2024年5月26日日曜日

日本声楽発声学会第114回例会:より実践的なヒントがたくさん!

  5月26日(日)東京の上野にある東京藝術大学で日本声楽発声学会第114回例会に参加しました。前回の第113回例会は昨年の11/26その前の夏季研修会&歌の集いは昨年の8/23&24さらにその前の第112回例会は6/4と,昨年は毎回参加してきました。10時前から始まる会に日帰りで行くために,始発新幹線(6:10盛岡駅発)に乗りました。新幹線通勤の9年間ほぼ毎日使っていた列車ですが,2ヶ月ぶりに乗りました。4:30起きは大変ですね。


 研究発表はお茶の水女子大学基幹研究員の林いのりさん「歌劇《シモン・ボッカネグラ》における「朗唱風の歌」と、19世紀後半のイタリアにおける「演劇的な抑揚」の関連性」というテーマでした。イタリアオペラの変遷(アリア(歌)&レチ(語り)→アリアは非定型に&レチは朗誦に。区切りがなくなっていく)と,その分朗誦調のレチを「演劇的な抑揚」で歌えることが求められるようになったことが新聞批評等からわかるとのこと。

 午後の2時間の特別講演は,大阪芸大講師の高橋純さん。「声楽発声と科学」がテーマで,rialtime MRIやフォルマント分析を駆使したわかりやすい研究でした。項目や言葉だけではわからないと思いますが…
・「自然にできることは、自然にできなくなる」…裏を取りたい→科学
・歌声 音響的特徴 生成の仕組み 心理的特性(主観評価実験)
・歌声 エネルギー→ソース→フィルタ…SF理論
・フォルマントの性質
 第1、2フォルマント…母音生成
 第3フォルマント以上…音色  → 母音は音色
・第3フォルマントは楽器に消されない
 シンガーズフォルマントの「占有率」(同じエネルギーをどこに集中させるか)
・「i」は第2フォルマントが高い
・高音では頸椎が後弯する
 テノールは口頭が下がる、ソプラノは口頭が上がる(第1フォルマントはF0…?
・背側の横隔膜を使えるようにしていく
・フォルマント占有率のソフト

 こんな内容でした。

 その後の現役声楽家の演奏とお話しでは愛知県立芸術大学のテノール、小原啓楼さん。テーマは「「発声技術から考えるベルカントへの視座」〜近代以降のテノールに課せられたアクートの成り立ち〜」です。力強い高音の「アクート」についてお話と実演を聞かせてくれました。
・カルロ・ベルゴンツィは「息の上で歌う」と言った
・喉を開いて、輪状甲状筋を使って声帯を引っ張る+息を流す
・ファルセット=ファルス(うそ)の声
・変声について
 子ども→女声…声帯が1.5倍に伸びる&厚くなる(男は2倍になる)
・子ども…ファルセットで息を流すと、すぐにできる(ex.八千代少年少女合唱団)
・口を開けすぎないために「i」で歌う。Iの上にアやエを載せる
・「口蓋はん」(ひだ?)
・ファルセット→ファルセットーネ(ミックスヴォイス)→実声
 輪状甲状筋を使う→腹の支えが「使われる」
・上を向いて高音を出し → そのまま前を向いて声を出す。

 ほぼ1日,東京での研修会で疲れはしましたが,毎度のことながらとても刺激的な内容で,消化不良なくらいの新情報でした(レジュメもこちらにあります)。これからの活動に生かして,皆さんにも還元できればと思っています。

2024年5月24日金曜日

【山響アマデウスコア】阪マエストロは…速い&軽い

  5月24日(金)は14時に盛岡を発って18時から山形市出羽コミュニティセンターで行われる,山響アマデウスコアのマエストロ練習に行ってきました。ちなみに帰宅は23:30でした。


 山響アマデウスコアは山形交響楽団の附属合唱団で,音楽監督が盛岡在住の佐々木正利先生です。そこで盛岡からは「熊友会ヴォーカルアンサンブル」として長くご一緒させていただいています。この日の練習には50名ほどが集まりました。そのうち盛岡組はソプラノに1名,アルトに1名(ソリストだ!),テノールが4名でした。

