2023年6月14日水曜日

【演奏会・聴いてきました】オペラ『黙示録』(2023. 6. 14 トーサイクラシックホール岩手)

  寺山修司没後40年を記念して,オール盛岡のスタッフでの新作オペラ『黙示録』を岩手県民会館の中ホールで鑑賞してきました。作曲は長谷川恭一さん,音楽監督は小原一穂さん,演出はおおしだまごさん。歌い手は盛岡の皆さんで,一緒に音楽活動をしてきた仲間の方々です。伴奏はピアノと弦楽四重奏でした。

 日本語がとても明瞭に伝わってくる声楽陣,難しい曲を声楽とぴったり合わせる器楽陣,そして照明,衣装,小道具,演出…と,サイズは小さいながらとても丁寧に作り込まれたオペラでした。演劇の街盛岡,音楽の街盛岡,を結集したようなステージでした。

 楽曲が出来上がってから1ヶ月もなかったそうですが,歌い手の皆さんは難しい歌を完璧に覚え(なんと1時間40分の楽曲です!!),アンサンブルし,キャラクターが明瞭に伝わるよう演技し,場面の転換まで迷わず無駄な(集中を欠くような)動きなく舞台を作り上げていました。こういう方々と普段から音楽活動を一緒にできることの素晴らしさを,あらためてかんじました。

 寺山修司の作品のテーマは…難しく感じました。ほとんど読んだことがないからです。でも十分に楽しめました。

2023年6月10日土曜日

【第8回・報告】合唱音楽研究会奥州:求めるもの

  本日(6月10日(日))水沢教会にて,合唱音楽研究会奥州の8回目の活動を行いました。参加された方はおおよそソプラノ16,アルト16,テノール1,バス2でした。

 発声では先日の日本声楽発声学会での学会長である川上勝功(まさのり)さんの発表を参考に,体を管楽器に見立てること,その管をどの音域でも良く鳴らすように息を流すこと…などにチャレンジしましたが,実際に指導にあたってみると自分がよくわかっていないことがよくわかりました。さらに勉強を重ねます!

 その後,まずメンデルスゾーン作曲の賛美歌を日本語で歌うことで,①音符を歌うのではなく息を流すこと,②言葉を生かすためにまとまりを感じて重さの差を作ること,③移動ド唱法への慣れ,④音の理解&記憶のためのいくつかの方法(A機能和声に位置付ける,B音程感覚を覚える(Choruebungen),C絶対音感)を知ること,⑤聴きあってハーモニーを作ることの大切さ,などを体験してもらいました。

 メインは「モツ・レク」の「Lux aeterna」t31以降を,前回に続いて再び取り上げました。Allegroは難しいのでゆっくりとです。第1テーマ,第2テーマ,その他を歌いながら再び確認し,おおよそ歌えたところで「この曲は一応OK」にしようとしたら,なんと,「もっとしっかり歌えるよになりたい!!」という多くの声。そこで休憩を挟んで,楽曲の後ろの方から纏まりごとに全パートについて音を確認しました。そこから1時間,何度も繰り返しながら,やっと納得のいくレベルまで練習できたようでした。

 こうして「一応最後まで見通せた」状態になり,その後は「モツ・レク」後半の最初「Domine Jesu」および「Hostias」にもどって思い出すために歌いました。

 「もっとしっかり歌えるようになりたい!!」いうほとんどの方の希望,これは皆さんが何を求めてここに集まってきているかということを示しているのだと思い,感心しました…というか私は反省しました。【よりよい音楽】という原点を一瞬忘れてしまっていて,楽に楽しめる活動に傾きかけていたのでした。

 次回は7月15日(土)今日と同じく水沢教会で9回目の活動を行う予定です。あと5回くらいで10月15日(日)の「胆江合唱祭」という当会発の本番の機会となります。次回には10分程度のプログラムを確定して,まずはそれらの曲に取り組もうと思っています(今のところは,「Domine Jesu」と Bachの「Jesus bleibet meine Freude」を考えています)。男声の男性をたくさんつれてきてくださいね!!!!

