2025年8月13日水曜日

【MBKV】コラールは合唱の基本要素がびっしり!

 8月12日(火)の夜,盛岡市の舘坂橋教会で盛岡バッハ・カンタータ・フェラインの通常練習に参加しました。この合唱団はドイツのライプツィヒ市で毎年開催されるライプツィヒ・バッハ音楽祭に昨年6月に招聘されカンタータ3曲を演奏してきたのですが,再来年(2027年)6月のライプツィヒ・バッハ音楽祭にもオファーがありカンタータの練習に取り組んでいるところです。

 この日取り組んだのはBWV187の終曲の四声体のコラールでした。食べ物を豊かに与えてくださる神を賛美する楽曲です。まず始めにコラール旋律を歌って身体に入れました。先日宮古高校音楽部のレッスンでやったのと同様です。その後,ドイツ語の歌詞の「重さのあるシラブルおよび音符」を確認し,意味を表現しながら何度も発音して身体に入れました。その後,「ア」などの母音でその「重さ」を生かすように歌って身体に入れました。そして長・短母音の歌い分け(これがまた難しい!),意味・ニュアンスの表現などを吟味しながらコラール旋律を歌って身体に入れました。その後にやっと4パートに別れて楽譜通り歌って合唱しました。以上,所々で佐々木正利先生の音楽觀や活動の考え方についてなど様々なお話しもありながら1時間半ほどレッスンしていただきました。(途中,トリルの演奏の仕方に関して『バロック音楽の演奏習慣』という書籍の話題が出ました。帰宅して書棚を探したら,やはりありました。シンフォニアから1975年に出版されたもの。私は1994年に盛岡市の伊藤楽器さんから購入し,中には記譜されない演奏習慣について読んで学んだような書き込みがあり,「昔は情報が少なかったからこうやって学んだものだったなぁ。」と思い出し懐かしくなりました。)

 四声体のコラールはほとんどが四分音符か二分音符でリズムもシンプル,メリスマもありません。ですから音を出すことはそう難しくはありません。でもそのようなシンプルな音で構成されている楽曲を「合唱音楽」として聴かせるには,徹底的に言葉を生かすことが必要です。さらに,レクチャーを受けて練習し1回できたくらいの表現ではすぐにはがれ落ちてしまいます。何度もこつこつ取り組んで「身体に入れる」ことがとても大切なことだと,あらためて教えられました。

 それにしてもバッハ,そしてカンタータは素晴らしい楽曲ばかりで,歌っていて音楽する喜びを感じます!

2025年8月11日月曜日

【宮古高校音楽部②】ドイツ語作品にチャレンジ!

 8月11日(月・祝)の午前(10:00〜12:00)に宮古市のうみマチひろばの会議室で,宮古高校音楽部の2回目のレッスンを行いました(8月3日の1回目はこちら)。

 前回はパレストリーナのモテットを均した後,メンデルスゾーンの《Paulus》からステファノの石打ちの場面のあたり(Nr. 8&9)のドイツ語の意味と読みだけをやったのでしたが,今回は実際にドイツ語で歌ってのレッスンとなりました。

 たった1週間なのにドイツ語である程度歌えるようになっていて,とても驚きました。高校生ってやればやれるものなのですね!顧問の佐々木駿先生のご指導の賜物と思います。すばらしい!

 はじめはコラールから。「Dir Herr, 」の呼びかけで始まるのですが,旋律はバッハの(コラール)カンタータ第93番でお馴染みの《Wir nun dir Lieben Gott lasst walten》です。メンデルスゾーンにとってもドイツ人にとって馴染みのあるコラールであることを紹介して,コラール旋律を歌って馴染ませました。一方,声が固くなり響がでこぼこするので,喉の力がぬけた響を保てるように「ア」や「オ」でも旋律を歌わせました。同時に,四分音符をいちいち置いているので,一筆書きにすること八分音符で感じること次のテキストに応じた息を吸うことなどの基本を教えました。縦に見ると和音の響からハミ出さない(音を溶け合わせる),横に見ると音楽が停滞しない(音楽を運ぶ),という点がゴールです。

 「Steiniget ihn」の合唱は非常によく健闘していました。細かい音符のところに母音をきちんとはめること,各パートの各部分での役割を理解して聞かせるべきパートに耳を澄ますこと,力強さはフォルテだけでなくピアノでも必要だしピアノの時こそ緊張感が作り出せることなどに取組みながら何度も歌いました。

 繰り返しになりますが,ドイツ語の楽曲をしかも1週間でこれほどに歌えるようになっていることに驚きました。高校生の潜在能力おそるべし。そして生徒を信じて引き出せるようにならなければ!と気づかされたレッスンでした。

【ZホールSP合唱団・17】一喜一憂しない!


