2024年11月29日金曜日

【宮古木曜会合唱団】難しい距離感

  11月28日(木)19:00からの宮古木曜会合唱団のレッスンのために,宮古市の山口公民館に向かいました。16:15頃に盛岡を出発したのですが,この季節はもうすっかり暗くなっていました。そして区界峠は1℃でみぞれ。先日見ることができた紅葉はもう全く見えませんでした。宮古市には1時間以上前に着いたので,早めに山口公民館に行きました。

 前回は11月10日(日)の強化練習でした。あれから2回間をあけて,今回の通常練習の参加はS3,A3,T0,B1。テノールは相変わらず0です!!大丈夫かな?

 人数が少なかったので少し丁寧に発声練習し,はじめに毎年参加させていただいている12/24に日本基督教団宮古教会で行われるクリスマス・イヴ礼拝の際に歌う3曲のうちの1曲である讃美歌第259番「いそぎ来たれ,主にある民」(当日演奏する他の2曲はJ. S. Bach作曲《Jesus bleibet meine Freude》とJ. ラター作曲《ともしびのキャロル》)を,声を楽器にしてハモらせてみました。続いて,当日会衆賛美で歌われる讃美歌の音取りをしました。讃美歌第62番《天にいますわたしたちの父》,第264番《きよしこの夜》,第258番《まきびとひつじを》,第263番《あら野のはてに》,第261番《もろびとこぞりて》,第26番《グロリア,グロリア,グロリア》です。いつも会衆賛美の最中に「合唱団がいるのに副旋律を歌ってハモることをしないのはなんだかへんだなぁ。」と思っていたからです。加えて,ヨーロッパの人たちは礼拝での讃美歌を通して和声や読譜や音楽そのものを学んでいると私は考えているからです。そこで,移動ド唱法で各讃美歌を歌って音取りとしました。これが意外に難しい!というか思った以上にできませんでした。音程の感覚を身につけ(読譜力を高め)るには,階名唱に馴染むしかありません。合唱団員のための練習曲集《Chorübungen》でもフランツ・ヴュルナーが音程を鍛える段になって「NO.18以降の音程練習はドイツ音名でも歌うと良い。歌い方練習ではイタリー音名が良い」としています。(あらためて《Chorübungen》などで音程練習をするのではなく)機会をとらえて音程感覚を育て,読譜力を上げたいと思っています。

 そうこうするうちに時間が過ぎ,あわてて定期演奏会の曲の練習に切り替えました。テノールがいないので《Glaspolskan》は今回もできないので,言葉に慣れるために練習回数が必要と考えて《O Musica》から始めました…。が結局,《O Musica》の途中で時間切れとなりました。毎回,初めて言葉をつけた時のように呂律が回らないのです。発音は筋肉運動ですから何度も繰り返して筋肉に覚え込ませるしかありませんそのためには意味や統語をよく理解しておかなくてはなりません。一方で,言葉を発音しようとすると共鳴腔が狭まり音質が低下します。これをフレーズ(2〜3小節)ごとに修正しながら繰り返しました。

 アドバイスすると修正できて,(二転三転するものの)いい感じになっていきます。でも①同様のことが他に活きない,②少し時間をおくと元に戻る,といった課題があります。程度の差こそあれ自分も含めアマチュアなら誰にでも起こりうることです。だからこそ練習を重ねるのですから。しかし同じことが何度も繰り返されるということは指導に問題があるわけですから自分で自分に「メタ指導」をしなればなりません。部分部分の導き方が誤っているのか,逆に細かく教えすぎることで歌い手自身の音楽活動になっていないのか…。「合唱団員との距離感って難しいなぁ…。」と思いながらR106を運転して帰りました。つぎは12月1日(日)の強化練習です。多くの方がご参加くださることを願っています。

2024年11月25日月曜日

【演奏会・聴いてきました】コール・ネネム演奏会 結成50周年記念

 

