2022年12月26日月曜日

宮古教会でのクリスマス・イヴ礼拝

  毎年の12月24日,宮古木曜会合唱団では,日本キリスト教団宮古教会(宮古市西町3丁目)のクリスマス・イヴ礼拝に参加しお手伝いさせていただいています。かつては宮古の市街地,大通りと末広通りの間のあたりに位置し,当合唱団は練習場(時々は演奏会場)としてお借りしていたようで(私が関わるようになった頃は,練習場は主に山口公民館になっていました),その建物では2〜3回クリスマス・イヴ礼拝に参加させていただきました。その後諸経緯により現在の西町に移転建て替えとなったようです。

 「ハーモニー」の元はキリスト教にありますし,合唱音楽も教会で発展してきたという歴史もあります。ですから,合唱団として教会の音楽,礼拝の音楽に携わることができる機会があるというのは,とても貴重なことだと思っています。

 特に,クリスマス・イヴの礼拝は,イエス誕生の物語をなぞります。ですからその度に,J. S. バッハの《Weinachts-Oratorium》BWV 248(クリスマスオラトリオ)を思い出します。ドイツ語で歌っていたストーリー(主に『ルカによる福音書』第2章)が日本語で朗読されるので,わかりやすい!バッハの作品のほうは全部で6つのカンタータの集まりです。日本やドイツで何度か演奏会を行いましたが(貴重な機会でした),本当に素晴らしい作品,ワクワクする音楽なので,いつかまた体験したいものだと毎回思い出しています。

 宮古教会ではいつも3曲演奏します。今回はつぎの3曲の予定でした。
①ジョン・ラター作詞作曲,ヘルビック貴子日本語詞《ともしびのキャロル》
②讃美歌第259番《いそぎ来れたれ,主にある民》
③J. S. Bach作曲コラール《Jesus bleibet meine Freude》BWV147終曲
 ①はイエス誕生の聖夜の様子を,②はイエス誕生の喜びを,③はより抽象的ながらイエスの意味をそれぞれ歌っています。曲のスタイルもそれぞれで,①は静かな3拍子でドラマ仕立ての3番まで,②は力強い4拍子の四声体(でもドラマを作ります!),③湧き出る喜びの三連符の3拍子です。ストーリーを聞きながら教会音楽を演奏するのは,とても楽しい経験です!(奥州市でもそういう場所があるといいのになぁ…

 訳あって今回はドタキャンしてしまったのですが(皆さんほんとにごめんなさい),無事にお勤めを果たされたことと思います。ありがとうございました。このあとは3月5日(日)の第40回記念定期演奏会に向けて,集中して取り組んでいきましょう。

2022年12月21日水曜日

フェライン練習 モツレク,オシュトリーガ版

 昨日の火曜日(12/20),フェラインの練習日でした。到着した時には,3月11日に仙台の電力ホールでここ10年間開催してきた「3.11祈りのコンサート」のための,モーツァルト作曲《レクイエム》の練習が始まっていました。S先生のレッスンです。

 10回目ということで,今回で終わってしまう予定です。で,今回は聴き慣れた Süßmayr 版ではなく,Bärenreiter社から新しく出版された Michael Ostrzyga 版を演奏することになりました。

 Introitus や Sequentia , offeritorium はほぼ同じ(気を付けないといけない小さな変更は所々にあります。また Lacrimosa は歌詞割りが違っていたり,Amen コーラスが付いていたりと,だいぶ違いますが…)。でも Sanctus からは大きく違います。私たちは Sanctus の「b」バージョンを演奏します。4/4拍子でD-moll です!その後もいろいろと違った付曲になっています。しっかりとさらい直さないといけません。

 《モツレク》にはいろいろな版がありそれぞれ興味深いです。今回の Ostrzyga 版も早く見通しを持てるようになって,音楽を楽しみつつ追悼したいと思います。これまでしばらくの間の3.11は平日でしたので職場での追悼集会などがありましたが,今回のは土曜日ですので久しぶりに参加できそうです。2月12日の「ライプツィヒへの旅 Vol.2」と並行しての練習となりますが,新しい世界にまたまた踏み込んでいきたいと思っています。