 8月9日(土)と10日(日)の午後,ZホールでSP合唱団の練習に取組ました。本番まであと1ヶ月後ですが,練習は今回含めあと3回程度です。

 9日(土)は13:00から日本民謡の暗譜のための自主参加練習時間から始まりました。男声合唱の《酛摺唄》の歌詞を少し分析して思い出すきっかけを確かめました。混声合唱の《大漁節》は最も馴染んでいない曲なので,合唱パートのパターンを分析し部分部分で区切りながら繰り返し歌って,だいぶ覚えて歌えるようになりました。その後14:00からの練習では《大漁節》をしっかり歌えるようになっていたので,細かい歌い方についても指導することができました。レベルが上がっていました。混声合唱の《外山節》も同様でした。後半はイタリア民謡,及川貢先生のレッスンです。相変わらず歌っているうちに母音がでこぼこしていきます。でも伸び伸びと歌えるようになっていました。と,1日目は「一喜」で終わりました。

 10日(日)の前半の日本民謡は《千福山》から始めました。これが意外にてこずりました。音取りは難しくないので,その分(?)とても雑に歌っていた様子。前日のように細かい歌い方に踏みこんでもなかなか変わってくれませんでした。本番のピアニストが来ていたのでピアノ伴奏付きの楽曲を優先して歌いました。でもいずれも前日のように「向上的変容」が感じられません。そして後半の及川先生によるイタリア民謡は…まるで評価されません!指揮に合わない原因はいろいろあるのですが,より大きな原因を取り除かないと指揮に合った表現はできないのですが,それがどうも伝わらないようでした。ということで2日目は「一憂」で終わりました。

 「一喜」してしまったので「一憂」が訪れました。かつて恩師の先生から「一喜一憂しているようではだめ。やるべきことに淡々と取り組め。」と教えられたことがあります。まさにその通り!「上手くいった」なぁんて自惚れていると化けの皮が剥がされますね。再び戒めていきたいと思います。

 次回の練習は8月16日(土)と17日(日)。この回は東京から本番ピアニストの島田さん(こちらにプロフィール)がいらっしゃるので,全時間がイタリア民謡のとなります。その次が8月30日(土)と31日(日)。30日は全日本合唱コンクール岩手県大会高校の部があるので,日本民謡の全体練習は佐藤智恵子先生にお願いし私の練習は31日のみとなります。そして9月6日(土)はもう本番1週間前練習!貴重な練習時間で「やるべきことに淡々と」取組んでいくことにします。

2025年8月9日土曜日

【合唱音楽研究会奥州】少しずつ成長。でも音下がりがやはり課題です。

 8月9日(土)の午前中(9:30〜12:00),水沢教会で第50回となる活動を行いました。胆江合唱祭は10月12日,楽曲はラター2曲と《ぜんぶ》,第2回発表会は11月22日でラター4曲とパレストリーナのミサ・ブレヴィスの全曲,と当面のゴールが決まっての活動となりました。本番が控えていますから,「体験」だけで終わらせるのではなく「実現」までいかなければなりません。「実現」への取組みが本当の意味での「音楽すること」だと考えています。

 発声練習では,久しぶりに横隔膜の動きを確かめました。息を送るポンプに力がないと喉が無理をしてしまいます。それを避けるための取組みの一つです。

 伴奏者がお休みだったので,この日はパレストリーナのミサ・ブレヴィスからまず《Sanctus》に取組みました。歌詞ではなく「音」でです。前回はとてもいい感じで《Credo》を終えたのですが,今回は元にもどっちゃった感じでした。改善をめざして吟味していくと,喉に頼って歌うことが原因しているように感じました。特にソプラノにその傾向が強く,ソプラノ抜きでアンサンブルしたときの音下がりは改善してきました。しかし,旋律を一筆書きで歌おうとする息の運び方は,皆さんだいぶ身についてきた感じです。また楽曲を思い出すのにも時間があまりかからなくなってきました。

 続いて前半三声で後半は四声のホモフォニーになる《Benedictus》も歌ってみました。そして《Agnus Dei II》に取り組みました。ソプラノが同度のカノンなので,音下がり改善のヒントになるのではないかと思ったのです。《Sanctus》より少々改善し,音楽を思い出すにもほとんど時間がかかりませんでした。少しずつ成長してはいます!

