この週末,2つの合唱団を指導しました。
11月11日(土),盛岡市民文化ホール大ホールのステージで「ウクライナフィル 2つの第九」の大人の練習時間でした。本来は合唱団の音楽監督であるSM先生の練習時間でしたが体調不良のため叶わず,音楽監督代行のOK先輩も体調不良で欠席となり,私がすることになりました。
この合唱団は数団体が合同になっているためメンバーの経験の差が大きく,第九経験者もあり初めての方もあり,ドイツ語に慣れた方あり初めての方あり…と,どこに照準を合わせて鍛えることが今必要なのか,を見極めるのが難しいのです。特に今回は午後に練習していた中学生や小学生も数人残って参加していたこともありました。聞こえてくる音楽だけで判断して「ああして,こうして,」と曲作りをしてもいいのですが,自分が振るわけでもないし,少ない回数(あと1回しかない!)の音楽監督の先生の練習を効果のあるものにするには合唱団にどんな「資質・能力」が必要なのか,という点を見抜かなければなりません。これが最も難しいことに思われました。
残念ながら,的確にポイントを絞って…という風にはできませんでした。いろいろ迷うことが多く,いろいろなことが中途半端な扱いのままだったように思います。
11月12日(日),宮古市のうみまちひろばの2階会議室で,宮古木曜会合唱団の強化練習をしてきました。13:00〜17:00までの4時間コースです。この会議室にはピアノがありません。ですからキーボードを拙く弾いて音をとる程度で,基本的にはア・カペラでした(会場の響きも教会のようでした)。
「身体をパイプにする発声練習」を軽くやった後,パレストリーナのモテット,バッハ のミサ曲,モーツアルトのヴェスペレ,そして日本語の曲と扱いました。こちらはなんとテノールが一人も来ず(!),自分が歌いながら指導したところもありました。
皆さんはポリフォニーには慣れていないので自分のパートを歌うことに必死で,他パートと合わせてアンサンブルすることができません。と言うかきっと他パートを聞くことすらできていないのだと思います。早さも音楽の運び方も各パートで異なってしまい,全体で一つの音楽を作っている意識がなかなか見えませんでした。何度も繰り返して聞きどころを確かめたり,楽譜を示して音楽の関係を解説したりしながら耳鳴らして,音楽の全体像の中に自分のパートや音を位置付けることに取り組みました。
それぞれ合唱団によって,指導すべきことが違います。簡単に「レベル」が違うと言ってしまうと問題が見えなくなると思います(もちろん聞くことのレベルや歌のレベル,発声のレベルなど個別には様々想定することはできます)。集まってきた時間を「有意義だった」と一人ひとりと思ってもらえるようにするには,こちらの「教材研究」が不可欠です。今後も勉強しておいて,機会があったらチャレンジしていきたいと思いました。
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