 曲は6月15・16日山形テルサで本番の,Mozart作曲《戴冠ミサ》です。その後,6月20日は東京オペラシティ6月21日は大阪座・シンフォニー・ホールで「さくらんぼコンサート」でも歌います。

 阪マエストロの指揮で歌うのは初めてでした。とにかくテンポが速い。そして音楽の運びが全体的に軽い。少しでも深くなったり留まったりすると,「それは不要」となります(もちろん,一つ一つを丁寧にできているからこその要求なのだと思います)。同時にフレーズを大きく見ているので,細部よりも音楽の進む方向や構造からくる表現を欲しがります。「そういう見方があるんだ。そう見ることでこう表現できるんだなぁ。」などと,ヒントになることがいろいろありました。

 本番はドイツ演奏旅行から帰ってすぐなので,体調を整えて臨みたいと思います。6月は盛り沢山で楽しみです。

 ちなみにこの日の練習ではベートーヴェンの第九の合唱も練習しました。こちらは7月21日にやまぎんホール(山形の新しい県民会館)です。楽曲やオケはもちろん,指揮者も会場も興味があるのですが,先に予定が入っているので出演は難しそうです。残念。

【宮古木曜会合唱団】今シーズン初!

  5月23日(木),午前中にセミナー・サポートに参加した日,気温がグングン上がる中,宮古に向かいました。19時からの練習に間に合わせるには17時頃に盛岡を出ればいいのですが,帰宅ラッシュにかかるといやなので16時に出発しました。日中にR106を東進するのは久しぶりでした。初夏の樹木に咲く白い花(名前はわからない)がたくさん咲いていて,とても良い香りが車内にまで入ってきました。

 1時間ほど早く着いて,どうしようかと思っていたところに宮古にいる元同僚から突然のLINE。「行ってみようか」ということで職場にお伺いしたら,新しい仕事(11月上旬)をひとつ頂けました!ありがとう!

 19時の山口公民館にはS1,A2,B1の4名しかおらず,(盛岡某高音楽部でやっているように)ピアノの周りに集まってもらって練習を始めました。これまでも音取りは進めていたとのこと。ありがたいものです。「Deep river」はおおよそ歌えてはいましたが鼻歌だったので,楽器をよく鳴らすことをまずお願いしました。「黒人霊歌」ですし。変ホ長調で転調なしですので(例によって)移動ド唱法で音や和音の機能を感じてもらおうと思ったのですが,久しぶりのことのようでうまく行かなかったので宿題としました。Victoriaのモテット「Taedet animam meam」は機能和声以前の世界に慣れていただきました。「O Musica」は1回の通しだけ。最後にMozartのKV220は,移動ドにチャレンジしてもらって,途中まで音を出して終わったという感じでした。

 定期演奏会の期日(そして場所も)未定ですが,第42回の開催に向けて今シーズンも動き出しました。おおよそのステージ構成は,第1部がアカペラ(でラテン語,日本語,ドイツ語など)で数曲,第2部がMozartの「ミサ・ブレヴィス」Kv.220,第3部がポップな曲を集めたステージとなりそうです。決定の際にはお知らせしますので,宮古までぜひ足をお運びください。お待ちしています。

2024年5月23日木曜日

【盛岡某高音楽部】公開レッスンはよい機会

  5月23日(木),暑くなった日の午前中,県民会館の中ホールで,岩手県高等学校文化連盟主催の「セミナー・サポート」という名称の公開レッスンに参加しました。70分間の設定でした。

 前のコマではK高校音楽部。指導の先生曰く「音取りしたばっかり」とのことでしたが,混声でヴィクトリアのモテットをとてもきれいに合わせていました。旋律の歌い方とかハモらせ方などを教わっていました。早めに着いた我チームも,発声練習なんかするよりまずはそのレッスンを聴くように伝えました。音楽は聴いて学ぶのが基本です。

 私たちは女声でヴィクトリアのモテット。詩情をたっぷりと歌おうと思って発声に無理が出ていることを指摘され,早いテンポ&音の立ち上がりを引き締める(アタックする)方法で,声質&音程の改善およびハーモニーの良さを回復しました。同様にメリスマ部分も粒を出すようにスタッカートで歌う「逆練習」もしました。声の使い方については,声を「フル」「半分」「1/4」と調節して使う感覚にチャレンジしました。

