制するな!」と若いときにチャンスをくださり鍛えてくださった事,そんな歴史の積み重ねを改めて感じた午後の練習でした。

 みなさん,ぜひ聴きにいらしてくださいね。

2023年11月19日日曜日

MBKV:新しいカンタータ2曲…メタ認知と資質・能力の育成

  11月19日(日)盛岡市の舘坂橋教会で盛岡バッハ・カンタータ・フェライン(以下フェライン)の強化練習がありました。月に1度の強化練習,H.ヴィンシャーマン・メモリアルコンサート後初の強化練習でした。指揮者のSM先生,第1コンサートマスターのOKさんとも来られず,私が指導することになりました。

 今回(実は先週の火曜日)から新しいカンタータに取り組んでいます。BWV10BWV177です。これらは(BWV93と合わせて)来年のライプツィヒ・バッハフェストで演奏する予定で,来年2月11日に「ライプツィヒへの旅」と題した無料レクチャーコンサートの第4弾の本番にかけるものです。

 この日は,はじめに2つのカンタータのいずれも最後の曲である4声体のコラールを練習して歌い慣れ,その後はいずれも1曲目の合唱曲のパート練習を中心に行いました。私はパートリーダーが不在だったソプラノの指導をしました。どちらも作曲様式としては「コラール・カンタータ」,つまりコラール旋律を基にした変奏曲のスタイルですから,ソプラノの多くの部分はコラールの定旋律を担当します。フェラインのソプラノの大きな課題は「子音を明瞭にすること」です。それを念頭にいろいろと試してみました。

・有声子音は時間をかける,無声子音は唾を飛ばす(つもり)…と強調できる
・音符いっぱい母音を延ばさなくていいので,語尾の子音をきちんと入れる…と単語が浮き出る
・子音は前の音符(休符)の中に時間をとって,音にする…と母音が音符の頭に入れられる
・子音を強く&母音を強くなく歌えるように腹をコントロールする…と子音が母音に消されない

 うまくいったときに「どこをどう変えたらうまく行ったかな?」と問い返しました。これによって歌い手のメタ認知を導けると考えたのです。「やけくそになってやってみた」とか「お腹からの息をきちんと使った」「前の母音を早く切り上げて次の子音を発音した」とか,自分がやった結果良かったことを自覚してもらうことで,他の箇所に生かすことができる資質・能力として身に付くのだと思うのです。「言語化と自覚」「習得と活用」「技能の転移」「応用」…。その曲のその箇所でできることは他の曲の他の箇所でもできる,そのことを自分からやるようにしていくことが合唱団としての力量を高めることなると考えています。小学生的に言うと「当たり前のレベルアップ」ですね。

 後半に4パートで合わせたときも,ソプラノの言葉は聞き取れるほどしっかりとうたわれたいました。その方法,身体の使い方を身につけて,これからも使っていって欲しいものです。

2023年11月18日土曜日

【合唱研・お知らせ】「レクイエム 全曲演奏会」へのお誘い

 「レクイエム 全曲演奏会」の概要をお知らせします。これを機に合唱音楽研究会奥州に入って一緒に混声合唱をしてみませんか?(会員の方には先日メールでお知らせしたものとほぼ同じです。)

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演奏会名称:山田靖了先生 旭日双光章受賞記念 モーツアルト「レクイエム 全曲演奏会」(仮称)…掲載チラシは暫定版です
日時:2024年4月6日(土) 開演15:00(開場14:30)
会場:盛岡市民文化ホール 大ホール
入場料:1.000円(全席自由)
指揮:山田靖了(後半) 佐々木幹雄(前半)
独唱:鈴木たたえ(S),在原泉(A),西野真史(T),小原一穂(B)
オルガン:武澤えりこ
合唱:混声合唱団北声会・合唱音楽研究会奥州・モーツアルトのレクイエムを歌う会
主催:混声合唱団北声会
共催:合唱音楽研究会奥州
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 岩手県の合唱界をリードしてきた山田靖了先生とその手兵である北声会さんが主催し私たち合唱音楽研究会が共催という形で参加する形になりました。

