先日ご案内していた《ヨハネ受難曲 第2稿》演奏会の2つの本番が終わりました。「2つ」というのは,ご案内していた盛岡公演の3日前に同プログラム,ほぼ同メンバーで仙台公演を行なっていたからです。
4月13日(日) にはその仙台公演の会場で仙台宗教音楽合唱団とピアノによる合同練習をおこなったことは以前に少し触れましたが,仙台では4月26日(土)の本番に向けてその2日前からリハーサルが行われました。(アーバン号往復のカプセルホテル二泊三日の生活でした。)
4月24日(木)は本番の会場で11:00からレチ,つまりレチタティーヴォとコンティヌオ(通奏低音)の合わせ,14:00から器楽の合わせ,18:30からテュッティ(合唱も含め全パートの合わせ)リハーサルでした。初日だったためか合唱も器楽もコンティヌオも音楽の方向がぼやけている感じで音が溢れている感じでした。
25日(金)は(本番の会場が借りられず同じ建物の)交流ホールで午後に器楽の合わせ,夕方にテュッティでした。次第に音楽の方向性が定まり息遣いが揃ってくる感じがしました。
26日(土)は11:00からG. P. (ゲネプロ),14:00開演のスケジュールでした。お客様はほぼ満席,うらやましい!盛岡や奥州からも聴きに来てくれていました。3日間の合わせで一つの方向にまとまっていく様子…というかまとめていく指揮者の佐々木正利先生のエネルギーと方法を実地で学び体感することができました!
2日間間を開けて迎えた4月29日(火・祝)は盛岡市民文化ホール大ホールでの盛岡公演でした。8:30頃にはオルガンとチェンバロの搬入,山台組みに取り組み,10:00合唱団集合でG. P.,15:00開演でした。仙台公演を経験しているのは8割くらいではありましたが,やはり違った音楽になりました。(合唱や器楽で残念ながら事故が仙台公演より多かったように思います。私自身は集中力が途切れたというか初回ほどの緊張感を保てなかったというか…)。満席には遠かったけれども6割くらいのお客様の入りだったように思います。
聞いていた知人ら曰く,合唱が飛び抜けてよかったとのこと。(字幕が出たのですが)字幕を見ながら聴いていると表現している感情が歌からとてもよく伝わってくる,ドイツの教会で聞いた演奏の響きを思い出す,合唱が群衆になったりコラールになったりする変化がすごい…。練習時には先生から「言葉が理解されなくても音で伝わるようでなければいけない。」と声楽の基本の基本を徹底的に指導されたので,嬉しく思いました。
もう一つ嬉しかったことは聴きにきていた山響アマデウスコアの代表のOさんからレセプションの時に「一緒に聞いていた音楽評論家の方が『プログラムに載っている「鑑賞の手引き」の楽曲解説を書いてる人はどんな人?』と興味を持っていたよ。」と教えていただいたこと。「受難曲」「バッハ」「聖書」「バロック」「ドイツ語」…と高いハードルになりそうな要素満載の演奏会なので,初めて聴きにきた中高生に理解してもらえることを目安に「鑑賞の手引き」を(ほぼ毎回のフェラインの演奏会で)私が書いているので,演奏でない部分でも「いいな」と思ってもらえた要素があったとすれば嬉しいことです。(本文はまもなく盛岡バッハ・カンタータ・フェラインの公式ホームページの「あゆみ」のページに載せる予定です。ご覧ください。)
当然のことですが,音楽に集中し一つ一つ解決しながら真摯に取り組むことが最も大切なことだと再確認した公演でした。今後盛岡バッハ ・カンタータ・フェラインはカンタータ2曲(BWV10,147)他シュッツやテレマンの楽曲を集めた演奏会を来年11月に,再来年6月には再びライプツィヒのバッハ音楽祭(リンクは2025年のもの)に出演する予定です。新シーズンも「音楽」にきちんと取り組んでいきたいと思います。皆さんもご一緒にいかがですか?
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