2023年8月27日日曜日

岩崎姉妹SP合唱団01:がんばります


  8月27日(日)に奥州市のZホールで,「岩崎宏美・岩崎良美と歌おう♪スペシャル合唱団」の結団式および1回目の練習会を行いました。10月14日(土)にZホールで行われる「宝くじまちの音楽会「岩崎宏美・岩崎良美〜ふれあいコンサート〜」で2曲ほどバックコーラスを担当する地元合唱団という位置付けです。主催は奥州市・(一財)奥州市文化振興財団・(一財)自治総合センターの3者です。

 《翼をください》と《埴生の宿》を混声四部合唱で共演するという企画です。
 合唱団員はなんと97名!やはり男声が少なめではありますが,コロナ禍によって合唱活動は下火になっていたと思っていたのに,公募にこれほどの申し込みがあるとは驚きました。しかも「昭和歌謡」ですので希望者はそれほど多くはないと思っていたのでした(ちなみに公演チケットも完売です!)。小学生から大先輩まで(といっても中高生はいない様子)幅広い年齢層でした。

 難しいのは,完全にバックコーラスという立場です。つまり,主旋律は岩崎姉妹が担当するので,聞き知ったメロディーを歌うことはできないのです。みな副旋律。今日はまず《翼をください》の主旋律を確かめながら喉慣らしとし,前半部分の各パートをバス,ソプラノ,アルト,テノールの順に皆でさらって,合唱の感じと各パートの感じをつかんでもらいました。結団式と写真撮影の関係で時間がなく,超駆け足の進行になってしまいましたが。

 合唱を普段からやっている仲間,かつて奥州市で一緒に歌った友人もたくさん参加してくれていました。一方,学校卒業後は合唱したことがないという方々も半数近く参加されています。そういった方々に副旋律を歌うことの楽しさをどうやって体験していただくか,これが第1回の練習をしてみての,私の大きな課題です。あと4回(しかない!)の練習をいかに楽しんでもらいながら無駄なく進めるか…作戦を練ってがんがります!!ご参加のみなさん,「私にどうかお力添えをお願いします。」(←選挙運動風)どうぞよろしくお願いします。

 (このリンクは夕方のローカルニュースの内容です。動画はあるのかな?)

2023年8月26日土曜日

【第11回・報告】合唱音楽研究会奥州:本番に向けての「練習」開始

  8月25日(土)には水沢教会で11回目の活動を行いました。参加者は30名強(T2,B3)。ものすごい暑さが続く中でしたが,たくさんの方がお集まりくださり,嬉しくなって張り切って取り組みました。「久しぶりだな」と思って振り返ってみたら7月22日以来ですから,1ヶ月以上間が空いたことになります。

 発声練習は,先日の木下マティアス義久先生がやっていた,「声帯を Affekt Betunung の状態にする」ことを伝えてやってみました。以下は自分流ですが,①体を筒と感じて広げること,②筒に息を流すこと,③筒の途中の声帯を少しずつ閉じて(「声を」でなく)音を鳴らすこと,④その音域を広げること,⑤母音を変えても響きが変わらないように筒を保つこと,などを意識してみました。短時間です。伸びのある素直な音が出て来ました。

 楽曲の練習は,10月15日(日)に胆沢文化創造センターで行われる胆江合唱祭という初の発表ステージに向けての「練習」開始,となりました…というのも実はこの団体は「合唱団」ではなく「研究会」であり,活動の中心は「本番を想定して練習する」ことではなく「合唱音楽について学び合う」ことなので,「練習」でなく「活動」という言葉を使ってきていたのでした。ですからゴールを想定した「練習」へと,しばらくの期間は意識を変える必要があります。

 発表の曲を以下のように変更して決定し,その順に練習しました。
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1.作詞:C. Wesley 作曲:F. Mendelssohn 《賛美歌262篇 聞け,天使の歌》 2分24秒(1番は斉唱+Pf,2番はa acapella 四部合唱,3番は四部合唱+Pf)
2.作曲:J. S. Bach 《Jesus bleibet meine Freude》BWV147-10 3分
3.作曲:W. A. Mozart 《Domine Jesu》KV 626-IV-1 4分(solo部分はパート全員で) 
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 久しぶりのせいで,やはり「音符歌い」になってしまいました。そこで,発声練習時の母音唱に何度も戻って,「息の流れに音や言葉を乗せる」ことに気をつけました。バッハのコラールではドイツ語に挑戦していますが,外国語一般を謳う際に気をつけること,すなわち「子音は音符の前に出すこと」を意識することと身体と耳で覚えることを繰り返しました。子音を発音するにはお腹が働かせること,(日本語にない)語尾の子音を明瞭に発音すること,摩擦系の子音には時間をかけること,などです。しだいにドイツ語っぽくなってきました。楽曲の解釈については,先日の信長貴富先生の「作曲の意図」を読み取ることなどもお伝えしました。それから《Domine Jesu》は時間切れで「Quam olin abrae …」は駆け足になってしまったので,これは次回も取り組みましょう。