 実は,北声会さんも私たち(の多くの方)同様,数年前に「レクイエム 」の前半の演奏会を終え,「次は後半」という矢先にコロナ禍となって演奏できずにいたのだそうで,なんとか全曲を演奏したいという気持ちは私たちと同じなのです。

 しかしながら私たちは具体的に「演奏会」を念頭においてスタートしていませんし,演奏会を実行するほどの人的・金銭的・その他諸条件が整っているわけではありません。一方北声会さんは演奏会運営は慣れてい(ると思い)ますが,「レクイエム 全曲」を単独で演奏するには現状で力不足を感じていたのだそうです。そこでこのような企画となりました。

 もう少し具体的な取り組み内容を記します。
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1.合同練習日程:①から⑦が合同,(カッコ)は私たちだけの練習日,【カッコ】は主な指導担当者
(11/18(土) 14:00-17:00 奥州市 【幹雄】)
(12/ 2(土)  14:00-17:00 合唱音楽研究会奥州(以下,合唱研)活動日)
①12/23(土) 午後 盛岡市 【山田】
② 1/13(土) 14:00-17:00 奥州市 【幹雄】
( 1/27(土) 14:00-17:00 合唱研活動日)
( 2/ 3(土) 14:00-17:00 合唱研活動日)← 3/9(土)から変更しました
③ 2/10(土) 14:00-17:00 奥州市 【山田】
④ 2/25(日) 午後 盛岡市 【山田】
( 3/ 2(土) 14:00-17:00 合唱研活動日)
⑤ 3/10(日) 午前&午後 盛岡市「通し練習」ソリスト付き 【山田】☆
⑥ 3/23(土) 午後 盛岡市「通し練習」 【幹雄】
⑦ 3/31(日) 午後 盛岡市 「通し練習」 【山田】☆
2.負担金(負担金に合わせ入場券を配布予定)
 北声会:15,000円程度
 合唱研:10,000円
 歌う会: 7,000円
3.練習の持ち方
 2つの会のそれぞれの練習に可能な範囲で参加する。(ちなみに「歌う会」として参加する方は7回参加を望まれています。)
 前述の⑤3/10と⑦3/31はなるべく参加いただきたい。
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 少し説明を加えます。
・合同練習は盛岡で行われることもありますが,参加できない方のために幹雄が参加して練習内容を把握し,奥州での練習に生かします。ですから「盛岡にそんなに何回も行けない」という方もご安心ください。
・北声会さんの練習に参加するにあたって,毎回の参加費は不要です。ご安心ください。
・少しでも歌い慣れることができるように,合唱研の活動日を増やしました。ご安心ください。(音取り音源も準備中です。)
○そして,たくさんの人数で声を合わせて合唱します。得意なところや苦手なところがそれぞれにあると思いますが,そこで支え合えるのも合唱の魅力です。一人で歌うわけではありません。ご安心ください。

※なお,もし全曲演奏会には出られないという方も,合唱研の活動には遠慮なくご参加ください!合唱を楽しみましょうというのが私たち合唱研のコンセプトですから!!

 岩手県合唱連盟の理事長を長くお勤めになり全国レベルでご活躍の山田靖了先生の指揮,伝統ある混声合唱団北声会と合同,響のよい盛岡市民文化ホール(マリオス)大ホール,この条件下でモーツァルト「レクイエム 」の全曲を歌える機会はほかにないと考えますがいかがですか?なるべく多くの方とともにステージに立ちたいと思います。参加について,どうぞ前向きにご検討ください。



【合唱研第16回:活動報告】大人数で「モツレク」全曲音を出したぞ

 

 11月18日(土),水沢教会で合唱音楽研究会奥州の16回目の活動がありました(第15回は胆江合唱祭本番)。前回からおよそ1ヶ月,5週間ぶりの活動でした。この日は盛岡市で活動している混声合唱団北声会から12名(常任指揮者の西野さんも)ご参加くださいました。というのは,4月5日(土)に北声会主催,合唱研共催で「モツレク」の全曲演奏会を開催することになったから,その最初の顔合わせ的な位置づけだったからです。合唱研は36名,計48名となり,教会は空席なく腰掛けた上に折りたたみ椅子まで出すほどになりました。