 11月24日(日)の午後,盛岡市民文化ホールの小ホールでコール・ネネムの演奏会を聴きました。少人数でルネサンスのア・カペラ合唱を続けているところで,今回は結成50周年記念とのことでした。私が大学生の頃も活動していて,とても上手なアンサンブルを聞かせてくれる団体でした。今回は15名ほどがステージに立っていました。

 プログラムは次のようでした。

第1ステージ:現代イギリスの作曲家によるクリスマス・キャロル集
 現代イギリスの作曲家(David Willcocks(1919-2015), John Tavener(1944-2013), John Rutter(1945-), Philip Stopford(1977-), Bob Chilcott(1955-))により編曲されたクリスマス・キャロル集 5曲
第2ステージ:50年の歴史を振り返って
 Josquin Des Prez(1450/1455?-1521) 《こおろぎはすばらしい歌い手》
 Heinrich Isaac(1450-1517) 《インスブルックよさようなら》
 Giovanni Pierluigi da Palestrina(1527?-1594) 《バビロンの河のほとりで》
 Orlando di Lasso(1532-1594) 《いとしのマドンナ》
 Tomas Luis de Victoria(1548-1611) 《おお 栄光に輝く王国》
 Orlando Gibbons(1583-1625) 《銀色の白鳥》
第3ステージ:《4声のミサ》 William Byrd(1540?-1623)作曲

 50年にもわたってルネサンス期のア・カペラ合唱を聴かせてくれるコール・ネネム。生ではなかなか聴くことのできない楽曲・響きを体験することができました。第1ステージは現代的な編曲だったためか指揮者(高校&大学合唱団の大先輩!)が指揮していましたが,他の楽曲はルネサンス期のオリジナルなスタイルである(指揮者を置かない)アンサンブルでした。これは,①どんな音楽を響かせたいかという楽曲の全体像や各部分の音楽の仕方のイメージの共有や,②他パートと共に自分の声(音楽)を聴き音楽を作っていく「聴覚フィードバック」の能力や,③それを実現する声楽的な能力,そして④(少人数なのでなおさら)2時間近くにわたって音楽に集中する持続力がないと達成できないことでしょう。すばらしいことと思いました。

 第2ステージのいくつかの楽曲はだいぶ前に宮古木曜会合唱団でも取り上げたことがありました。「なるほど,こうすると音楽が生きるのね」と,自分の様式感の未熟さを思い返し反省しながら聴きました…。学びの多い演奏会でした。

2024年11月24日日曜日

【合唱研第33回:活動報告】理解が深まるとよりよくなります

 

 11月23日(土・祝)の午後,奥州市の日本基督教団水沢教会で合唱音楽研究会奥州の第33回の活動に取り組みました。奥州市といえば大リーグの大谷翔平選手の実家のあるところ。活動に行く前に,テレビでニュースとして取り上げられていた市役所の大きな横断幕を見にいきました。やはり同じような方が数名いらっしゃって写真を撮っていました…。

 前回の第32回は参加者が少なめでテノールが0名でもあったのですが,今回はテノール2名,バス1名と4パート揃っての活動となりました。そして,前回の移動ド唱法の理解とトレーニングが生きていたのか,「前時想起」にほとんど時間がかかりませんでした。

 はじめ,パレストリーナのミサの"Gloria"に取り組む前に,「カデンツ」の練習をしてみました。出だしのトニックの和音がなかなか響き合わなかったからです。「カデンツ」の練習とはⅠ→Ⅳ→Ⅰ→Ⅴ→Ⅰの和音を4パートで分担して出してハモらせる練習です。ほとんどの方が初めてのようでしたがすんなりと理解してくださり,(ここも移動ドで)全パートをさらってからハモらせてみて,さらにいくつかの調に変えて(移調して)何度か合わせてみました。そのうちに音程が清潔になり,きれいに響き合うようになりました。声を出しながら耳で聴けるようになってきたということでしょう。

 その後,《Gloria》を歌詞なしで合わせてみましたが,案外すんなりとハモって,かつほとんど止まらずに進みました。そこで歌詞の発音を練習し意味を確認しました。ラテン語は馴染みがありませんが,英語やイタリア語などに同じような意味の言葉があるのでそれを紹介することで歌いながら意味を想起しやすいように(つまり意味をも覚えやすいように)ヒントを出しながら進めてみました。