 明日は宮古木曜会合唱団の強化練習です。また発声についてチャレンジしてこようと思っています。

2023年6月7日水曜日

日本声楽発声学会第112回例会

  6月4日の日曜日,日本声楽発声学会の例会に行ってきました。場所は東京上野の東京藝術大学です。盛岡6:10発の始発(いつもの通勤列車)に乗ると9時前には上野に着きます。帰りは上野17:50発だと20:00頃に盛岡駅に着きました。

 Aは研究発表が2つ。学会長でもある川上勝功(まさのり)さんの「発声の基本はIt is easy !!」。息の通り道を「管」と感じて,あとは「筒を鳴らす」感覚,「透明な声」。どんなに高くても胸声が入っていること・どんなに低くても統制が入っていること。咽頭を下げると声帯が薄くなり省エネで鳴らせるようになること…など先日のOコンサーマスターのレッスンのことやら普段の合唱活動で実践していることについて整理していただいた感じでした。
 もう一つは盛岡や山形でご一緒したこともあるバリトン歌手の小森輝彦さんの「歌唱発音の勧め」。声と母音とをあえて分けて考えることで,脳内の処理のことや日本人のメンタリティーの影響などが見えてくるといった説明と,子音のマネジメントの実例による言葉の表現力の違いの聞き比べなどでした。これも先日の学会通信の延長にある話でした。

 Bは特別講演。2時間にわたって「舌の変形による声道形状と共鳴の制御」と題して千葉港号大学の竹本浩典教授の,刺激的な講演でした。舌の構造からリアルタイムMRIによる歌唱時・発音時の声道形状の様子の動画,声帯振動と共鳴による母音生成の仕組み(の模型を使った実演!!)など,知りたかったことをたくさん見せてもらうことができました。

 Cは現役声楽家の演奏とお話で,約1時間,テノール歌手の山本耕平さんの,発音処理に関するお話と,イタリア語,フランス後,ドイツ語,日本語の歌の演奏でした。常に輝かしい音色と明瞭な発音,そしてそのためにどういう点に取り組んで練習しているのかといった話も聞けました。

 一日一杯,咀嚼しきれないくらい「声楽発声」について知り,考え,学ぶ時間となりました。これからの活動に少しでも繋げて活かしていきたいと考えています。

2023年5月29日月曜日

【演奏会・やりました!】声楽発声の原理を再確認

  盛岡バッハ・カンタータ・フェラインが「ライプツィヒへの旅 Vol. 3」をやりました。
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日時:令和5年5月21日(日) 14:00〜
場所:岩手県公会堂大ホール
演奏曲目:BWV27,BWV140
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 今回もコラール・カンタータ的な作品を2つ取り上げ,佐々木正利先生のレクチャー付きで,多くの会員がソリストを担いながら演奏しました。合唱は40数名,ピアノとオルガンの伴奏付きでした。入場者数は135名との発表がありました。会場の岩手県公会堂大ホールは2度目の使用。山台を3段組もうとしたら箱が足りないなど,ちょっと残念なところもありますが,何より歴史的建造物,岩手県の登録有形文化財とのことで,昭和初期の趣の残る建物です。友人のK氏が建物脇で曰く,「ドイツの教会での演奏会を控えている時みたいだね」。なるほど!

 演奏はもちろん楽しんでできました。本番で聞くレクチャーも大変ためになりました(もちろん,無料で配布された24ページに及ぶ「鑑賞の手引き」も)。でも今回最も強烈だったのは,我が1steコンサート・マスターのOK氏の発声指導でした。発声に関わる生理学的なことに加えて,声や言葉の文化論的な視点,さらに歌うことについての心理学的な視点からもアプローチされた,非常にためになる発声練習でした。日本生学発声学会の「学会通信第49号」に理事の小森輝彦さんが書いている「赤ちゃんの声」と題した記事と通じる見方・考え方でした(簡単に文字にして表現することはできません…)。

 喉が解放されていて,流れる息に音が乗って無理なく響いていく感じ!これからの指導に生かしていけるようさらに学んでいこうと思いました。

 第4回の前に,11月5日(日)に「H.ヴィンシャーマン・メモリアルコンサート」を盛岡市民文化ホール大ホールで開催します。オーボエの印象的なカンタータ3曲(BWV27,93,104)です。久しぶりのバロックオーケストラとの共演です!ぜひ聴きにいらしてください。