 次回は8月24日(日)の14:00〜17:00水沢南地区センター音楽室です。楽曲は《Agnus Dei I》と,《Sanctus》以降の楽曲を歌詞で歌うこと。みなさん,予習して集まり,よりよい音楽体験ができるようにしましょう!

2025年8月7日木曜日

【水沢高校音楽部】久しぶりのヴォイス・トレーニング

 8月7日(木)の午後(16:00−18:00),前日のチャレンジングなコンフオーコに続いて再び水沢に行き,水沢高校音楽部のレッスンをしてきました。今シーズン2回目(そして最後)です。

 顧問の先生から「発声法についていろいろ教えて欲しい,子どもたちの今後にも生きると思うし自分も学びたい」とリクエストがあり,ヴォイス・トレーニングの方法などを紹介してきました。

 理屈をいくら知っても,知ってるだけでは良い音楽はできません。本当の発声の先生なら木下マティアス義久先生が仰っていた通り,生徒の声を聞きそれに基いて個別化し評価しながらよりよい声・音楽へと導くのでしょうけれど,自分にはそれほどの聞き分ける経験がないので,理屈をこねながら練習法を紹介するといった程度の内容となりました。即ち,①楽器の仕組みを知る,②運動に関与する部位と構造を知る,③強化方法とそのねらいを知る,といった感じです。ともすると練習の仕方だけを受け取ってそれをやっていれば案心ってなことになり,そのねらい・目的に無頓着に成ってしまいがちだからです。「鼻つまみ」「ハイハイ」「首上げ」など久しぶりにやって見せて触らせながら紹介しました。子どもたち,そして先生も興味を持って取組んでくれました。

 指導のためにもっと知りたい,学びたいという顧問の先生の姿勢が素晴らしいです!学び続けていないと教える立場に立てません。また発声(歌唱)は運動ですから,座学でなく実際に身体を動かすことで理解できます。そしてまた多くのチャレンジが「上達」を支えていることは,鈴木宏昭著『私たちはどう学んでいるのか』(筑摩書房2022)(特に第3章)から学びました。今日の短い時間ではできないことも多かったと思いますが,これを今後の学びのきっかけにしてもらえたらと思っています。

 終わりには顧問の先生の学生時代の音楽活動の話や子どもたちの今後への期待,胆江地区の合唱音楽の現状や学校における音楽教育の現状など,様々な話題で4人で対話する時間もあり,私も思いを伝えることができました。今シーズンはこれが最後になりますが,「1月のアンサンブル・コンテストには1・2年生の生徒を誘って出場させたいのでその時はまたご指導をお願いします。」とお話いただき,とても嬉しく思いました。これ一つの足がかりとして,胆江地区の音楽活動の広がりをさらに広げ高めたいと強く思いました。

【アンサンブル・コンフオーコ①】チャレンジが変化を生みます

 8月7日(木),盛岡某高音楽部の活動に午後に参加し,その夜(18:45〜20:40)奥州市水沢のアスピアでアンサンブル・コンフオーコの練習に参加してきました。在来線で切符を買って往復しました。盛岡駅から北上駅まではSuicaで乗車できるようになったのですが,水沢駅はいまだに現金のみなのです。水沢駅舎内のコンビニ「new days」ではSuicaが使えるというのに…。

 アンサンブル・コンフオーコは7月6日に15回目となる演奏会を終えた女声合唱団です。基本的には佐々木まり子先生から月に1回程度ご指導を受けています。今回は10月12日(日)の胆江合唱祭(前沢ふれあいセンター)に向けて全6回の予定で指導に行くことにしています。ちなみに昨年(2025年)の胆江合唱祭はこちら一昨年の胆江合唱祭はこちらです。

