宮沢賢治生誕130年にあたる今年,賢治さん関連の催物がいろいろと開催されています。9月11日(金)にはトーサイクラシックホール岩手(岩手県民会館)中ホールに「〜音楽による〜賢治童話の世界」という公演を鑑賞に行ってきました。主催はPoor Peoples's Paper…長谷川恭一さんです。
プログラムは2つ。前半は「弦楽四重奏と朗読で綴る賢治の世界」と題して,弦楽四重奏団ラトゥール・カルテットと朗読の石原黎子さんとの協奏により「鹿踊りのはじまり」(かつて宮古では⻑澤勝俊作曲/中江隆介構成の「音楽物語」をやったことがありました)「いちょうの実」「グスコーブドリの伝記」「銀河鉄道の夜」の4作品の表現でした。後半が「唄芝居」と称しての「ツェねずみ」。オペレッタのような感じでした。
前半のステージでは,朗読の石原さんは花巻弁のニュアンス豊かに賢治作品を表現し,その朗読の間にラトゥール・カルテットの皆さんが長谷川恭一さんの作品を演奏していました。朗読も弦楽四重奏も賢治童話の世界を豊かに想像させてくれました。
後半の「ツェねずみ」では知り合いの方々が歌いながら演技し,楽しい物語を長谷川さんの世界で表現していました。長谷川さんは60分間くらいずっと(本当に休みなく)ピアノを弾きながら歌にぴったりと合わせていました。作曲者ご本人とはいえ,集中して音楽世界を展開していくことに驚きました。歌い手のみなさんも,転調が多く単純でない和音進行の中で旋律を歌っていて(あたりまえですが暗譜で),音楽に向かう集中力がこのステージ上に漲っていると感じました。もちろん演技も素晴らしく,滑稽な様子もあり非常に楽しめました。
作曲者も演奏者も,歌い手も演出家も,一人ひとりの才能が発揮されて結晶となった舞台でした。盛岡の音楽&演劇のレベルの高さ,歴史の厚さを強く感じました。

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