 加えて「音感」の指摘もされました。和音の中の音を聞き取る力を育てることで耳の感覚を豊かにする方法を教わりました。「inner hearing」あるいは「audiation」の能力が十分でないのは移動ド唱法ができないことからもわかっていたので,今後の訓練が必要だと感じました。

 講師の先生の要求に応えて音楽がすぐに変わっていきました。「伸び代がある」し「柔軟」だということです。そこを評価して返しました。7人でも堂々と表現できるんですね。素晴らしい!定期演奏会は7月13日(土),同じく岩手県民会館の中ホールです。ぜひ聴きにいらしてください。

2024年5月22日水曜日

【盛岡某高音楽部】練習会場の「響き」は大切

  5月22日(水)の午後,盛岡某高音楽部の指導に行ってきました。この週は火曜日と水曜日だけ。木曜日は19:00からの宮古木曜会合唱団の今シーズン初練習に行くために部活には行かれませんので,木,金,土,日,月と5日間も空ける前最後の練習となりました。また木曜日の午前中には「セミナー・サポート」という(なぜそう呼ぶのかは不明)講習会というか公開レッスンがあるので,その前最後の練習ともなりました。

 翌日岩手県民会館中ホールで行われる「セミナー・サポート」ではVictoria作曲の「O vos omnes」のレッスンを受けます。これまでの練習では,「一生懸命歌っているけど,どうもルネッサンスの教会音楽的な響きにならないなぁ」と思っていました。そこで,普段練習している音楽室でなく響きのある普通教室で歌ってみることにしました。音楽室は絨毯敷きで響きがデッドすぎるのです。

 空き教室に移動して8名全員で「O vos omnes」を歌ってみました。すると,思った以上に声が出ていて,普通教室が狭く感じるほどでした。どのパートも(おそらくどの子も)身体を使って音を出すことに慣れてきたのだと思います。荒削りでしたがしっかりと音を出していたので,①聴き合ってハーモニーを作ること(特に同度,8度,5度),②発声の都合で母音を変えない(喉や顎に力を入れない)こと,を基本的なポイントとして歌いました。

 その上で,各パートの要所を取り上げてレッスンしました。1声で旋律の運び方を,2声で響き合いの感覚(そのための聴くポイントと母音への注意)を,3声で和音の作り方(特に第3音の役割)を実演しながら伝えました。言葉で言うだけでは変わらないので,理論(理屈・理由)を理解させ,やって見せることで聴かせ,真似させる,ということの繰り返しです。前日のMBKVのパート練習でのパートリーダーのレッスン(の厳しさ)が活きていたように思います。また,「やって見せる」には女声の音域を出さなくちゃいけないのですが,ファルセットである音域までは出せました。これも前日のMBKVでのOK先輩による発声練習が活きています。

 そして合わせてみたらなんと,ルネサンスの教会音楽っぽい響きになって,破綻なく音楽が進んでいきました!途中で止めるのがもったいなくて止められないほどでした!

 普通教室の響きに助けられて,一人ひとりが無理に頑張ることなく伸び伸びと声を出せたので,声に響きが増し,音楽の動きが柔軟にできたのだと思います。

 その後に音を出した「ほたるたんじょう」でも音楽の伸び縮みに柔軟に対応できました。この日(今日)はなんだか充実感をもって終わることができました。明日はいよいよ初の公開レッスン。ルネサンス音楽のためには響きのよくない県民会館中ホールですが,指揮しない「O vos omnes」で音楽を響かせてきたいと思います。高校生諸君,ともにがんばりましょう!

