2024年5月27日月曜日

日本声楽発声学会第114回例会:より実践的なヒントがたくさん!

  5月26日(日)東京の上野にある東京藝術大学で日本声楽発声学会第114回例会に参加しました。前回の第113回例会は昨年の11/26その前の夏季研修会&歌の集いは昨年の8/23&24さらにその前の第112回例会は6/4と,昨年は毎回参加してきました。10時前から始まる会に日帰りで行くために,始発新幹線(6:10盛岡駅発)に乗りました。新幹線通勤の9年間ほぼ毎日使っていた列車ですが,2ヶ月ぶりに乗りました。4:30起きは大変ですね。


 研究発表はお茶の水女子大学基幹研究員の林いのりさん「歌劇《シモン・ボッカネグラ》における「朗唱風の歌」と、19世紀後半のイタリアにおける「演劇的な抑揚」の関連性」というテーマでした。イタリアオペラの変遷(アリア(歌)&レチ(語り)→アリアは非定型に&レチは朗誦に。区切りがなくなっていく)と,その分朗誦調のレチを「演劇的な抑揚」で歌えることが求められるようになったことが新聞批評等からわかるとのこと。

 午後の2時間の特別講演は,大阪芸大講師の高橋純さん。「声楽発声と科学」がテーマで,rialtime MRIやフォルマント分析を駆使したわかりやすい研究でした。項目や言葉だけではわからないと思いますが…
・「自然にできることは、自然にできなくなる」…裏を取りたい→科学
・歌声 音響的特徴 生成の仕組み 心理的特性(主観評価実験)
・歌声 エネルギー→ソース→フィルタ…SF理論
・フォルマントの性質
 第1、2フォルマント…母音生成
 第3フォルマント以上…音色  → 母音は音色
・第3フォルマントは楽器に消されない
 シンガーズフォルマントの「占有率」(同じエネルギーをどこに集中させるか)
・「i」は第2フォルマントが高い
・高音では頸椎が後弯する
 テノールは口頭が下がる、ソプラノは口頭が上がる(第1フォルマントはF0…?
・背側の横隔膜を使えるようにしていく
・フォルマント占有率のソフト

 こんな内容でした。

 その後の現役声楽家の演奏とお話しでは愛知県立芸術大学のテノール、小原啓楼さん。テーマは「「発声技術から考えるベルカントへの視座」〜近代以降のテノールに課せられたアクートの成り立ち〜」です。力強い高音の「アクート」についてお話と実演を聞かせてくれました。
・カルロ・ベルゴンツィは「息の上で歌う」と言った
・喉を開いて、輪状甲状筋を使って声帯を引っ張る+息を流す
・ファルセット=ファルス(うそ)の声
・変声について
 子ども→女声…声帯が1.5倍に伸びる&厚くなる(男は2倍になる)
・子ども…ファルセットで息を流すと、すぐにできる(ex.八千代少年少女合唱団)
・口を開けすぎないために「i」で歌う。Iの上にアやエを載せる
・「口蓋はん」(ひだ?)
・ファルセット→ファルセットーネ(ミックスヴォイス)→実声
 輪状甲状筋を使う→腹の支えが「使われる」
・上を向いて高音を出し → そのまま前を向いて声を出す。

 ほぼ1日,東京での研修会で疲れはしましたが,毎度のことながらとても刺激的な内容で,消化不良なくらいの新情報でした(レジュメもこちらにあります)。これからの活動に生かして,皆さんにも還元できればと思っています。

2024年5月25日土曜日

【山響アマデウスコア】阪マエストロは…速い&軽い

  5月24日(金)は14時に盛岡を発って18時から山形市出羽コミュニティセンターで行われる,山響アマデウスコアのマエストロ練習に行ってきました。ちなみに帰宅は23:30でした。


 山響アマデウスコアは山形交響楽団の附属合唱団で,音楽監督が盛岡在住の佐々木正利先生です。そこで盛岡からは「熊友会ヴォーカルアンサンブル」として長くご一緒させていただいています。この日の練習には50名ほどが集まりました。そのうち盛岡組はソプラノに1名,アルトに1名(ソリストだ!),テノールが4名でした。