 歌詞をつけて歌うと途端にハーモニーが崩れてしまうと思ったので,例によって「入れ歯外し歌い」をお願いしました。すると,ハモリもなかなかいいし,曲の最後までピッチの下りもほとんどありませんでした!前回から(もっと前から)続く移動ド唱法や歌詞の発音や意味への理解が深まったことが,よい音楽に繋がっていると感じました。

 後半はラター。まず前時想起として《For the beauty of the earth》を復習しました。合唱になる部分を取り上げて音を確かめ,ほぼ全体を通して歌えるようになりました。最後に出てくる3/8拍子のところが難しいとの声がありました。課題が見えて提案できるのはとても良いことで嬉しいことです。そこで手拍子をしたりしながら八分音符の括り方を変える,ということを繰り返し体験してもらいました。

 最後に《Look at the world》に取り組みました。久しぶりのような気がします。しかしこれも移動ドによる階名唱を以前ちらっとやっておいたおかげと思いますが,歌詞なしですんなりと全曲を通すことができました。

 この日はいつもお世話になっているピアノ伴奏のYEさんがお休みだったので,3時間ずっとピアノ伴奏なしで合唱に取り組みました。ルネサンス期のアカペラ合唱,しかもラテン語で歌っているのにピッチの下りがなくハモれるようになったこと,久しぶりに触れる楽曲なのにすぐに思い出して合唱できるようになったことなど,これまでの活動の積み重ねが活きているように感じられ嬉しく思いました。

 なお,11月17日の菊池葉子さんのリサイタルのこと,12月8日の岩手県合唱祭12月14日の盛岡市民クリスマス12月15日の一関第九演奏会,そして来年4月29日(火・祝)の《ヨハネ受難曲第2稿》演奏会など,地域の音楽についての方法交換の場となっていることも嬉しく思います。また,この日は新しく1名(ソプラノ)の方が入会されました!中学以来の合唱活動とのことでした。そういう方々が歌うきっかけとしてくださっていることも嬉しいことです!そろそろ次の研究発表会の計画を具体化していきましょう!

2024年11月17日日曜日

【MBKV】「コラールは暗譜」が課題


 11月17日(日)の午後,盛岡市にある高校会館3階大ホールで,盛岡バッハ・カンタータ・フェライン(以下,MBKV)の強化練習を行いました。毎週火曜日の夜の練習に加えて,月に1回強化練習を設定しています。MBKVの練習はバッハフェスト・ライプツィヒ以降,《ヨハネ受難曲第2稿》に取り組んでいましたが,ここで話題にするのはなんと4月23日以来ですね。

 この日は先生は都合でお休み,コンサートマスターのOK先輩ほかパートリーダーの数人も他のお仕事でお休み。そこで,コンサートミストレスのOAさんと私と二人で全体練習のかたちで《ヨハネ受難曲第2稿》の練習に取り組みました。

 先週火曜日のOK先輩の全体練習では,演奏順に進んだ「27b."Lasset uns den nicht zerteilen"」までやったのですが,この日の強化練習ではまず初めに,先生から予告されていた「22.Choral "Durch den Gefängnis, Gottes Sohn,"」から始めて,その後のコラールを取り上げて練習しました。というのは「コラールは暗譜」というのがMBKVの「合言葉」(なのになかなかできていない)からです。

 《受難曲》にはコラールが何曲も出てきます。合唱団員は受難の記事に出てくるユダヤ人などの役をやりながら,会衆賛美としてのコラールも歌います。福音朗読者(エヴァンゲリスト)が語るストーリーの途中に突如として挟み込まれるコラールを,その立場を切り替えて表現しなくてはなりません。ですから,歌い始めてから「あのコラールだったのね」と気付くのでは遅く,前の記事の間に「次はあのコラールが来るぞ」と理解して歌い出さなければ表現できないのです。そういう意味でも「暗譜」が必要で,音と歌詞を覚えて歌うというレベルの「暗譜」では表現に至りません。間違えずに歌えた,という程度のことになってしまいます。ここが難しいところです。(音や発音も難しくはありますが,これまでの練習でだいぶ身に付いてはきたように思います。)