 加えて,「岩崎姉妹のSP合唱団に参加していました。」とか「先日の胆江合唱祭を聞かせていただきました。」と,この日初めて参加してくださった方がなんと5名!仲間が増えてとても嬉しくなりました。

 活動の始めに,「レクイエム全曲演奏会」の概要(後ほどご報告します)を口頭でお伝えし,北声会も私たち同様でコロナのため「モツレク」前半しか本番できておらず,後半,そして全曲をなんとか演奏したいと思っていたところで,思惑が一致した…といった説明をしました。また,北声会委員長の石亀さんと常任指揮者の西野さんからのご挨拶もいただきました。

 まずは歌い慣れている「Domine Jesu」から音を出し,続けて「Hostias」…と後半を一通り音を出しました。合唱研も北声会も「以前練習したけど,久しぶり」な感じで,音がわかるところはがんがん声を出している感じ,でも落ちることなく(「Hosanna」以外は)最後までいけました。休憩を挟んで,前半「Requiem」から「Lacrimosa」までを音を出しました。こちらはそれぞれの会とも本番を経ているだけあってある程度音楽を考えながら歌っている感じはしました。気をつけたのは初めての方々です。クラシックな合唱が初めての方は,音符の多さと動きの忙しさとラテン語と…目を回したことでしょう。ですからそういう方には「まずはどこを歌っているのか」が聴いていてわかることを目指してもらいました。

 さらに休憩後には「Hostias」の無意味シラブル唱に取り組みました。みなさん張り切って声を出しまくっているので,「体を楽器にして,楽器の持つ一番いい音で音楽しましょう。」と,皆さんが比較的見通しがきいている簡単な曲を使って息遣いやハーモニーの方向を探ってみました。「器楽奏者は楽器の音だけで音楽しているわけだから,まずは私たちも(歌詞なしで)楽器(=身体)の音でよりよい音楽しましょう。」というねらいでした。すると歌うことだけでなく聴くことにも注意を払って歌うようになってくれました!

 諸連絡の後,初めてご参加の4人(1人は途中で帰られた)の方からご挨拶をいただきました。「レベルが高くてついていけない」とおっしゃるので,「初めからこうあったわけではないし,合唱は一人で歌うのではなく支え合って歌うから,大丈夫!」と次回も来てもらえるようお話ししました。

 次回12月3日(土)は今日と同じく水沢教会で合唱研だけの活動です。少し丁寧に音や発音を確かめていきたいと思っています。そして12月23日(土)が次の合同練習日となります(盛岡会場)。場所は未定ですが,たくさんの方が盛岡に行って山田先生の貴重なレッスンを受けられることを願っています。

2023年11月12日日曜日

2つの練習:難しさはそれぞれ

  この週末,2つの合唱団を指導しました。

 11月11日(土),盛岡市民文化ホール大ホールのステージで「ウクライナフィル 2つの第九」の大人の練習時間でした。本来は合唱団の音楽監督であるSM先生の練習時間でしたが体調不良のため叶わず,音楽監督代行のOK先輩も体調不良で欠席となり,私がすることになりました。
 この合唱団は数団体が合同になっているためメンバーの経験の差が大きく,第九経験者もあり初めての方もあり,ドイツ語に慣れた方あり初めての方あり…と,どこに照準を合わせて鍛えることが今必要なのか,を見極めるのが難しいのです。特に今回は午後に練習していた中学生や小学生も数人残って参加していたこともありました。聞こえてくる音楽だけで判断して「ああして,こうして,」と曲作りをしてもいいのですが,自分が振るわけでもないし,少ない回数(あと1回しかない!)の音楽監督の先生の練習を効果のあるものにするには合唱団にどんな「資質・能力」が必要なのか,という点を見抜かなければなりません。これが最も難しいことに思われました。
 残念ながら,的確にポイントを絞って…という風にはできませんでした。いろいろ迷うことが多く,いろいろなことが中途半端な扱いのままだったように思います。