【MBKV通常練習】久しぶりのパート練種

  5月21日(火)の夜,午後の盛岡某高音楽部の指導の後,盛岡バッハ・カンタータ・フェラインの通常練習に行ってきました。舘坂橋教会です。日曜日(5月19日)の強化練習で,各パートとも先生から様々な改善点が指摘されたので,それの克服すべく4つの部屋を借りてパートごとに分かれて練習に取り組みました。フェラインとしては久しぶりの一斉パート練習です。

 テノールは4〜5名でした。「a」の母音になると音質が下がる,というか使えない音になる…これを改善すべくパートリーダーのNM君が指導してくれました。先生から指摘されたところだけでなく共通する様々な箇所を取り上げ,1音1音を手本を示して歌わせて評価し,何度も粘り強く取り組んでくれました。

 ちょっと気を抜くと「楽な発声法」に陥ってしまって,音質が犠牲になります。音量も大きくなったり,ディクションも乱れます。かといって発声のことだけを考えて歌っていると,歌の内容がなくなります。声楽的に充分に訓練されてきていない者にはとても難しい「運動」なのですが,これができなければドイツまで行って招待に答えてライプツィヒのプロの演奏家と一緒にバッハを歌う意味がありません。

 十分にできるようになったとはまだまだ言えないので,各自で練習を重ねて次週のレッスンを迎えることになりました。せっかくの演奏機会ですから,「日本人が頑張って演奏しました」というレベル(意識?)の演奏でなく,ドイツ人の期待するバッハの音楽,いやそれ以上の音楽を演奏したいと思います。通常練習はあと1回。より良い音楽を目指して練習しましょう。

2024年5月18日土曜日

【ZホールF合唱団】⑦初パート練習!

  5月18日(土)の午前中,奥州市にある奥州市文化会館Zホールで,福井敬ふるさとコンサートに向けた特設合唱団の7回目の練習を行いました。事務局によると今回で半分終了とのことでした。晴れた朝7時に盛岡を出発して9時からの練習に辿り着きました。

 今回の合唱団で初めてパート練習を行いました。パートといっても(スタッフ不足のため)女声と男声の2つに分かれてです。前回までは全5曲の概要を掴むこと,そして合唱や音楽する時に大事なことを皆さんにお伝えし,共通に理解してもらう時間としてきました。その中で,しっかり歌える曲とよく歌えない曲が出てきました。「よく歌えない」ということは「よく歌いたい」という気持ちがあるから感じること。そこでそれに応える機会としてパート練習を今回設定しました。

 難しいのは混声四部合唱の《夏の思い出》と早口のイタリア語の《乾杯の歌》です。3時間の練習時間のうち,中の1時間半程度をパート練習にあててみました。全員のケアはできませんでしたが,大方歌えるようになり,最後のtuttiの時間はどのパートも聞こえるようになってきました(前回まではあまり聞こえないパートがありましたから)。

 また,今回はZホール児童合唱団の指導担当の先生も1名来てくださったので,音楽作りの方向をつかんでいただけたと思います。頼もしい限りです!

 そうそう,発声については,前回(⑥回目)の講座でお伝えした身体の仕組みをイメージしながら実際に身体を使って音を出すことをやってみました。皆さん良い音が出ていましたよ。

 次回は5月26日(日)の午前中,9時から12時です。私は日本声楽発声学会の例会に学びに行くのでお休みですが,オペラバリバリの佐藤智恵子先生がご指導くださいます。お楽しみに!

2024年5月16日木曜日

仲間が増えました!

  今週のこと。

 5月14日(火)の夜は盛岡バッハ・カンタータ・フェラインの通常練習でした。練習曲はなんと《ヨハネ受難曲》の第2稿!6月のドイツでのカンタータ演奏の後の取り組みを見越しての先生からのご提案です。このうち2つの大きな楽曲の「初見大会」の後,日曜日に仙台で行った「東日本バッハ・カンタータ・フェライン」の合同練習でもやったBWV10を練習しました。この日,先週金曜日(5月10日)にお伺いした岩手大学合唱団3年のチーフ・コンダクターの子が入会することになりました!最近少なかった学生さんですし,岩手大学合唱団をリードする立場にある子なので,とても嬉しく思いました。

 5月16日(木)の午後は盛岡某高音楽部の部活に行ってきました。今週は校歌を使ったりしながら身体を使って歌うことの習慣づけをしてきました。同部のOGで東京藝術大学でオペラ歌手を志望している教育実習生さんも部活に顔を出してくれているので,アドバイスをもらったりしていました。で,この日,1年生の子が見学に来ていました。運動系の部に入ったそうですが同じ中学校出身のお友達の影響か,興味を持ってくれたようでした。歌える曲を一緒に歌ったり,そうでない曲はレッスンを見てもらったりしながら一緒に活動したら,部活終了時には「入部します」とのこと!人数一桁の合唱なので,1名でも多いのは助かるし,なにより合唱したいとう人が増えたのが,とても嬉しいことです。