2022年12月17日土曜日

音楽鑑賞授業をきっかけに「学び」を深める

  金曜日(12/16)の夕方,職場で音楽鑑賞の授業に関する学習会(勝手に「…倶楽部」と命名し,様々なテーマで時々勝手に開催しています)を行いました。某セクションからの急な(2日前)依頼でしたが,職場全員に呼びかけました。結果,6名の参加となりました。

 「聴いて終わり,感想書いて終わりの授業にならないようにしようね。」と,音楽的な見方・考え方…共通事項の示す観点を持たせることにより音楽の良さがより分析的にわかるということを,大きなステレオセットと大型提示装置の前でお話ししました。

 広めの部屋にある大きなステレオセットでオーケストラ音楽や器楽の演奏,合唱や歌唱を聴かせました。また,大型提示装置ともつないで演奏の様子を見ながら聴くことの良し悪しも検討しました。知っている人が演奏していると身近に感じられる,ってなこともやってみました。なにせ普段はCDラジカセで鑑賞させることが普通になっている方々でしたから。

 ねらいのほうはもちろんですが,聞こえる音楽の違いに「なるほど〜」「全然違う」「体にくる」といった感想が聞かれ,嬉しく思いました。まして,子どもたちにとってはもしかしたら最初で最後のその曲との出会いかもしれません。またその種の音楽に触れる機会が少ないでしょうから,CDラジカセで聴いたものが心に一生残るのかもしれません。ですから,今後にぜひとも生かしてもらいたいと思いました。「やはり生を聴いてみたい」とホールの演奏会に足を運ぶようになってくれればさらに嬉しいですね。


 一旦終わってからがさらに楽しい時間でした。というのも「短調と長調の違いがわからないのです」という若手の声をきっかけに,たくさんのことを学び合えたからです。若者は変なプライドがなくていいですね。わからないことを「わからない」と言えますから。学びはそこから始まります!

 長三和音の響きと短三和音の響きの違い,長三度と短三度の違い,転回しても同じ和音として扱うこと,長音階(「ドレミ…」)と短(「ラシド…」)の違い,主音の位置と音名,コード記号の意味や仕組み…などなど,ピアノの鍵盤を見ながら響きを聴かせながら説明すると一つ一つに「なるほど〜」「わかった!」「そういうことだったんだ!」などなど「眼から鱗」の連続のようでした。(分かってもらえると,とっても嬉しくなります。職業がらでしょうか。)

 音楽そのものは目に見えません。だから文字を通して言語で理解することや,目で見てわかることを得意とする「お勉強のできる」タイプの大学卒業資格を持つような人々(の一部)にとっては,音楽は理解しがたいものでしょう。でも「理解できていることにする」ためにわからないことを封印する,あるいは自分で勝手に理屈づけをして知的に安定しようとする,そうやって過ごしてきていたのだと思います。

 「すすんで学び 文化のかおり高いまちをつくります」とは某市の市民憲章の一節です。また「学ぶことが…伝統であり未来である」というスローガンを持つほど,「学ぶこと」に価値を置く組織にいます。私たち自身が(前述の若者のように)積極的に学ぼうとすることを通して,新しい世界を拓いていく姿勢をもつことが大切ですね。

2022年12月13日火曜日

フェライン練習 BWV103

  フェラインの練習に久しぶりに参加できました…といっても仕事&列車時刻&雨のために大幅遅刻の20時ころからでしたが。

 J. S. バッハのカンタータ103番,"Ihr werdet weinen und heulen"の第1曲の後半でした。「しかし,私たちの嘆きは,喜びに変わるに違いない」と確信を歌うフーガです。バス・ソロのレチの後,バスが初めに「嘆き」のテーマを示し,それが「喜び」のテーマに変わるところからテノールが「嘆き」のテーマで歌い出す…といった展開です。

 2つのテーマの《対比》,途中途中に顔を表す喜びの音型の扱い,正確で生き生きとしたリズム感,音の運び方,言葉のニュアンスや子音の強さの程度など,S先生のレッスンは本当にためになります。音楽を生かすこと,どの音も生きている(死んだりダレたりしていない)音楽を実現することが大切です。12月4日に日本声楽発声学会で見た小林道夫先生のレッスンのような緻密さを感じました。30分間の参加でしたが,非常に刺激の多い時間でした。またがんばらなくちゃ!