 11月12日(日),宮古市のうみまちひろばの2階会議室で,宮古木曜会合唱団の強化練習をしてきました。13:00〜17:00までの4時間コースです。この会議室にはピアノがありません。ですからキーボードを拙く弾いて音をとる程度で,基本的にはア・カペラでした(会場の響きも教会のようでした)。

 「身体をパイプにする発声練習」を軽くやった後,パレストリーナのモテット,バッハ のミサ曲,モーツアルトのヴェスペレ,そして日本語の曲と扱いました。こちらはなんとテノールが一人も来ず(!),自分が歌いながら指導したところもありました。
 皆さんはポリフォニーには慣れていないので自分のパートを歌うことに必死で,他パートと合わせてアンサンブルすることができません。と言うかきっと他パートを聞くことすらできていないのだと思います。早さも音楽の運び方も各パートで異なってしまい,全体で一つの音楽を作っている意識がなかなか見えませんでした。何度も繰り返して聞きどころを確かめたり,楽譜を示して音楽の関係を解説したりしながら耳鳴らして,音楽の全体像の中に自分のパートや音を位置付けることに取り組みました。

 それぞれ合唱団によって,指導すべきことが違います。簡単に「レベル」が違うと言ってしまうと問題が見えなくなると思います(もちろん聞くことのレベルや歌のレベル,発声のレベルなど個別には様々想定することはできます)。集まってきた時間を「有意義だった」と一人ひとりと思ってもらえるようにするには,こちらの「教材研究」が不可欠です。今後も勉強しておいて,機会があったらチャレンジしていきたいと思いました。

2023年11月10日金曜日

バッハフェスト・ライプツィヒ2024のプログラムが届きました

  10月中旬から続いた本番(5回)が終わって一休みとなった1週間でした(疲れも出ました)。メールボックスを見ると,「Programmbuch 2024 Digitaler Versand/ Bachfest program 2024」と題されたメールが届いていました。来年のバッハフェスト・ライプツィヒプログラム冊子の.pdfファイルです。

 早速開いて「morioka」で検索してみると,ありました,6月8日のページ(p.41)の12:00からライプツィヒの大学教会で「コラールカンタータ」シリーズの2として開催されるようです。ちなみにこの日はフェスティバルが始まって2日目で,この日だけで11のプログラムがあるようです。ちなみにコンサートリストからリンクしている演奏者紹介のページでは「Bach-Kantaten-Verein Ostjapan」つまり「東日本バッハ・カンタータ・フェライン」となっています。


 プログラムはBWV10と177,そして先日東京盛岡で演奏した93,オケはパウリナー・バロックアンサンブル,指揮はドイツや日本で共演したことのある指揮者であり即興音楽の大家でもあるD.ティムさんです。

 大学教会はバッハがライプツィヒ市の音楽監督に就任した際に任されるはずだった教会なのです(バッハが大学を出ていないために音楽監督には任ぜられず「旧礼拝」の監督のみ任された)。ゲヴァントハウスのホールとオペラハウスに挟まれた広場に面した位置にあり,第2次世界大戦ではほぼ無傷だったにも関わらず,その後の東ドイツの社会主義政権下で社会主義モデルの大学キャンパスを作るために取り壊されたそうで,バッハ当時の建物は失われています。2004年に行ったときはまだ教会のシルエットを形どった赤い鉄骨のモニュメントだけがありました(左写真)。今やライプツィヒ大学のシンボルになっているようで,HPのトップに写真が出ていました。(右下写真)

 今回(2024年)のバッハフェスト・ライプツィヒのテーマは「Choral Total」。バッハが1723年にライプツィヒに職を得て毎週のカンタータ創作に取り組み始め,1724年から25年にかけてほぼ完全なコラール・カンタータの「年巻」を作ってからちょうど300年にあたるだけでなく,宗教改革をリードしたM.ルターが初めてのプロテスタント賛美歌集をヴィッテンベルクで出版した1524年から500年にあたり,「コラール」そして「コラール・カンタータ」にとって記念すべき年なのです。ちなみにBWV10は1724年7月2日初演,BWV93は同年7月9日初演,BWV177は1年前の7月6日初演(1724年のコラール・カンタータ年間を補うために作曲された…1724年の三位一体後第4日曜日はマリアの訪問の祝日と重なったためBWV10が使われた)と,ほぼぴったり300年後に初演の地で演奏できる機会なわけです!