 前回の合唱音楽研究会奥州でも2名が新しく会員になりました。あちらこちらで仲間が増えていくのは嬉しいことですね。「いっしょに活動してよかったな。」と感じてもらえるよう,しっかりと活動に取り組んでいきたいとあらためて思いました。

2024年5月11日土曜日

【合唱研第22回:活動報告】この先が難しい、でもチャレンジしていきましょう

  5月11日の午後、水沢教会にて合唱音楽研究会の22回目となる活動に取り組みました。

 前回から始めたラターのアンセムとパレストリーナのミサ曲。前回は「こんなに簡単に音をとって合わせることができたじゃん!」と思って終わったのでした。今回はピアノ伴奏の八木絵美さんも来てくれたので楽勝!と思っていたら…。いやぁ、難しかったですね。

 まずはラター。「All things bright and beautiful」を通してみたら、覚えておらず最後まで歌えない人が続出でした。歌う前に一度聴かせて、もう少し詳しく「前時想起」の時間をとればよかったと反省しています。その後後ろの方から(主に移動ドで)音を確かめ、歌詞を付け、と繰り返してなんとか全体をやったらもう2時間くらい過ぎてしまっていました。

 後半はパレストリーナの「Gloria」。これはなんとか最後まで通ったものの、前回ほどのハーモニーは聴けませんでした。音を確かめて全体がなんとか歌えることろまでで終わろうとしたのですが、「1回くらい歌詞をつけて歌ってみたい」との声があり、とりあえず歌詞の読みだけ確認してゆっくりと歌ってみました。こういう意欲が嬉しいですね。「知りたい」「やってみたい」、これに応えるために始めた会ですから!!

 今回は新しくお二方がいらっしゃいました。テノールの方は「モツレク歌う会」からご一緒の金ヶ崎の方。もうお一方は(ご挨拶がなかったのが残念でしたが)「今日の午前中に誘われたから来てみました。また来るかもしれません。」とおっしゃっていたソプラノの方です。輪が少しずつ広がっていくのが嬉しいですね。

 終了後にこれまで1年間お世話してくださった会長さんのご勇退のご挨拶と、新会長さんの新しい提案2つ(胆江合唱祭参加の件、Tシャツの件)ありました。この先1ヶ月間が開きますが、また集まって音楽できることを楽しみにしています。

【ZホールF合唱団】⑥発声について学び合いました

  5月11日の午前中、Zホールにて特設合唱団の6回目の練習に取り組みました。学習会の部は展示室で。事前の計画通り今回が最後でテーマは発声法でした。土曜の朝9時にもかかわらず40名の方がお集まりくださり(その後さらに20名以上は増えました)、一緒に学ぶことができました。といっても実際に身体を使うことまでは時間が足りず、今後の練習の中で自分が触れるであろうことに関して、発声のための身体の仕組みを理解してもらう程度のことしかできませんでした。でも、これだけの方が集まったことから、今回も「需要が多いんだなぁ」と感じました。

 その後2時間の練習の部は中ホールにて。Z児童合唱団の子がはじめて2名参加してくれました。全曲について練習しました。大きな課題は①「乾杯の歌」の四部合唱はパート演習が必要なこと、②「夏の思い出」の四部合唱では特に男声のパート練習が必要なことでした。

 次回は5月18日(土)13:30からです。学習会がないので3時間練習に取り組むことができます。佐藤智恵子先生と手分けしてパート練習の時間を設定することとしました。しっかり音を覚えて思い切って歌えるようになりましょう。お楽しみに!!

【岩手大学合唱団】メンバー倍増!みなパワフル!