 1ヶ月ぶりでしたが3時間弱の活動で感覚がだいぶ戻ってきました。「ちゃんと歌えないので本番には出ません」という会員の方がいらっしゃると言うので,「合唱は皆でつくるもの。できないところはできる人にやってもらえばいい。やれることを丁寧にきちんとやり,その部分を増やしていく努力をしてけばいい。」とお伝えし,是非参加してくださいとお願いしました。初の本番,楽しみです。

 なお,今後はこの3曲をブラッシュアップしながら合唱音楽の様式(スタイル)感を身につけ,《モツ・レク》の他の楽曲も音を出しながら思い出していきたいと考えています。次回は9月10日(日),日本キリスト教団江刺教会です。たくさんの方のご参加をお待ちしています。

2023年8月25日金曜日

日本声楽発声学会 2023年度「夏季研修会」 in 日本福音ルーテル東京教会

 


 6月上旬に東京芸術大学で例会を行った日本声楽発声学会毎年行っている夏季研修会に1泊2日で参加してきました。場所は新宿区大久保にあるとても響きの良い教会です。(東京より盛岡のほうが暑かったようですが,東京は人が多くて暑苦しい感じでした。)

 4つの講座がありました。

 A講座は特別講座で,ヴォルフラーツハウゼン児童合唱団の指導者でありミュンヘン音楽演劇大学で教員養成にも携わっている木下マティアス義久氏が講師で,「関係性・存在・創造性〜子供たちの合唱体験の設計について〜」という演題でした。人間の存在と人間の成長について真正面から考え,それを丁寧に実践している様子が伝わりました。「本質と状況を区別する」「安心なスペースをつくる」「差別化(個別化)と評価を注意深く分ける」「沈黙・集中・注意の力を高める訓練をする」「Affekt Betonungの状態をつくる」「声帯の機能を取り戻す」…たくさんの学びがあり,またこれまで感じていたことが誤りでないと自信にもなりました。公演終了後の休憩時間には個別にお話しすることもでき,変声期の指導のことなども聞くことができました。


 B講座は現代日本の作曲家シリーズ講座XIで,信長貴富さんが《祈ってもいいだろうか》《うた》の2曲についての作曲の意図や工夫,表現のアイディアについて話し,参加者が実践しながら学びました。終了後にはサインをいただく列に加わり,2013年3月にHarmony for Japanの演奏会およびその後の打ち上げで宮古木曜会合唱団としてご一緒したこと(《群青》の編曲を決意なされた場でした)などお伝えしました。

 翌日C講座は公開講座で,耳鼻咽喉科医の萩野仁志氏による「声の診察に関して」の講演でした。発声時の声帯や軟口蓋の様子の動画を見たり髙橋未来子さんの実演を聞いたりしながら学ぶことができました。「EAT治療」という治療法の効果絶大なることも初めて知りました。終了後にはデモンストレーションを担当した髙橋未来子さんと及川貢先生のことをお話ししたりもしました。

 最後はD講座で「歌の集い」,4人の声楽家の演奏を聴きました。声質の違い,声量,表現力,目指す方向などなど,四人四様の音楽を聴くことができました。「声は手段だから」…となりで聴いていた会長のお言葉です。沁みました。

 次は11月に東京芸術大学で例会があります。またまた興味深いプログラムのようなので,学びに行こうと思っています。

【公演・鑑賞してきました】日本全国能楽キャラバン!『盛岡能』(2023. 8. 19 トーサイクラシックホール岩手)