2023年5月23日火曜日

宮古02:発声の難しさ…響と息の流れと

  今シーズン2回目の練習は,5月14日(日)の強化練習から4日後の18日(木)の通常練習でした。19:00〜21:00に宮古市の山口公民館でした。19:00練習開始に間に合うようにするには,職場を16:40の勤務時間終了後すぐに宮古に向かわなければなりません。なにせ改良されて快適な道路になった立丸峠経由でも130kmほどありますから。なのにこの日は会議がのびて…

 発声練習では息が浅かったり喉や身体の空間が狭かったりで,響の少ない声が多く聞こえてきました。日曜日にやった骨盤の角度や息の流れを意識させようとしたのですが,難しいものでうまく変えられませんでした。日曜日に続いての練習でしたから,私の完敗です。それでも「夜はお疲れかな?」と,歌いながら回復するのを待つことにして楽曲の練習に入りました。

 初めはテノールがいなかったので,パレストリーナのモテットから復習です。音取りはほぼ終えているのに音楽が生きないのです。どうしても音符が見えるような歌で,レガートさが足りません。「一筆書きの息」が使えないし,そもそもそれを支える腹が働いていません。

 続くモーツァルトの"Laudate Dominum"。日曜日にやったことを思い出した,って感じでした。そしてバッハ のF-Durミサから"Kyrie"。テーマを歌い継ごうと思ったら,様々に変化するテーマを思い出すのに一苦労でした。

  ソプラノ3,アルト4,テノール1,バス2名。2時間の練習では身体や気持ちが音楽モードに入った頃に終わってしまいます。もう少し時間が欲しいと思いましたが,まずは教材研究を深めて指導を工夫するのが先決です。3月17日に向け,今シーズンも月2回でがんばります!

2023年5月15日月曜日

宮古01:強化練習は移動ド階名唱とハーモニー

  5月14日(日),宮古の「うみまちひろば」(元の宮古警察署)の2回会議室で,宮古木曜会合唱団の今シーズンの最初の練習をしてきました。3月5日に第40回記念定期演奏会を開催して前シーズンが終わり,それから2ヶ月ほど置いての新シーズンの開幕でした。
 ソプラノ2名,アルト6名,テノール1名,バス3名のご参加でした。会場は会議室,まっ平の壁もあり(これは,横隔膜を下げる方向を体感する発声トレーニングに有効でした),ビンビン響くので,合唱練習には最高でした!

 第41回定期演奏会は3部構成で,第3部はSS君の指揮で『蔵王』です。第1部はSS君の選曲で(指揮は私)合唱曲のポップなものを数曲集めたステージです。

 第2部「宗教音楽の世界 〜ポリフォニーからホモフォニーへ〜」と題して4曲集め,本日は主にこの4曲の「音出し」でした。音出しと言っても宗教音楽は馴染みがなく難しいので,どの曲もまずは聴いて馴染むところから始めました。

1.パレストリーナ作曲のモテット「Heu miki, Domine 主よ,救いたまえ」
 ラテン語の作品です。カワイ出版の楽譜は調号がない調(?)で書かれているので,まずはそのまま階名唱での初見大会をしました。とてもよい響きの部屋でしたので,楽に豊かに響き合い,ルネサンスのポリフォニー音楽らしいハーモニーを楽しむことができました。歌詞をつけて歌い出した途端にまったくハモらなくなったので歌詞つけはすぐやめましたが…。
2.モーツァアルト作曲ヴェスペレKV339から「Laudate Dominum」
 ソプラノ・ソロはもちろん器楽も合唱も美しいこの曲は,ヘ長調で書いてあります。移動ド唱法での初見大会(もちろん無伴奏)です。1,2小節苦戦したところはありましたが,ほとんど音は取れたので,「Gloria Patri …」の歌詞をつけました。大方出来上がりです。
3.グリーグ作曲のモテット「Ave, maris stella」
 こちらは,歌い出しがト長調,中間部がロ長調でまたト長調にもどるで,その部分部分で読み替えながら,全員で全パートを声に出して(響きにも譜面の読み方にも)慣れるようにしてみました。これも転調部分を除けばだいたい音がとれました。div.が思った以上に多いので,今後の工夫が必要です。
4.バッハ 作曲のルター派ミサ曲F-durから「Kyrie」
 そしていよいよバッハです。バッハ 作品の中でも①歌詞が簡単,②メリスマが少ない,③和音が難しすぎない,という点で選んだのですが,やはりハードルは高そうでした。そこでまず,全てのパートに出てくるテーマを全員でさらいました。「次のテーマは何小節?どのパート?では歌ってみましょう」ってな具合に6小節くらいずつくらい音を出して,その後はテーマだけをリレーして歌っていきました。これで骨組みはできました。