  大型連休も終わり3日間高校に通ったあとの5月10日(金)夕方,岩手大学の学生会館(学生協購買部)の2階に,岩手大学合唱団の練習を覗きに行きました。というのも,火曜日にチーフ・コンダクターのOMさんから練習についての悩みを聞いたからです。

 会議室を使っての練習でした。戸の外側から中を伺うと,10人ほどで活動していました。「全員集合か?」と思いながら戸を開けると、バンバンとハリのある声で合唱していました。S2、A2、T2、B3とコンダクター。低音が厚く良いバランスでした。

 しばらく聞かせてもらいました。ツェルター作曲「旅ゆくこの日」という3番まである短い楽曲でした。テンポのことや歌い方のことなどコンダクターが思案しながら提案してチャレンジしていました。学生同士らしいやりとりでした。でも音楽があまり変わりません。基本的に声がデカすぎるように思ったので、その辺をちょっとアドバイス。自分が徹底的に教えられたように「聞かせたい・届けたいのは、声じゃなくて音楽」ということです。

 その後、「上を向いて歩こう」も含め、歌詞のこと、発声の仕方のこと、ハーモニーの作り方、聴き合うこと…などなどアドバイスし、チャレンジを促し、評価し合ってみました。学生諸君は頷きながら話を聞いてくれて、音楽も目に見えて(?)変わっていきました。

 練習中に人の出入りがあったので「1年生は何人入ったの?」と尋ねると、なんと8人ほど。メンバーは倍増です!前回の定期演奏会(第70回)その前の定期演奏会では、コロナなど様々な理由で激減した人数を憂慮したのでしたが、本年度は多くの新入団員を得て楽しみになりました!

 練習後、上田通りで反省会をしました。お酒を飲めない学生が多かったのですが、会食しながら様々な話を聞くことができました。5月26日には市の芸術祭での本番ステージがあるとか。充実した岩大合唱団の音楽を聴き手に、そして集った盛岡の合唱人に届けて欲しいと思います。

2024年5月7日火曜日

【盛岡某高音楽部&MBKV】5月7日のこと

  大型連休が終わった5月7日(火),2つの音楽活動に取り組んできました。

 16:20から18:00は盛岡某高音楽部の部活⑨(9回目)でした。「連休中の宿題」としていたのは「鼻つまみ」で腹部の力を抜くことでしたが,ほとんどの子ができるようになっていました。柔軟ですね。連休中に音取りをお願いしていた日本語のアカペラ楽曲(ハ長調)は「音取りしました」とのことで合わせてみました。3部合唱でハ長調で転調がないので簡単とはいえ,よく音が頭に(?)浮かんでくるようになっていました。線が細いのが課題なので「綺麗でなくていいので,でっかい音を出そう」と歌わせたら,身体がよく鳴って,7人ながらバチッと響き合う素敵な合唱になりました。あとはアップテンポで鳴らせるようにしていきたいと思います。ちなみにヴィクトリアのモテットは喉が詰まって(息を流せず)残念な感じでした。難しいですね。

 18:45から20:30はMBKVつまり盛岡バッハ・カンタータ・フェラインの通常練習でした。先週お休みだった先生がいらっしゃって,6月のバッハフェスト・ライプツィヒで演奏するカンタータBWV10とBWV93の練習に取組みました。「東日本バッハ・カンタータ・フェライン」という名前であるので「フェライン」が基本となること,ピリオド楽器の音楽には力みがないこと,本番の指揮者のティムさん日本語版wikiにもあるんですね)の音楽は軽やかであろうこと,そのために羽のように音楽を運ぶこと…などなどこれまでやってきたしっかりとした表現の仕方を超えて,さらに新しい音楽の形を見せていただきました。5月12日は仙台で合同練習(盛岡に加え,仙台山形東京等の有志も一緒にバッハ フェストに参加します)に取組みます。渡独前最後ですので,私たちの音楽を発信して共有してきたいと思っています。

 ちなみに,フェラインの練習を見学しに,岩手大学合唱団の新チーフ・コンダクターのOMさんが来ていました。終了後に「合唱指導に自信がもてないんです。」との相談を受けました(もちろん即「フェラインにはいりなさい」とお誘いしました。そして先生のレッスンを受けて学ぶのが最善です)。今週の金曜日(5月9日)に練習の様子を覗きにいくことにしました。5月下旬の芸術祭で指揮するとのこと。どんな練習をしているか楽しみです!