 コラールの位置付け=バッハがそこにコラールを挟み込んだ理由を解釈し理解するためには,聖書の記事との関連が自分なりに明確になっていないといけません。「意味的記憶」のためです。キーワードだけでもいいので記事とコラールをつなぐ内容をつかめるようにと,練習を進めてみました。もちろん繰り返すことで身体や口に言葉や音を馴染ませることもねらいつつです。

 「21g.Rec.」ではピラトがイエスを「解放」する「権限」があると主張します(イエスはそれを否定しますが)。そこで続く「22.Choral」は「あなたの捕らわれによって(Druch dein Gefängnis)…私たちに自由がおとずれた(Die Freiheit kommen)」と歌い出します。
 「25.Rec.」ではイエスの十字架状上の罪状名(INIR)が争われます。そこで「26.Choral」では「あなたの名前(dein Nam)」や「十字架(Kreiz)」がキーワードになります。
 「27c.Rec.」では十字架上のイエスが弟子やマリアらに気遣いを示します。そこで「28.Choral」では「彼はすべてのことに十分に心を配り(Er nahm alles wohl in acht)…」と歌い出します(そして「O Mensch, mache Richtigkeit,…」と呼び掛けます)。
 「36.Rec.」では,受難の記事全てを振り返るようにしながら,聖書の記事が「真実(Wahrheit)」であることや「実現する(erfullet würde)」こと,だから聖書を「信じる(glaubet)」ことを説きます。そこで「37.Choral」では,第2部冒頭と同じコラールを使って枠構造を作りながら,キリストに救いを求める(「O hilf, Christe,」)という聖書全体の思想を歌います。
 こんな確認をしながら繰り返し歌って,覚える練習に取り組みました。

 「コラールは暗譜!」本番のステージでは指揮者からどんなイメージが示されるかわかりません。それについていき,それを表現できる合唱団になるためにも,より深い理解を伴った「暗譜」が必要なのです。(加えて,「暗譜」すると耳がよく働くようになります。ハーモニーやアンサンブルの息遣いがよく揃ってくるのです。これも大事な「暗譜の効果」ですね。)本番は来年2026年の4月26日(土)は仙台の日立システムズホール仙台コンサートホールで,4月29日(火・祝)は盛岡市民文化ホール大ホールです。あと半年あまり,より良い演奏目指して練習に取り組むので,お時間のある方はぜひ予定を空けておいて聴きにいらしてください。お待ちしています。

2024年11月11日月曜日

【宮古木曜会合唱団】連続3回の成果は??

  11月10日(日)宮古サーモンマラソンの日の午後,(金曜日に連合音楽会を聞いた)宮古市民文化会館の隣にある磯鶏幼稚園のホールをお借りして,宮古木曜会合唱団の強化練習を行いました。3月の定期演奏会で一緒に歌ってくださる団友(?)の方1名(テノール)や,サーモンマラソンで10km走ったあとに練習に足を運んでくださった団員の方もいました。

 以前も書きましたがこの会場は響きが良いのでとても歌いやすいのです。そこで発声練習の後,Victoria作曲の《Taedet animam meam dominum》から始めました。ここ2回の練習で取り上げられなかったからでもあります。発声練習直後で喉に力が入らずに音が出ている状態だと,とてもよく響き合います。これはひと月ほど前にやった時と同じ感じです。でも階名で音を探りだしたり音が不安だったりすると喉に力が入って音色が固くなり溶け合いにくくなります(はみ出します)。その修正に取り組みつつ全体の音を確かめていきました。その後,歌詞の読みと意味を確かめました。ラテン語は慣れない言葉なので単語も覚え難いです。そこでいくつかの単語については身近な英語や聞いたことのありそうなイタリア語とかフランス語の語源になっている(と思われる)関連性もプチ情報としてお伝えしながら発音練習をしました。「意味的記憶」に少しでも役立てばと思うからです。