 やはり,バッハはいいですねぇ,難しいけれど。


2022年12月12日月曜日

The King's Singers, Japan Tour 2022, "Christmas Concert"

  12/22(日)に盛岡市のキャラホールで開催された,キングス・シンガーズのコンサートを聴いてきました。40年以上前にそのサウンド,エンターテインメントに出会ってから,いつの日か生で聴きステージを体験してみたいと思っていたのですが,ついに叶ったのでした!

 6人の声がまさに溶け合って一つの和音の塊となって響き,それが時間と共に(視覚で言えば色が変化するように)変化しながら音楽が展開していきます。聞かせたいパートの部分はきちんと区別して表現されるので,和音(ハーモニー)の中から浮き出てきます。音楽作りの際に目指してきたものではありますが,「それが実現するとこうなるのか!」と目の(耳の?)前に提示された気がしました。

 なぜこのようなアンサンブルが可能なのか考えました(プロの演奏家にとっては当たり前のことだばかりと思いますが)。①一人一人が全体を指揮者のようにわかっている!(和声の中の役割を理解して担っているように感じました。)②一人一人が全体を聴いている!(だから音量バランスも良い。)③息遣いが同じ!(同じ息の使い方で,同じように音楽を運び,歌い出しも終わりも目に見える身体的な合図がなくてもぴったりと合っていました。)④発声の方向性が同じ!(だから倍音の成分構成が似ていて,声が溶け合う。)といったことが,あの音楽を支えていると。

 プログラムは,ルネサンス期の曲をじっくりと聴かせてくれたり,クリスマスの定番曲を楽しくかつ驚異的な編曲で楽しませてくれたり,バラエティに富んだ,まさにキングス・シンガーズらしい期待通りのステージでした。出色は久石譲作曲の"I was there"。委嘱作品で,今回のツアーが世界初演とのこと。6声のキングス・シンガーズの特徴が十分に引き出され,そして聴き手自身が内面をえぐられる演奏でした。"I was there",たしかにそこに私自身がいたのだと…。

 キャラホール少年少女合唱団の共演も,音楽的にもすばらしいものでした。また,今回の日本ツアーが,仙台→東京(サントリーホール)→盛岡→川崎→広島→大阪(ザ・シンフォニーホール)→長野,と続くようで,「よくぞ岩手にきてくださった!」って感じです!盛岡市文化振興事業団さまさまです!

 一方で,岩手県内を考えると,盛岡地区と他の地区とのギャップが大きいことは残念です。広い岩手県では盛岡市まで聴きにくるために,チケット代と同額の交通費が必要な人々(そして往復で2時間以上も費やす)がたくさんいますから。当夜の会場に高校生や中学生もたくさん見えたことからも,将来にわたる文化的な差が地区によって生じるのだろうとも思いました。

 指定席(6列目を買いました)に座ったら,隣が大学時代の合唱仲間(そしてKong's Singersのメンバー!)ご夫婦で超驚きました。こんなこともあるのですね。クリエイティヴな気持ちになった夜でした。



2022年12月10日土曜日

合唱音楽研究会奥州チラシ&今後の予定

お誘いのチラシです!

初めはモーツァルト作曲の『レクイエム』の後半,やりましょう!

1/22(日)のあとは,2/25(第4土)3/12(第2日)3/25(第4土)と予定しています。

場所は常盤地区センターの「予定」です。


お友達をたくさんつれていらしてください。特にも男性(男声)大歓迎です!
お待ちしています!

仲間が増えました!

  今週のこと。  5月14日(火)の夜は盛岡バッハ・カンタータ・フェラインの通常練習でした。練習曲はなんと《ヨハネ受難曲》の第2稿! 6月のドイツでのカンタータ演奏 の後の取り組みを見越しての先生からのご提案です。このうち2つの大きな楽曲の「初見大会」の後,日曜日に仙台で行った...