 曲は6月15・16日山形テルサで本番の,Mozart作曲《戴冠ミサ》です。その後,6月20日は東京オペラシティ6月21日は大阪座・シンフォニー・ホールで「さくらんぼコンサート」でも歌います。

 阪マエストロの指揮で歌うのは初めてでした。とにかくテンポが速い。そして音楽の運びが全体的に軽い。少しでも深くなったり留まったりすると,「それは不要」となります(もちろん,一つ一つを丁寧にできているからこその要求なのだと思います)。同時にフレーズを大きく見ているので,細部よりも音楽の進む方向や構造からくる表現を欲しがります。「そういう見方があるんだ。そう見ることでこう表現できるんだなぁ。」などと,ヒントになることがいろいろありました。

 本番はドイツ演奏旅行から帰ってすぐなので,体調を整えて臨みたいと思います。6月は盛り沢山で楽しみです。

 ちなみにこの日の練習ではベートーヴェンの第九の合唱も練習しました。こちらは7月21日にやまぎんホール(山形の新しい県民会館)です。楽曲やオケはもちろん,指揮者も会場も興味があるのですが,先に予定が入っているので出演は難しそうです。残念。

【宮古木曜会合唱団】今シーズン初!

  5月23日(木),午前中にセミナー・サポートに参加した日,気温がグングン上がる中,宮古に向かいました。19時からの練習に間に合わせるには17時頃に盛岡を出ればいいのですが,帰宅ラッシュにかかるといやなので16時に出発しました。日中にR106を東進するのは久しぶりでした。初夏の樹木に咲く白い花(名前はわからない)がたくさん咲いていて,とても良い香りが車内にまで入ってきました。

 1時間ほど早く着いて,どうしようかと思っていたところに宮古にいる元同僚から突然のLINE。「行ってみようか」ということで職場にお伺いしたら,新しい仕事(11月上旬)をひとつ頂けました!ありがとう!

 19時の山口公民館にはS1,A2,B1の4名しかおらず,(盛岡某高音楽部でやっているように)ピアノの周りに集まってもらって練習を始めました。これまでも音取りは進めていたとのこと。ありがたいものです。「Deep river」はおおよそ歌えてはいましたが鼻歌だったので,楽器をよく鳴らすことをまずお願いしました。「黒人霊歌」ですし。変ホ長調で転調なしですので(例によって)移動ド唱法で音や和音の機能を感じてもらおうと思ったのですが,久しぶりのことのようでうまく行かなかったので宿題としました。Victoriaのモテット「Taedet animam meam」は機能和声以前の世界に慣れていただきました。「O Musica」は1回の通しだけ。最後にMozartのKV220は,移動ドにチャレンジしてもらって,途中まで音を出して終わったという感じでした。

 定期演奏会の期日(そして場所も)未定ですが,第42回の開催に向けて今シーズンも動き出しました。おおよそのステージ構成は,第1部がアカペラ(でラテン語,日本語,ドイツ語など)で数曲,第2部がMozartの「ミサ・ブレヴィス」Kv.220,第3部がポップな曲を集めたステージとなりそうです。決定の際にはお知らせしますので,宮古までぜひ足をお運びください。お待ちしています。

2024年5月24日金曜日

【盛岡某高音楽部】公開レッスンはよい機会

  5月23日(木),暑くなった日の午前中,県民会館の中ホールで,岩手県高等学校文化連盟主催の「セミナー・サポート」という名称の公開レッスンに参加しました。70分間の設定でした。

 前のコマではK高校音楽部。指導の先生曰く「音取りしたばっかり」とのことでしたが,混声でヴィクトリアのモテットをとてもきれいに合わせていました。旋律の歌い方とかハモらせ方などを教わっていました。早めに着いた我チームも,発声練習なんかするよりまずはそのレッスンを聴くように伝えました。音楽は聴いて学ぶのが基本です。

