早速開いて「morioka」で検索してみると,ありました,6月8日のページ(p.41)の12:00からライプツィヒの大学教会で「コラールカンタータ」シリーズの2として開催されるようです。ちなみにこの日はフェスティバルが始まって2日目で,この日だけで11のプログラムがあるようです。ちなみにコンサートリストからリンクしている演奏者紹介のページでは「Bach-Kantaten-Verein Ostjapan」つまり「東日本バッハ・カンタータ・フェライン」となっています。
プログラムはBWV10と177,そして先日東京と盛岡で演奏した93,オケはパウリナー・バロックアンサンブル,指揮はドイツや日本で共演したことのある指揮者であり即興音楽の大家でもあるD.ティムさんです。
大学教会はバッハがライプツィヒ市の音楽監督に就任した際に任されるはずだった教会なのです(バッハが大学を出ていないために音楽監督には任ぜられず「旧礼拝」の監督のみ任された)。ゲヴァントハウスのホールとオペラハウスに挟まれた広場に面した位置にあり,第2次世界大戦ではほぼ無傷だったにも関わらず,その後の東ドイツの社会主義政権下で社会主義モデルの大学キャンパスを作るために取り壊されたそうで,バッハ当時の建物は失われています。2004年に行ったときはまだ教会のシルエットを形どった赤い鉄骨のモニュメントだけがありました(左写真)。今やライプツィヒ大学のシンボルになっているようで,HPのトップに写真が出ていました。(右下写真)今回(2024年)のバッハフェスト・ライプツィヒのテーマは「Choral Total」。バッハが1723年にライプツィヒに職を得て毎週のカンタータ創作に取り組み始め,1724年から25年にかけてほぼ完全なコラール・カンタータの「年巻」を作ってからちょうど300年にあたるだけでなく,宗教改革をリードしたM.ルターが初めてのプロテスタント賛美歌集をヴィッテンベルクで出版した1524年から500年にあたり,「コラール」そして「コラール・カンタータ」にとって記念すべき年なのです。ちなみにBWV10は1724年7月2日初演,BWV93は同年7月9日初演,BWV177は1年前の7月6日初演(1724年のコラール・カンタータ年間を補うために作曲された…1724年の三位一体後第4日曜日はマリアの訪問の祝日と重なったためBWV10が使われた)と,ほぼぴったり300年後に初演の地で演奏できる機会なわけです!
過去9回(1990,1998,1999,2001,2004,2005,2007,2008,2013年)ドイツへ演奏旅行に行きましたが,2013年の後は2020年にバッハフェスト・ライプツィヒにオファーがあったもののコロナ禍でいけず,結局ここ10年間程実現できませんでした。2024年の今回こそは実現し,ドイツのあるいは世界からバッハを訪ねてライプツィヒに来る方々に私たちのバッハ・カンタータを聴いてもらいたいと思います。
BWV10と177は来年の2月11日に「ライプツィヒへの旅 Vol.4」(レクチャーコンサート,会場未定)で演奏する予定です。いずれも素敵な音楽,素敵なカンタータです!ぜひ聴きにいらしてください。
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