 過去9回(1990,1998,1999,2001,2004,2005,2007,2008,2013年)ドイツへ演奏旅行に行きましたが,2013年の後は2020年にバッハフェスト・ライプツィヒにオファーがあったもののコロナ禍でいけず,結局ここ10年間程実現できませんでした。2024年の今回こそは実現し,ドイツのあるいは世界からバッハを訪ねてライプツィヒに来る方々に私たちのバッハ・カンタータを聴いてもらいたいと思います。

 BWV10と177は来年の2月11日に「ライプツィヒへの旅 Vol.4」(レクチャーコンサート,会場未定)で演奏する予定です。いずれも素敵な音楽,素敵なカンタータです!ぜひ聴きにいらしてください。

2023年11月6日月曜日

【盛岡公演終了】音楽の力

  11月5日(日)には盛岡市民文化ホール大ホールで,「H.ヴィンシャーマン・メモリアルコンサート」を開催しました。オーケストラは東京公演と同じプロ集団のH.ヴィンシャーマン・メモリアルオーケストラ,ソリストもソプラノ,テノール,バリトンは同じ。アルトの小野寺貴子さんに変わって,盛岡バッハ・カンタータ・フェライン会員でアルトのパートリーダー も務めるTCさんが急遽担ってくれました!

 前日に同ホールが確保できず盛岡劇場にてリハーサルを行いました。今回は合唱メンバーが98名と大所帯なので,せまいステージに並べるのに少々苦労しました。東京公演の時とはメンバーがだいぶ違います。盛岡に加えて仙台宗教音楽合唱団,そして山形アマデウスコアの3団体が主。岡山バッハカンタータ協会からは3名が参加してくださいました。皆の音楽の方向性がスパッと合ってるな,と思う瞬間が多く,歌いやすさを感じました。


 本番当日,朝8:30からステージの仕込みでした。10:00のGP開始に間に合わせるためです。ポジティフオルガンの調律を最優先にしながら合唱の雛壇を4列25席ずつを作り,オケの配置をおおよそ定めてて10:00を迎えました。なにしろ「段組み担当」でステージのセッティングの仕事もおおせつかりましたから。

 GPはまたまた声を出すことはありませんでした…オケを振るために客席に控えていたからです。前日のオケの歓迎会の際にオケの方々(合唱の方々も)から「見易かったよ」と言っていただいたのですが,チェロの田崎さんからは「合唱曲はもっと自分の求める音楽を出していい」とアドバイスいただいたので,楽しんで振らせていただきました。打ち上げで田崎さんから「今日の指揮は良くなったよ」とお褒めいただきました!指揮台で聴くバッハのカンタータ。「本当に素晴らしい作品を残してくれた,宝物だ。」と思えました。ヴァイオリンもヴィオラもコンティヌオもオーボエも…そして声楽ソリストも,本当に素敵であこがれに満ちた音楽でした。オルガンの能登さんは(前夜の歓迎会での私のリクエストを受けてくれてかどうかはわかりませんが,)アンコールのBWV147のコラールの後奏の右手に定旋律を入れて(最後はオクターヴ下げて弱く)弾いてくれました!!!