 私たちは女声でヴィクトリアのモテット。詩情をたっぷりと歌おうと思って発声に無理が出ていることを指摘され,早いテンポ&音の立ち上がりを引き締める(アタックする)方法で,声質&音程の改善およびハーモニーの良さを回復しました。同様にメリスマ部分も粒を出すようにスタッカートで歌う「逆練習」もしました。声の使い方については,声を「フル」「半分」「1/4」と調節して使う感覚にチャレンジしました。

 加えて「音感」の指摘もされました。和音の中の音を聞き取る力を育てることで耳の感覚を豊かにする方法を教わりました。「inner hearing」あるいは「audiation」の能力が十分でないのは移動ド唱法ができないことからもわかっていたので,今後の訓練が必要だと感じました。

 講師の先生の要求に応えて音楽がすぐに変わっていきました。「伸び代がある」し「柔軟」だということです。そこを評価して返しました。7人でも堂々と表現できるんですね。素晴らしい!定期演奏会は7月13日(土),同じく岩手県民会館の中ホールです。ぜひ聴きにいらしてください。

2024年5月22日水曜日

【盛岡某高音楽部】練習会場の「響き」は大切

  5月22日(水)の午後,盛岡某高音楽部の指導に行ってきました。この週は火曜日と水曜日だけ。木曜日は19:00からの宮古木曜会合唱団の今シーズン初練習に行くために部活には行かれませんので,木,金,土,日,月と5日間も空ける前最後の練習となりました。また木曜日の午前中には「セミナー・サポート」という(なぜそう呼ぶのかは不明)講習会というか公開レッスンがあるので,その前最後の練習ともなりました。

 翌日岩手県民会館中ホールで行われる「セミナー・サポート」ではVictoria作曲の「O vos omnes」のレッスンを受けます。これまでの練習では,「一生懸命歌っているけど,どうもルネッサンスの教会音楽的な響きにならないなぁ」と思っていました。そこで,普段練習している音楽室でなく響きのある普通教室で歌ってみることにしました。音楽室は絨毯敷きで響きがデッドすぎるのです。

 空き教室に移動して8名全員で「O vos omnes」を歌ってみました。すると,思った以上に声が出ていて,普通教室が狭く感じるほどでした。どのパートも(おそらくどの子も)身体を使って音を出すことに慣れてきたのだと思います。荒削りでしたがしっかりと音を出していたので,①聴き合ってハーモニーを作ること(特に同度,8度,5度),②発声の都合で母音を変えない(喉や顎に力を入れない)こと,を基本的なポイントとして歌いました。

 その上で,各パートの要所を取り上げてレッスンしました。1声で旋律の運び方を,2声で響き合いの感覚(そのための聴くポイントと母音への注意)を,3声で和音の作り方(特に第3音の役割)を実演しながら伝えました。言葉で言うだけでは変わらないので,理論(理屈・理由)を理解させ,やって見せることで聴かせ,真似させる,ということの繰り返しです。前日のMBKVのパート練習でのパートリーダーのレッスン(の厳しさ)が活きていたように思います。また,「やって見せる」には女声の音域を出さなくちゃいけないのですが,ファルセットである音域までは出せました。これも前日のMBKVでのOK先輩による発声練習が活きています。

 そして合わせてみたらなんと,ルネサンスの教会音楽っぽい響きになって,破綻なく音楽が進んでいきました!途中で止めるのがもったいなくて止められないほどでした!

 普通教室の響きに助けられて,一人ひとりが無理に頑張ることなく伸び伸びと声を出せたので,声に響きが増し,音楽の動きが柔軟にできたのだと思います。

 その後に音を出した「ほたるたんじょう」でも音楽の伸び縮みに柔軟に対応できました。この日(今日)はなんだか充実感をもって終わることができました。明日はいよいよ初の公開レッスン。ルネサンス音楽のためには響きのよくない県民会館中ホールですが,指揮しない「O vos omnes」で音楽を響かせてきたいと思います。高校生諸君,ともにがんばりましょう!

