2025年12月7日日曜日

【合唱祭・終わりました】宮古で開催,初参加でした。


 12月7日(日),宮古市民文化会館・大ホールで「第78回岩手芸術祭 合唱祭」が行われ,初めて参加しました。

 12:30開演で16:20頃までの4時間近く,各団体による16のステージと出演者による合同合唱2ステージ,18の発表がありました。盛岡市7,矢巾町1,滝沢市1,一関市1,奥州市1,釜石市1,山田町1,そして宮古市は宮古高校音楽部,宮古木曜会合唱団,宮古地区合同合唱団の3つが出演しました。コンクール同様に盛岡地区が圧倒的に多いようです。

 私はまず宮古木曜会合唱団と《緑の森よ》と《上を向いて歩こう》を演奏しました。先週木曜日の練習が良くなく,もう一人の指揮者のSS君にお願いして今週木曜日の通常練習でもこのプログラムの練習を取り上げてもらい,さらに当日の朝9:00に磯鶏幼稚園に集まって1時間ほど追加練習をセットしてもらいました。そして危機感を共有できたためか,朝の練習の際にはある程度よくなっていたので少し安心しました(一喜一憂してはいけないのですが…人間ができていないもので)。本番も破綻なく無事に終えることができましたが,思ったほとどの表現にはなっていなかったようです。

 もう一つは宮古地区合同合唱団で《群青》を演奏しました。これは宮古第一,宮古河南,宮古西の各中学校特設合唱部,宮古高校音楽部,三陸混声合唱団うみねこ,混声合唱団イーハトーヴシンガーズ,コーラス泉の会,コーラスブリランテ,OYAJIコーラスと宮古木曜会合唱団の合わせて100名近い人数での合唱でした。皆そろっての練習会は1回しか設定できずとても不安でしたが,午前中の15分程度のリハーサルの際に「指揮を見てくれたらあとは責任を取ります」と宣言したせいか,よく指揮についてきてくれました。各団体での練習が行き届いていたからのことと思います。ご指導くださった先生方に大大大感謝です!丁寧に表現していたと思ったのですが,伝わり方はいまいちでした。ちょっぴり残念…。でも宮古地区の合唱人が集まって音楽するという得難い機会になったと思います。


 県内には様々な団体があって,それぞれの価値観で音楽してるんだなぁ,と思いました。来年は盛岡市で,その次の年は盛岡以外の町で,というように場所を変えて開催しているようです。そして宮古での開催は初めてだったとか。音楽が盛んな町なのに合唱祭の開催は初めてとのことで驚きました。また,懐かしいいろいろな方と会うことができました。皆さんそれぞれの地で音楽に取り組んでいるようで嬉しく思いました。(それにしても出演者全員による合同合唱の「応援歌練習」みたいな大声大会だけはなんとかならないものかと…聞かせる演奏じゃなくて,あれじゃ「自己満足のカラオケ」と同じと思うのですが。)

 3人の講師の先生(大先輩の赤沼利加先生,福島の菅野正美先生,合唱仲間の鈴木たたえ先生)の講評と録音が団のほうに渡されていることと思います。次の木曜日(12月11日)の通常練習時に借りて来たいと思っています。

 初めて参加しました。様々な演奏が聴けた良い機会になったと思いました。ご参加された皆さん,そして聴きに来られた皆さん,お疲れ様でした。感想などいただけると嬉しいです。

2025年12月6日土曜日

【合唱音楽研究会奥州60】新シーズン,スタート!!