 先週のことになりましたが,急遽思い立って能の鑑賞に出かけました。というのも,6月の日本音楽表現学会で文楽についてのレクチャーがあり,その際「日本の伝統文化について触れる機会が自分は少ないのだなぁ」と感じたこと,またかつて佐渡島に行った際に街中にたくさんの能舞台があって身近な環境なのに岩手では少々遠い存在だと感じていたこと,そして10年以上前に盛岡市の上田公民館で数回行われた能に親しむ講座に参加して少しは親しみがあったこと,などがありました。実は8月上旬に宮古木曜会合唱団の練習のために山口公民館に行った際に「宮古能」のチラシがあり,それを見たためにいきたくなったのでもありました。
 詳細は画像として上げたチラシの面裏にありますが,大阪の山本能楽堂というところが能楽教会と一緒に主催したもので,開幕の際に山本さん(前シテ)とう方の説明つきでした。さらに公演中は「G・マーク」というアプリを使って各自のスマートフォンに字幕や解説が出るというサービス付きでした。「機内モード」にしていてもデータを受信できるってどういう技術なんだ?と悩みましたが…。
 送信装置はこんな感じ…



 
 舞台はこんな感じ。能舞台全体がデフォルメされていてシンプルになってますが,能舞台であることはよくわかります。ちなみにこういう舞台の作り方,表現と解釈のお約束ごと,形式(スタイル)は,馴染んでいないとわからないものです。職場の行事で演劇を指導しようという同僚にはなかなか理解されないものです。(よりリアルさを求めるのはテレビや映画の世界の感覚からくるもののようです。)

 連吟「熊野」では九十代の方の朗々とした声が聞けました。毎舞台「小袖曽我」は2人の息の合った舞,狂言「清水」は楽しいものでした。メインの能「船弁慶」は結構長い時間でしたが解説もあり楽しめました。江戸時代までは能は鑑賞するというより「能は嗜むもの」と山本氏による最初の説明にありましたが,そんな時代があったなんて驚きです。(平泉の薪能はありますが)能という芸能が身近にないので,2,000円で十分に楽しめた公演でした。

2023年8月2日水曜日

コンフオーコ01:ポップスの合唱編曲版は難しい

  8月2日(水)の夜,奥州市の吉小路にある水沢地域交流館アスピアで,女声合唱団アンサンブル・コンフオーコのレッスンに行ってきました。今シーズンは10月15日(日)の胆江合唱祭まで6回のうちの1回目でした。この合唱団は,先日久しぶりの演奏会でじっくりと諸作品と取り組み良い演奏を聴かせてくれたところです。

 今回はポップス2曲,《にじ》と《いのちの歌》です。いつもは宗教音楽やしっかりとした合唱曲を選ぶのですが…。珍しい選曲です(今回はお任せしました)。1回目のレッスンなのでまずは2曲とも聴かせてもらった後,全体に共通する基本的なことをお伝えすることとなりました。

 《にじ》は三連符のリズムを基本にした4/4拍子。軽やかで明るい曲調です。三連符の弾む感じに乗せられて言葉が弾みすぎているので,リズムや音域の変化などによる不要なアクセントを極力取り去るよう息をコントロールすることを中心にやりました。また旋律に繰り返しが多く単調なので,歌詞をもとに場面の変化や展開の向かう先を考えて音楽の気分を掴み表現することもアドバイスしました。

 《いのちの歌》は好きな曲の一つです。その昔,小学校の合唱委員会の児童が弦楽カルテットの演奏会に招待された際に合同で演奏させてもらったことがありました(編曲は違いますが。その際の動画があります。興味のある方はご一報ください。ご覧いただくことができます)。今回の編曲はパート・ソロが多い分,丁寧な表現(息づかいや発音,声の響きなど)ができないと聴き手は興醒めしてしまいます。特にも《にじ》とは語る内容が違うので,「それを語り出すための息の吸い方」を常に大事にしてほしいことをお伝えしました。

 次回は8月30日(水)(この日も宮古行きの前日だ)で,あと計5回。学び多く楽しい時間となるよう取り組んでいこうと思います。

 この日は久しぶりに自動車を運転して奥州市から盛岡市まで帰ってきました。翌日の宮古高校&宮古木曜会合唱団のレッスンへの移動に備えるためです。六原から北上にかけての国道4号線の拡幅工事が始まっていたり,花巻バイパス南入口交差点の車線が複雑になっていたりと,久しぶりに通った道路の変化に驚きました。それにしてもやはり電車は楽チンです!

仲間が増えました!

  今週のこと。  5月14日(火)の夜は盛岡バッハ・カンタータ・フェラインの通常練習でした。練習曲はなんと《ヨハネ受難曲》の第2稿! 6月のドイツでのカンタータ演奏 の後の取り組みを見越しての先生からのご提案です。このうち2つの大きな楽曲の「初見大会」の後,日曜日に仙台で行った...