【MBKV通常練習】久しぶりのパート練種

  5月21日(火)の夜,午後の盛岡某高音楽部の指導の後,盛岡バッハ・カンタータ・フェラインの通常練習に行ってきました。舘坂橋教会です。日曜日(5月19日)の強化練習で,各パートとも先生から様々な改善点が指摘されたので,それの克服すべく4つの部屋を借りてパートごとに分かれて練習に取り組みました。フェラインとしては久しぶりの一斉パート練習です。

 テノールは4〜5名でした。「a」の母音になると音質が下がる,というか使えない音になる…これを改善すべくパートリーダーのNM君が指導してくれました。先生から指摘されたところだけでなく共通する様々な箇所を取り上げ,1音1音を手本を示して歌わせて評価し,何度も粘り強く取り組んでくれました。

 ちょっと気を抜くと「楽な発声法」に陥ってしまって,音質が犠牲になります。音量も大きくなったり,ディクションも乱れます。かといって発声のことだけを考えて歌っていると,歌の内容がなくなります。声楽的に充分に訓練されてきていない者にはとても難しい「運動」なのですが,これができなければドイツまで行って招待に答えてライプツィヒのプロの演奏家と一緒にバッハを歌う意味がありません。

 十分にできるようになったとはまだまだ言えないので,各自で練習を重ねて次週のレッスンを迎えることになりました。せっかくの演奏機会ですから,「日本人が頑張って演奏しました」というレベル(意識?)の演奏でなく,ドイツ人の期待するバッハの音楽,いやそれ以上の音楽を演奏したいと思います。通常練習はあと1回。より良い音楽を目指して練習しましょう。

2024年5月18日土曜日

【ZホールF合唱団】⑦初パート練習!

  5月18日(土)の午前中,奥州市にある奥州市文化会館Zホールで,福井敬ふるさとコンサートに向けた特設合唱団の7回目の練習を行いました。事務局によると今回で半分終了とのことでした。晴れた朝7時に盛岡を出発して9時からの練習に辿り着きました。

 今回の合唱団で初めてパート練習を行いました。パートといっても(スタッフ不足のため)女声と男声の2つに分かれてです。前回までは全5曲の概要を掴むこと,そして合唱や音楽する時に大事なことを皆さんにお伝えし,共通に理解してもらう時間としてきました。その中で,しっかり歌える曲とよく歌えない曲が出てきました。「よく歌えない」ということは「よく歌いたい」という気持ちがあるから感じること。そこでそれに応える機会としてパート練習を今回設定しました。

 難しいのは混声四部合唱の《夏の思い出》と早口のイタリア語の《乾杯の歌》です。3時間の練習時間のうち,中の1時間半程度をパート練習にあててみました。全員のケアはできませんでしたが,大方歌えるようになり,最後のtuttiの時間はどのパートも聞こえるようになってきました(前回まではあまり聞こえないパートがありましたから)。

 また,今回はZホール児童合唱団の指導担当の先生も1名来てくださったので,音楽作りの方向をつかんでいただけたと思います。頼もしい限りです!

 そうそう,発声については,前回(⑥回目)の講座でお伝えした身体の仕組みをイメージしながら実際に身体を使って音を出すことをやってみました。皆さん良い音が出ていましたよ。

 次回は5月26日(日)の午前中,9時から12時です。私は日本声楽発声学会の例会に学びに行くのでお休みですが,オペラバリバリの佐藤智恵子先生がご指導くださいます。お楽しみに!

注目の投稿

【宮古木曜会合唱団】ピアノ伴奏は音楽のイメージを与えてくれます!

 8月6日(木)の夜,宮古木曜会合唱団の通常練習に行ってきました。この日の宮古は盛岡よりも最高気温が高く33度もあったようで,夕方になってもモワッとした暑さが残っていました。  発声練習では横隔膜を意識してもらうために,①胸郭広げ(=横隔膜広げ),②鳩尾押し返し,③押し返しながら...

皆が読んでる!