2024年5月3日金曜日

【演奏会・聴いてきました】フォーレ歌曲の世界


 5月3日(金・祝)の午後,盛岡市民文化ホールの小ホールに「フォーレ歌曲の世界」という演奏会を聴きに行ってきました。副題に「ガブリエル・フォーレ没後100年を記念して」とありました。「セルクル ドゥ クロシェット コンサート vol.4」ともあります。当日配布のプログラム・ノートによると「セルクル ドゥ クロシェット」というのは「鈴の輪」という意味だそうで,この日の出演者であるソプラノ歌手の丸岡千奈美さんと鈴木たたえさんが「フランスものを集めた演奏会をしましょう」と始めた会とのことでした。以前,岩手県公会堂で聴いたフランス歌曲のコンサートはこのシリーズだったように思います。リーダーの鈴木たたえさんは4月6日のモーツァルト「レクイエム 」演奏会でソロを担ってくれた,後輩であり仲間です。

 出演者は(都合により)ソプラノが5名,ピアニストが2名。歌い手やピアニストが入れ替わりながら,おおよそフォーレの作曲順に歌曲を演奏していくプログラム構成でした。ピアニストの一人虫壁めぐみさんも「レクイエム 」演奏会に向けた北声会との合同練習でピアノを担ってくれた方です。

 曲間にはアナウンサーの伊藤美幸さんによるフォーレや詩人についての解説が時々入りました。

 20曲以上の歌曲が演奏されました。小ホールの響きの中,皆さん伸びやかな声でピアノと一つになって演奏していました。

 器楽曲や合唱曲としては聴いたことがあるフォーレの作品ですが,歌曲はあまり馴染みがありません。それ以前に,フランス語そのものに馴染みがない生活を送っています。ですから表現の機微を充分に感じ取れなかったのが残念でした。聴き手の問題です。と同時に,当たり前のことですが,歌における歌詞の理解が大切であることをあらためて感じました。解説のアナウンスでフランス語の歌詞についての紹介があると「プライミング効果」が期待できたかもしれませんね。

 たくさんの知り合いの方々が聴きにきていました。みな関心を持って楽しみ,応援する気持ちだったのではないかと思ったりもしています。積極的な音楽活動が今後も増えていくといいなと思っています。

【盛岡某高音楽部】大型連休中も頑張っていました

  2024年の大型連休は中3日を挟んで見事に前半3連休と後半4連休に別れました。でその中3日の平日(4/30(火), 5/1(水), 5/2(木))の午後,盛岡某高音楽部の指導に行ってきました。回数で言うと⑥,⑦,⑧回目になります。(これまでの様子はこちらに → 4月18日②4月23日③

 7月13日(土)に予定している定期演奏会トーサイクラシックホール岩手(岩手県民会館)中ホール)で第1部,第2部に演奏予定の数曲の練習を通して,主に発声についての「体質改善」に取組みました。部員の皆さんに一番初めの時に「どんなことが自分たちの課題かな?」と問いかけたときに,「発声の仕方」と即座に答えがあったからです。

 4月30日(火)は,1年生は半分の時間までの活動で先に帰ってしまったので,残った2,3年生(といっても諸般の事情で3年生1名,2年生1名)と練習しました。2名だけだったので個人レッスン的に取組むことができました。その後の2日間はほぼ皆揃ったので,音楽の運び方や解釈の仕方を考えながら,それを実現するために必要な発声のポイント(身体の使い方)を学びました。

 基礎練習のコーナーでは「ハイハイ」や「鼻つまみ」を教えたのですが,息の出し入れに関わる腹部や胸部の力が抜けないのが大きな課題とわかりました。時間がかかりそうです。

 土曜日や祝日も午前中は部活をするそうです。2名の3年生がリーダーシップを発揮し,3人の2年生がそれをいい感じで支え,4人の新入生は一生懸命取り組みながら,定期演奏会に向けて取組みを進めているのが,頼もしいです!頑張ってね!

【盛岡某高音楽部】歌いぞめ!

 1月6日(月)盛岡某高音楽部の今年最初の部活動に行って来ました。冬休み中なので午前中です。 まだ部活動を開始しているところは少ないようで,外にも体育館にも運動している高校生の姿はほとんど見えませんでした。音楽室に行くと,昨年暮れにインフルエンザの流行により残念ながら中止となった...