 次回は5月18日,今週の木曜日に職場から宮古に向かい19:00-21:00山口公民館で練習して盛岡に帰る270kmコースです。バッハ の細部の音取りか?パレストリーナの歌詞付か?様子をみながら,貴重な練習の機会を使っていきたいと思います。 

2023年5月13日土曜日

【第7回・報告】合唱音楽研究会奥州:フーガ&メリスマの難しさ

  5月13日(土),14:00から,第7回の活動に取り組みました。会場は日本基督教団水沢教会(水沢保育園の隣)でした。良いお天気で出足が良く,29名集まりました。ピアニストはEさん(お忙しい中ありがとうね)。そして今日はテノールが2名!倍増です!

 発声練習では鼻腔や咽頭上部を開けることを意識するために,私の首の後方を触ってもらって筋肉の動きを感じてもらいました。おかげで結局私のトレーニングになりました!

 突然でしたが,声出しを兼ねてメンデルスゾーンの賛美歌「Hark! The herald angels sing」(Weinachtshymne)を歌いました。加えて「移動ド唱法」についても簡単に説明しト長調の楽譜でチャレンジしました。主旋律を何度かさらって慣れたあたりに四声体の合唱部分に突入したのですが,皆さん結構すんなりと移動ドで階名唱していました。その後『賛美歌21』の第262番,こちらはヘ長調(で編曲も結構ちがっていたのですが)ながら調性感覚を活かしてすんなりと階名唱できました。調整音楽は機能和声のしくみと感覚がわかると音楽を把握しやすくなるので,そういったトレーニング(慣れ)も重ねていきたいと思っています。実はヨーロッパの人たちは教会の礼拝での賛美歌などを通して子どもの時から慣れ親しんでいるんですよね。

 続く「モツ・レク」。今回は復習なしで,予告していた「Lux aeterna」からすぐ始めました。
 ソロの後から30小節までの短い中に様々な構造のパターンがあるので,まずはその構造を掴み,それに応じて練習しました。
・t25-30はソプラノがリードするホモフォニックな展開
・t22-24は各パートがそれぞれの音形を3回積み重ねながら下降
・t8-14はソプラノが定旋律,男性は2声で和音作り,それにリードされながらアルトが追いかける
 と,歌いやすいところをさらってから,短いながらt16-21部分に取り組みました。ここはフーガ&メリスマで最も苦手とするパターンです。第1テーマと第2テーマを確かめ「これらの主役がしっかりかつ同じように聞こえること。後は出しゃばらないこと」と整理してみたら,案外すんなりとご理解いただけました。
 ここまでやってからt31からのAllegroのフーガに取り組みました。ここもt16-21と同様にまずは第1テーマ全てを確かめ歌ってみました。その際に各パートの入りの調や入ってくるタイミングなどを検討することを通してモーツァルトが音楽の緊張感を高めていった手法・意図を読み取ったりもしました。第2テーマでは第1テーマとの呼応関係も確認しました。

 テーマ以外のところには手をつけられませんでしたが,本日はここまでとし,復習として「Agnus Dei」「Sanctus」「Hostias」の音を出しました。「Osanna」は予想通り…でした。また次回,歌い慣れていきましょう。

 本日は新しく2名の方がいらっしゃいました。ソプラノで先に参加していらしたSさんの旦那様は盛岡から,そして大学合唱団の後輩のEさん(30数年ぶりにお会いしました!)は一関からと,広がることは嬉しいことです。
 また10月15日(日) の胆江合唱祭への参加についても賛成いただき(提案時に拍手もありました),発表機会の具体的な目標も見えてきました。

 次回は6月10日(土),今日と同じ水沢教会14:00〜17:00です(そして,今日と同じで宮古レッスンの前日です)。最後のフーガをしっかり歌えるように練習したいと思います。1ヶ月間,健康に気をつけて(コロナはまだまだ身近にあります)過ごしましょう。皆さん,またいらしてくださいね(男声を連れて!)。

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