 12月6日(土),午前中に盛岡第一高等学校で(先週の予定していたけれどインフルエンザ流行のため延びて)行われた高文連盛岡地区高校合同合唱祭の練習を途中で抜けて,奥州市に向かい,合唱音楽研究会奥州の60回目となる活動を行いました。

 前回の活動でおよそ1年半取り組んできた①パレストリーナ,②ラター,③《ぜんぶ》に「第2回研究発表会」で一区切りつけたので,今回から新しいシーズンのスタートとなります。しかも14:00から16:00といつもより1時間短い活動の予定(その後は忘年(?)茶話会)なのでどのように進めようかいろいろ考えながら車を運転して向かいました。

 約30名の方が集まってくださいました。始めに前回の発表会に参加されなかった方から自己紹介をしていただきました。発表会はたまたま他用で参加できなかった方,以前入っていたけれども途中で来られなくなり再び参加することにしたという方,新しく入会された方など8名ほどいらっしゃって,嬉しくなりました!

 今回は2つのテーマにチャレンジしていきます。(発声に続いて)始めに《ふるさとの四季》という唱歌のメドレーに取り組みました。唱歌の主旋律は皆さんが知っているので,①音取りに時間がかからない,②和声進行がわかりやすい,③言葉をいかに表現するか吟味できる,ということが選曲の主な理由です。この日は全ての唱歌の主旋律を歌ってみて終わりました。次回からは副旋律を「移動ド唱法」でさらっていくことをお伝えしました。

 もう一つのテーマはモーツァルトのミサ曲K259です。楽譜は前回配られていたのですが,「音源をお聴きになった方は?」と尋ねると半数くらいいらっしゃいました!これは素晴らしいことです。この曲への興味をもって少しでも理解しようという意欲の表れです!これから先が楽しみでもあるし,ご期待に応えるように頑張らなければというプレッシャーでもあります。
 はじめに,モーツァルトのミサ曲全般について(たくさん作られていること,演奏時間の制約の中で作ったこと,実用音楽だったこと,ビオラ無しの編成だったこと…)お話ししました。そして,①ハ長調で音とりがしやすいこと,②ホモフォニックで音楽がわかりやすいこと,③テキストには慣れていること,④ソロにもチャレンジできること,⑤音楽が楽しいこと…などこの曲を選んだ理由もお伝えしました。
 最初なので1曲ずつ楽譜を見ながら音源を聴きました。途中で演奏史についてもお話しました。というのはアーノンクール指揮の演奏が持参した音源だったので,半音程度低いのは当時のザルツブルクの基準音を使っていること,当時の楽器を再現して使っていること,歌詞はドイツ式の発音にしていること…など,「古楽」の演奏スタイルや考え方などもご理解いただきたかったからです。全体で20分くらいと短いミサ曲ですので,時間内に一通り聴くことができました。

 その後,忘年会を兼て茶話会を行いました。会員の方々が食べ物や飲み物を準備してくださって,いろいろな方とお話することができました。こういう時間も大切なんですよね!

 今後は1月11日(日),2月1日(日),2月14日(土),3月 8日(日),3月22日(日)と日にちは決まっていますが場所は未定です。参加ご希望の方は場所をご案内いたしますのでご連絡ください( m3_yj@yahoo.co.jp )。

 新しいメンバーを加えて新シーズンがスタートしました。楽しく学び経験でいけるように頑張っていきます!

2025年12月1日月曜日

【演奏会・聴いてきました】コール・ネネム演奏会:響き合うポリフォニー


 11月29日(土)の夜,日本声楽発声学会の例会から新幹線で盛岡駅に帰りつき,そのまま盛岡市民文化ホール・小ホールに行き,コール・ネネム演奏会を聴いてきました(チケットをくださった団員のNさん,ありがとうございました)。11月26日におすすめした「【演奏会のお知らせ】出演&おすすめ8つ!」の中の1番目のコンサートです。ちなみに昨年の様子はこちらから。