 東京の合唱同様,少し母音成分が多くて子音のキレが悪い傾向は否めませんでしたが,ヴィンシャーマン先生が伝えてくれた「愛」を十分に感じる音・音楽になったように思いました。また演奏だけでなく,裏方として会員の皆さんが細部にわたって音楽のために尽くしてくださっていることが大いに支えになっていることも感じることができました。

 次回の練習からはBWV10と177です。BWV93同様,来年ドイツのバッハ フェスト・ライプツィヒで演奏するカンタータです。また一から学び直して楽しんでいきたいと思います。


2023年11月3日金曜日

【東京公演終了】久しぶりのオケ付きカンタータは上質の音楽でした


 本日11月3日(金)、H .ヴィンシャーマン・メモリアルコンサートの東京公演に参加しました。カンタータ3曲(BWV93、27、140)を久しぶりにオーケストラ付きで演奏しました。会場は晴海のトリトンスクエアにある第一生命ホール、700名ほど入る室内楽用のサイズですが、品のある響きの良いホールでした。ソリストはソプラノが隠岐彩夏さん,今や芸大教授です。アルトは小野寺貴子さん、ドイツの劇場ソリストとして活躍中です。バスは田中雅史さん、芸大大学院を終えて売り出し中の歌手です。以上の3人は盛岡で一緒に合唱を歌っていた仲間です。皆、素晴らしい声と音楽を聴かせてくれました。テノールは鈴木准さん。岩手出身ではないけれど、これまで何度も共演していただきました。

 オーケストラもそうそうたるメンバーで、紹介しきれないくらいのプロの皆さんです(11月5日の公演も同じメンバーなので、後ほど検索してみてください)。

 この公演は岡山バッハカンタータ協会という合唱団のリードで、盛岡・仙台(・山形)などは共催ではありましたが歌(とチケット販売)で参加するだけ、といった感じでした。異なる合唱団の合同演奏でしたが、いつもながら同じ方向の音楽を目指しているので,合わせるのに大きな問題はありません。前日リハ、当日GPで本番を迎えられました。

 ヴィンシャーマン先生を想いながらの演奏となりました。音楽の楽しさ、エネルギー、大きな愛…様々な経験をさせていただき学ばせていただいたのだなぁと、指揮をしながら全体をリードするSM先生を見ながら改めて感じました。

 昨日の合唱練習に先立つソロ合わせの際には、指揮をしているSM先生から「コラールを演奏する弦楽器のバランスはどうだ?」と突然訊かれ、「こりゃ、ぼんやり効いてられないぞ。」と思わされたり、今日のGPでは1曲目が始まってまもなく指揮台に呼ばれて,先生が客席で音をチェックしている間指揮をすることになり、その後もずっと指揮台の近くに控えて、レチタティーヴォ以外ほぼ全曲の中間部を指揮する機会をいただきました。これは本当に得難い機会です。プロの器楽奏者とプロの声楽家を目の前にして音楽を作っていくわけですから、その素晴らしい音色と音楽を間近で体験させてもらえるとともに、ちょっとでも気を抜くとプロのそれぞれのプレーヤーの音楽にもっていかれてバラバラになってしまうのをまとめる重責とを、体験的に学ぶことができるのですから!それにしても盛岡の演奏会では何度か経験していますが、他の合唱団がメインの演奏会、しかも東京という地では初めてでした。岡山の方々はきっと「あの人、だれ?」って感じだったと想います。

 合唱は健闘していましたが,頑張りすぎているのか母音がでかくて,その分子音が聞こえないというもったいない感じになっていました。大括りな音楽でなくコンパクトな表現を盛岡公演では目指したいと思いました。


 明日は盛岡でのリハーサル、そして明後日11月5日は盛岡公演の本番です。どうぞ盛岡市民文化ホール(マリオス)大ホールに足をお運びください。そして久しぶりの上質の音楽を楽しんでください。お待ちしています。

仲間が増えました!

  今週のこと。  5月14日(火)の夜は盛岡バッハ・カンタータ・フェラインの通常練習でした。練習曲はなんと《ヨハネ受難曲》の第2稿! 6月のドイツでのカンタータ演奏 の後の取り組みを見越しての先生からのご提案です。このうち2つの大きな楽曲の「初見大会」の後,日曜日に仙台で行った...