 そして歌詞唱です。みなさん真面目なのでどうしても「カタカナ的な明確な発音で」を「音符を正確に」歌おうとしてしまいます。その結果音楽が凸凹になるのです。そこでいつものように「入れ歯を外して歌いましょう」とやったら,音符やシラブルに囚われずだいぶ息の流れが生まれ,口腔内の形状が保たれることで響きが安定し良くなりました。この日は非常にゆっくりテンポでしたから,今後は歌い慣れて,意味も浮かぶようにして,早めのテンポに対応できるようにしていきましょう。

 続いて,久しぶりにモーツァルトの《雀のミサ》です。《Kyrie》《Gloria》と思った以上に歌えていて安心しました。が,《Credo》で口がついていかなくなったので,部分部分を取り上げてリズム読み及び意味の確かめをしながら練習し,一通り通せるようになりました。

 外国語ばかり歌っていたので,最後に日本語の曲《いのちの歌》と《岩手県民の歌》の初見大会をやりました。もちろんこの日の初めからそうだったように,ピアノ伴奏なしです!でも,なんと,2曲ともほぼ四部合唱になりました!そして言葉の生かし方もとても上手に処理していました(《いのちの歌》は皆さんが主旋律をよく知っている曲だったからでしょうか。でも《岩手県民の歌》もちょっとのアドバイスがすぐに生かされましたね)。「音楽性」という言葉がありますが,宮古木曜会合唱団の「音楽性」は少しずつ高まってきているのだなと感じました。初めて参加した12年前は,1曲の音取りのため(全体練習の場での)パートの練習を何度も繰り返していて楽曲の練習がなかなか進みませんでしたから。しつこく嫌がられながらも移動ド唱法に取り組ませてきて良かった,と思いました。

 3回の連続練習は効果的で,成果の積み重ねを感じることができました。でも私が担当する全曲の音を出せなかった(ミサ曲の《Sanctus》《Benedictus》《Agnus Dei》と《Glaspolskan》)のは残念。年内は11月28日(木),12月19日(木)の2回チャンスがあります(ただし12月24日(火)のイヴ礼拝に向けた練習にも取り組まなければなりませんね)。よりよい音楽で楽しめるように練習を重ねていきましょう!

【合唱研第32回:活動報告】移動ド唱法

  11月9日(土)の午後,水沢教会で合唱研の活動を行いました。第31回が胆江合唱祭でしたから,この回は第32回となります。

 本番後だからなのか,今回は参加人数が少々少なめでした。女声(S,A)は十数人ずついましたが,男声はバスの3名だけでテノールなし…。残念でしたが,1パート少ないということは①聞き取りやすい,②指導しやすい,というメリットがあることは宮古の某合唱団で学習済みでしたので,そこを生かして取り組みました。

 この日から新しい曲への取り組みを始めました。パレストリーナのミサ曲は《Gloria》,ラター のアンセムは《For the Beauty of the earth》です。

 すっきりとハーモニーさせることが課題の団体なので,ホモフォニックな歌い出しの《Gloria》は学びやすい楽曲です。久しぶりなので,まずはヘ長調の移動ド唱法で音を確かめました。移動ド唱法には抵抗感が強い方も多くいらっしゃいます。そこで移動ド唱法に取り組む理由をいくつかお話ししました。
①(最初期は)音高に「記名」することにより,音高を想起しやすくするため
②(少し慣れたら)音高に「記名」することにより,旋律を記憶しやすくするため
③他のパートとの関係を掴みやすく,聞き取りやすくするため(同度,8度,5度,3度,2度関係など)
④和音の「機能」を感じ取りやすくするため(TかDかSかなど)
⑤和音の中で自分の担当している音の役割を感じ取りやすくするため(基音,第5音,第3音,第7音など)
⑥作曲者の意図を読み取りやすくするため(作曲者は和音の「機能」を意識して作曲しているわけだから)

