10月31日(金)の夜,大船渡市盛町の盛駅前にあるカメリアホールで行われた「けせん第九」のマエストロ練習に参加しました。「けせん第九」は1年おきに開催されてきた大船渡市の行事で,前回は2023年12月3日にリアスホールで開催されました。今回の指揮者は岩村力さん。間も無く宮城県岩沼市での第九演奏会があるそうで,そこの合唱団が揃えて作ったという「9」の文字にベートーヴェンの顔が重なったデザインのTシャツを身につけて登場され,19:00から21:00まで丁寧に指導していただきました。
合唱団は,普段は一週間に1回程度のペースで6月頃から練習を重ねてきたそうで,男声は少なめでしたがソプラノには中高生のみならず小学生もたくさんおり,ドイツ語にカタカナがふってある楽譜を使って一生懸命に歌っていました。この日はマエストロ練習ということで都南混声合唱団の方々,宮古市から宮古木曜会合唱団の方,奥州市から混声合唱団アミューズの方そして盛岡からと男声陣が厚くなっていました。
岩村さんはまず全体の音を聞いた後,各部分に戻って吟味されました。合唱団は全体に発声や音楽に大いに荒さがあったのですが,清潔なハーモニー作りを通して音楽の質的変化を目指していました。特に音高に関して「出たとこ勝負じゃなくて,ハーモニーを聴き(イメージし)その中に自ずから自分の音高がわかるから,そうなってから音をだそう。」と,自分の出す音・音楽をより具体的にコントロールすることの大切さを強調していました。「車の運転,ドライブと同じ。意図してから操作する。」的なことをシャルル・デュトワ先生との会話を引き合いに出しながら説明してくださいました。
また,フレーズの最後の言葉の語尾をどこで切るかとか,母音が音符の頭でその前に子音を出すとか,基本的なことを丁寧に確認し何度も繰り返してお稽古しました。スタッカートの意味や演奏法,「piu」の意味合いなどもイタリアでの経験をもとに小学生にもわかるように説明していました。
小・中・高生がこのような企画に参加し,一緒に音楽を体験するのは素晴らしいことです!高校の先生もテノールで歌っていらっしゃったので,先生方が率先してこういう場に参加し,学び,その姿を子どもたちに見せていることも大きな要因だと感じました。(ちなみに小中高生向けの練習も大人とは別にあるようです。)
マエストロ練習はこのあと2回ほどあり,本番は2026年1月18日(日)リアスホールの予定です。どのようにまとまっていくか,楽しみです。
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