2025年3月26日水曜日

【宮古木曜会合唱団】本番終了・音楽で伝わる世界


  3月23日(日)15:00からイーストピアみやこの多目的ホールにて宮古木曜会合唱団の第42回定期演奏会を行いました(第41回定期演奏会は宮古市民文化会館大ホールでした)。いつも使っている市民文化会館が使えなかったのであまり使ったことのないホールでの演奏会となりました。ここにも書きましたが,2020年12月に「クリスマス・ロマンチックコンサート」なる演奏会に出させていただいた際の会場です。響きはデッドで歌いにくい感じ,ピアノは小型で移動しやすい電子ピアノ,ステージは仮設式で少々狭いので設置しませんでした。客席は150席ほどですがほぼ満席でした!

 会場が響かず(残響がとても少ない)お客様との距離が近いこともあり,アラがよく聞こえる演奏だったように思います。磯鶏幼稚園のホールの響きの良さについては時折触れてきましたが,そこで表現されていたような良い音楽を引き出すことは十分にはできなかったように思います。また,(こちらはさらに大きな反省点ですが)指揮を見ないで歌う人が多いので,音楽の手綱を締めることができないことが多々ありました(特に前半)。これについては休憩時間に「合唱の基本を再確認しますねー。指揮を見られないところは声を出さない!」と各パートに声をかけたので,その後の第3部はだいぶよくなったように思いました。

 新鮮に感じたことがありました。それは,聴き手の方々が演奏を聴いて涙を流していらっしゃったことです。10年ほど前宮古の小学校の合唱委員会を引き連れて一般の演奏会に何度か出た時も,また過去の宮古木曜会合唱団の演奏会でもそうでしたから,そういうことって普通のことと思っていたのですが,「そういえば自分が聴きに行った演奏会でそういうことがあっただろうか?」と思ったのです。盛岡市でも奥州市でも。「すごいなぁ」とか「立派な合唱」と思うような演奏はなくないのですが,お客さんが涙を流して聴いている場面を見たことはないようい思います。

 「感動させよう」「泣かせよう」などそんな(小学生のような)発想は全くないし,そもそも「感動」は「させられる」ものではなくて各自の内側に「生じる」ものでしょう。ですから結果として聴き手の心が動いたのだと思います。表現する側はただただ作品に向き合って「より良い音楽」として再生産する作業に取り組むだけです。その作品が「生きた」ときに,その作品から何かが伝わったという結果なのだと思うのです。

 象徴的な感想がありました。「岩手県民の歌,いい曲だね。」とはY先生の言葉,「モーツァルトの《雀のミサ》っていい曲ですね。」とはO先生の言。演奏を褒められるだけでなく作品の良さが伝わったというのは,とても嬉しい評価だと思っています。作品が作曲者のイメージした響きに近かったということだと思うからです。

 次のシーズンもご一緒させていただくことになりました。ひとつきに日曜日1回,木曜日1回の計2回程度お伺いして一緒に音楽に取り組むことができます。皆さんが音楽に真摯に取り組む合唱団なので,私もたくさんチャレンジし学ばせていただいています。次回の第43回定期演奏会は2026(R08)年3月29日(日)宮古市民文化会館の予定です。ぜひ聴きにいらしてください!

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