 今回の楽曲は,信長貴富作曲の《祈ってもいいだろうか》となかにしあかね作曲の《歌いながら行こう》の2曲です。昨年の選曲に比べると少し易しい楽曲を選んだように思ったのですが,一昨年の選曲を考えると同じような感じかと思います。信長貴富さんには一昨年(2023年)の日本声楽発声学会の夏季研修会で《祈ってもいいだろうか》と《うた》を使って学ばせていただきました。そんな話もしながらお稽古してきました。

 はじめは発声練習。最近女声合唱で興味をもっている胸声を鍛えることをやってみました。私よりも歳上の方がほとんどなのですが,おそらくこれまでと異なる声のだし方に怖がらずにチャレンジしているので,張りのある声が出るようになりました。

 まずは2曲を一通り聞かせてもらいました。基本的な歌う力は佐々木まり子先生仕込みですから心配はありませんでした。でも声質に難がありました。ハモらない,聞こえないなど…。

 《祈ってもいいだろうか》は始まりのユニゾンが長く続くので,そこを「ア」や「音」で音楽することから始めました。離れた音高の音への調薬や「歌おう」とすると楽器である身体の形が変わってしまって出てくる音質が変わってしまっています。ですから音質が変わっている点をこと細かに指摘し改善に取り組むようにしました。しつこく疲れる練習だったと思います。でも一つひとつの箇所への取組を繰り返し続けることで,音質が安定し良い響きが出てきました。

 《歌いながら行こう》は一変してリズミカルな楽曲です。でも,細かい音符でも身体をしっかり使って音を出すことを徹底してみました。また発声練習で意識させた胸声を使うことも働きかけました。特にアルトは低い音域が聞こえてこなかったのですが,これでやっと聞こえるようになりました。

 いずれの楽曲でも,新しい歌い方や発声の仕方を示すとそれに怖がらずにチャレンジするので,がらりと音楽が変わります。今回は1回目。あと5回でどのように変わって行くのか楽しみです。

2025年8月3日日曜日

【宮古木曜会合唱団】外国語漬け

 8月3日(日),午前中に宮古高校音楽部のレッスンをした日の午後,宮古木曜会合唱団の強化練習をしました。場所は響の良い磯鶏幼稚園のホールです。前回は7月27日(日)の強化練習でしたから,1週間の間隔で来ることができました。ソプラノ4人,アルト4人,テノール1人,バス1人とこの日も全パートそろってスタートできました。

 発声練習の後,まずはビクトリアの《O magnum mysterium》から取組ました。冒頭のソプラノ,そしてアルトの旋律から徹底的に①音楽の流れ,②ラテン語のアクセントの位置と表現の仕方,③母音による響きの安定,などを指摘し改善を要求しました。時間はかかりましたが,きちんと要求すると身体を使い出す(というか身体を使わないと対応できない)ので前回のようなピッチの下がりはほぼありませんでした。かなり時間はかかりましたが,やはり「大切なことに丁寧に,やるべきことを一つひとつやる」ことが近道なのですね。

 次にモーツァルトの《Wiegenlied》。団員Aさんが読みやすいように歌詞を書き直し読みカナをつけたものを作ってきて配り,団員Bさんは歌詞の譜割が見にくいからと各パートごとに歌詞の譜割を書き改めた楽譜を作ってきて配っていました。この楽曲をなんとかものにしたい!という団員の方々の意欲を感じたので,練習でもドイツ語のニュアンスが生きるように徹底的に改善に取組ました。これもかなりの時間がかかりましたが,なんとかドイツ語っぽく聞こえるようになってきました。

 続けてシューベルトの《Wiegenlied》。こちらはモーツァルトのものより音符がスカスカでかつ短いので(あるいはモーツァルトの練習で力をつけたのか)取組やすいようでした。

 3時間半,びっしりと外国語に取組んだのでだいぶ疲れたようで,16時40分ころには強化練習を終えました。でもこの日は「やればできる!」ということがわかった練習でした。次回は8月26日(木)の通常練習です。4週間ほど間が空くので心配ですが,「やればできる!」はずなので,メゲずに「大切なことに丁寧に,やるべきことを一つひとつやる」ことを忘れずに取組たいと思いました。ご参加の皆様,お疲れ様でした!

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