 もちろんルネサンス時代の音楽にそのまま当てはまるわけではありませんが,今回のミサ曲はほぼヘ長調的に書かれているので,これらを学ぶのに適していると考えたのです。そしてこれらを体験的に理解することで,今後出会うさまざまな楽曲(そのほとんどは「機能和声法」とか「ドミナント,トニックシステム」とか呼ばれるシステムで作曲されています)の理解に役立つと考えるからです。ダルクローズ,コダーイ,ゴードンらに共通する部分の一つです。

 ただ一方で声楽的な課題もあります。「頭の中ではその音が鳴っていて,その音高の声を出しているつもりなんだけど…下がる」状態です。これは音高認知の精度発声法の問題ですので,その都度修正して訓練していくしかないと思っています。歌唱も「筋肉運動」ですからトレーニングが必要です。

 というわけで《Gloria》を移動ド唱法で大体覚え(その後歌詞の読みを確かめるまではやりましたが,これで歌うと崩れるような気がしたのでやめて),ラター の《For the beauty》へと移りました。こちらも
①主旋律を移動ド唱法で確かめ(「転調しても同じ!」ってことがよくわかりましたね),
②副旋律を移動ド唱法で確かめ(主旋律との相対関係で音が浮かびやすかったでしょ),
③英語の歌詞をざっと読んで歌詞をつけて歌いました。
つまり一通り歌えるようにはなりました(楽曲の解釈や表現の吟味はこれからです)。1時間程度でここまでできるなんて素晴らしい!

 いろいろな課題が次々現れるものです。それをどうやって解決していくか,その過程に学びがあります。そうやって学んだことを活かす機会がいつかやってきます。たくさんチャレンジして学びを広げ・深めていきましょう。

2024年11月10日日曜日

【宮古市連合音楽会】小学生の可能性は無限大!

  11月8日(金)に宮古市民文化会館で宮古市連合音楽会の小学校の部を,じっくり集中して聴いてきました。というのは講師を頼まれたからです。講師として主にやることは①各校へのアドバイスを書く、②閉会行事で会場の全員に「講評」を話す、といったことです。そのためには伝える内容や表現を考えながら集中して聴かなければなりません。

 午前中に8校、午後は7校の計15校が出場しました。山田町からも来ていました。田野畑村からは(前日実施の中学校の部には来ていたようですが)参加はありませんでした。もちろん10月に出前講座③でおじゃました学校も出場していました。

 多くの学校が3・4年生で合唱2曲という構成で,合奏を取り入れているところは少なく数曲だけでした。いずれの学校の子どもたちも一生懸命に歌っています。この日までたくさん学習に取り組んできたのでしょうね。「連合音楽会のステージに立つ」という経験は子どもたちの生涯においてとても意義のある経験だと感じます。

 演奏について。合唱はほとんどの演奏で同じ傾向でした。それは「最高音で声が変わって響きが伸び,低い方では会話発声になっていてハモらない」という傾向です。そこで「上の響きが良いので,それを下の音域でも使えるようになると2部合唱が溶け合いますよ。」とアドバイスしました。「ハモるためには音程の正確さだけではうまくいきません。溶け合う音質(声質)も関係しています」と。


 合奏では多くのパートがある中,自分のパートをしっかりと覚えて演奏していました。こちらも「自分のパートはしっかり覚えて間違えずに音を出していて,それを合わせている。」という傾向です。そこで「①自分のパートの音高とリズムだけでなく『音質』も吟味してみましょう。」とアドバイスしました。また「他のパートが何をやっているか聴いて感じてみましょう。」と。一つの音楽世界をステージに(会場に)つくるわけですから,自分の音は全体の中のどこにどんなふうにはまるとよりよくなるのか,と考えることができるようになると合奏(音楽)をより楽しめます…そしてそれは学級での暮らしや身の回りの人との人間関係にも言えることなのです!

 久しぶりに大勢の小学生の前に立ち,また大勢の小学生の活動・頑張っている様子を目にして,「小学生の可能性は無限大だ!」とあらためて感じました。日々接していると見えなくなることが多いのですが。今後の小学校生活はもちろん,これからの長い人生で音楽に親しんでいってほしい,そのための環境を作ることが年寄りの仕事だ,と思いました。先生方の日々のご努力に敬意を評します!

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