 列車の関係で第3部からしか聴かなかったのですが,プログラムは以下でした。
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第1部 フランス・ルネサンスの響き
《Ave maris stella》G. Dufay
《Allon, gay, gay》G. Coseley
《Bon Jour mon coeur》O. Lassus
《Ae Maria》J. des Prez
第2部 クリスマス・キャロルを集めて
《Ding! Dong! Merrily on High》C. Wood編曲
《Lully, Lulla, Lullay》P. Stopford
《Gaudete》B. Kay編曲
《Balulalow》J. Burton
《Merry Christmas》A. Warrell編曲
第3部 〜生誕500年を祝って〜 パレストリーナの2つのミサより
《Dies sanctificatus》, Missa "Dies sanctificatus"より《Kyrie》
《Gia fu chi m'ebbe cara》, Missa "Gia fu chi m'ebbe cara"より《Kyrie》
Plainchant:Hymnus《Aeterna Christi Munera》, Missa "Aeterna Christi Munera"より《Kyrie》《Gloria》《Agnus Dei》
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 第3部は各曲ごとに解説があり,元になった楽曲とそれを活かして作られたミサ曲が合わせて演奏されたので,とてもわかりやすく聴くことができました。発声の難しさはあるものの,さすが老舗のネネムの皆さんはポリフォニーの線の生かし方がわかっており,ホモフォニックな部分のハーモニーもとてもきれいで,ホールの響きをよく聴いて音楽していることがわかりました。少人数で昔から真摯に音楽に取り組んでいるコール・ネネムさん。音楽を楽しめましたし,刺激にもなりました。合唱音楽研究会奥州の方々や盛岡某校音楽部の部員も聴きにきてくれたかなぁ?

【日本声楽発声学会】第118回例会:最先端はものすごい!

 11月29日(土),東京の上野にある東京藝術大学音楽学部にて,日本発声声楽学会第117回例会に参加してきました。前回の第116回例会には参加したのですが,夏期研修会には残念ながら参加できませんでしたので半年振りの学びの機会となりました。

 今回の内容は次のようでした。
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A. 研究発表
1) 「日本近代音楽黎明期の日本歌曲研究 山田耕作の肉声の音響分析から声楽発声指導を検討する”からたちの花”」斉田晴仁・斉田正子
2) 「「頭の後を意識して声を出す」発声指導の効果について」森幹男・梅村憲子
B. 学会サロン
C. 特別講演(120分)
・講師:中橋健太郎左衛門
・演題:「日本オペラ界の未来について〜裾野を広げる為に〜」
D. 現役声楽家の演奏とお話(70分)
・講師:高橋薫子(ピアノ:服部容子)
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 研究発表では,いずれの発表でも機械を使って声を分析し,考察していました。斉田さんは残されていた山田耕作のレコードの歌声を分析したり山田耕作の解剖学的知識を前提にしながら,山田耕作がどのように身体を使っていたのかを考察し示していました。森さんは学生をモデルにして「頭の後へ息を回す」などの指導言の効果を音圧比から評価していました。ちなみに「シンガーズ・フォルマントが高まれば音が大きく聞こえるから音圧が上がる,つまり周波数特性が変わることで音圧が上がるのでは?」と初歩的な質問をしたところ,音については「物理量」と「心理量」とは別ものとして扱うので音圧が上がらなくても大きく聞こえることはある,ということを森先生に教えていただきました。

 特別講演では日本のオペラ界の現状をどのようにして改善していったらいいかについて,方向性をスポーツ界から学び,具体的な対策をご自身の実践から示してくださいました。「税金を払う側と税金をもらう側」などお金についても視野に入れていることや,稀少楽器は電子楽器でおき変えてもなんとかなること,歌手にとってオペラを上演することで役柄も含めて暗譜して演じることが重要であることなど,オペラを上演することの価値を再確認することができました。

 最後のソプラノ歌手高橋薫子(たかはしのぶこ)さんの歌は,日本語による歌曲もイタリア語もフランス語も,歌を聴いていて気持ちよくなる感じがしました。低音域と高音域では喉の使い方が変わっているようなのだけれど統一感のある輝かしい響き,そして自由に音と言葉を操る歌!とても刺激になりました。またピアノ伴奏をした服部容子さんも歌と一体となった音楽を表現していました。


 久しぶりに最先端の研究・演奏に触れてたくさん学ぶことができ,刺激されました。今後の活動に活かしていきたいと思っています。

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