2025年8月31日日曜日

【ZホールSP合唱団・19】ついに最後の練習時間 やり残しがなくもないが…

 8月30日(土)(この日は全日本合唱コンクールに出場していたためお休みしました)と31日(日)にZホールスペシャル合唱団の練習があり久しぶりに一人で車を運転して奥州市に行ってきました。この次の練習日は9月6日(土)13:00〜17:00,ステージを使って並びや出入りを確かめながら全曲を通す程度の予定です。従って楽曲については今回が最後の練習時間となりました。

 前半の日本民謡は全部で7曲です。わらべ唄,お座敷唄,仕事唄などなど様々なタイプの唄があります。さらにそれらが合唱曲になっています。そこで,歌いつがれてきた「民謡」のテイストとハーモニーをつくる「合唱」のテイストのバランスがとても難しく,いつも迷いながら音楽をつくってきました。音楽づくりにおけるバランス以前に,どんな発声をすると音楽・作品を生かせるのか,という音色のバランスがむずかしいのです。日本民謡を「素材」程度に作曲に生かしている合唱作品なら合唱のテイストで響きと音楽を作っていけるのですが,千葉了道先生の編曲はほとんど民謡の旋律そのものを使ってそこに和声付けをしているので,迷います。合唱団のみなさんは長い練習期間を経て,いまや積極的に声を出して歌えるようになりました。だからこそこの日もいろいろ迷いながら,落とし所を探りました。

 時間いっぱい使ってなんとかまとめてみました。やり残したことがなくもないのですが,でもはじめの頃と比べるととてもよく歌えるようになったし,とてもよい表情で歌っているように思いました。

 後半はイタリア民謡,こちらも7曲,そして合同演奏2曲です。及川貢先生の最後のレッスンですので,ほとんどの方は暗譜で椅子から立ち上がって指揮を注視しながら歌っていました。ピッチが少々下がり気味なのが私は気になりましたが,及川先生はもっと大きく音楽をとらえて表現を引き出してくださいました。

 女声合唱の練習をしている間,後から見て・聴いていたのですが,この人数(約90名)が声と心を合わせて合唱しているという現実・事実にあらためて驚き,それが奥州市で起こっているということの素晴らしさを感じました。みなさんよくがんばりました!

 本番は9月14日(日)の14:00開演,奥州市文化会館Zホール・大ホールです。みなさまぜひ聴きにいらしてください。お待ちしています。

【盛岡某高音楽部】コンクールは学びの場

 8月30日(土),トーサイクラシックホール岩手(岩手県民会館)大ホールで行われた第77回全日本合唱コンクール岩手県大会高等学校部門に参加してきました。私は昨年初めて参加しました(正確には41年ぶり…1983年の20歳の頃に水沢高校音楽部を指揮して出場しています)。今年は23団体が出場で,出場校の地域的な傾向はほぼ同じですが,1つの高校から2,3チーム出場しているところもあります。これによって金賞枠は増えるのですが,同じ学校がいくつも金賞を取るということも起こります。

 合唱コンクールをどう位置づけて演奏するか,難しいものだなぁと感じました。ステージを見聞きしているうちに「やっぱり腕前を見せる場なんだなぁ…」という気がしてきました。でもだからといって「すごいでしょう!」と思いながら演奏するのは根本的に違うと思います。音楽に真摯に取組むということは音楽する際にはとても大切なことだからです。

 自分たちの演奏の録音CDをもらってきました。ざっと聴いてみたのですが,自分のセンスのなさがもろに出ている感じがしました。重いというか楽しくないというか…。細かいことに拘泥している感じ。勉強が足りないなぁと強く感じました。

 審査の結果,盛岡某高音楽部は銀賞でした。審査員の先生方の講評をいただきました。それぞれ異なった音楽的な背景をもった方なので,それぞれのバックグラウンドが反映されたアドバイスだなぁと感じました。それにしても「指揮者」や「作曲者」は複数人いても「声楽家」がいないのはいかがなものでしょうねぇ…。声楽的な観点は合唱する上でとても大切だと思うのですが。

 高校生は3年生が引退し新しい体制がスタートします。1年間の見通しをもてるように(考査期間明けの)次の部活で話し合って,新しいスタートを切っていきたいと思っています。

【宮古木曜会合唱団】宮古市民文化祭に向けて

 8月28日(木),早朝に夜行バスで盛岡に帰着した日の夜,宮古木曜会合唱団の通常練習に行ってきました。会場はいつもの山口公民館です。参加者はソプラノ4,アルト3,テノール3,バス1と少人数ではありますが大船渡からいらっしゃった方もありました。

 この日は10月19日(日)に宮古市民文化会館で開催予定の宮古市民文化祭の「合唱・器楽演奏会」で発表する楽曲を選ぶために(私にとって)新しい曲の音出しをしてみました。

 まずは《風になりたい》。男声が1パートの混声3部合唱なので,音楽はつかみやすいようでした。大枠を示すことができました。続けて《糸》。こちらは男声が2パートに別れるため一人パートはなかなか難しく,音取りに少々時間がかかりました。

 例年は出入り含め10分弱の割当時間だったと思う(一昨年はこちら)のですが今年は15分に拡張されたので曲数を増やすことができます。一方私が今シーズン担当しているのは「ドイツ語・ラテン語」「無伴奏」といった曲ばかりです。そこでもう一人の指揮者の佐々木駿さんが担当しているポップスの楽曲からも取り上げようということにしました。①前回の定期演奏会のオープニングで歌った《岩手県民の歌》,②日本語とドイツ語の両方で《緑の森よ》,③《糸》,④《風になりたい》の4曲を演奏し,その合間に「団の活動紹介」「団員募集」「次回演奏会の紹介とお誘い」などをアナウンスする予定です。

 久しぶりに合唱器楽合同演奏(全体演奏),そして木曜会ではポップスも振りますのでお楽しみに!

【演奏会・聴いてきました】JOE HISAISI SPECIAL CONCERT 祈りのうた2025


 8月27日(水)19:00〜21:00,東京都新宿区にある東京オペラシティのコンサートホールに,久石譲さんが指揮する「JOE HISAISHI SPECIAL CONCERT 祈りのうた2025」を聴きに行ってきました。副題として「日本センチュリー交響楽団 音楽監督就任披露演奏会」となっていて,8/23愛知,8/25大阪,8/26兵庫,8/27東京というツアーのようです。インターネットのサイトで見つけた演奏会でした。久石譲さんの指揮では2017年12月20日に仙台で《風の谷のナウシカ》や《カルミナ・ブラーナ》を歌ったことがあり,音楽作りが楽しかったのです。また東京混声合唱団も歌うという声楽プログラムなので,今回の演奏会も楽しみにしていました。さらには2022年に盛岡でライヒの音楽を演奏するクロノス・カルテットの演奏会がコロナで中止になり残念に思っていたこともありました。

 プログラムは次の通りでした。
①スティーヴ・ライヒ作曲《砂漠の音楽》
②久石譲作曲《祈りのうた》(映画「君たちはどう生きるか」より)
③久石譲作曲《The End of the World》

 とにかく生でミニマル・ミュージックを聴けた,見られた,体験した!というのが率直な感想です。あんなに複雑な音楽を器楽も声楽も生身でやっていることに驚きました。一方で期待していた「音楽」と思った以上に違ってもいました。「一度は体験したい」けれど「一度で十分」かな…とも思いました。

 東京で19時開演だと帰りの新幹線はなく,宿泊も費用がかかるので,数(十)年ぶりに新宿バスタからの夜行バスを利用して帰り,盛岡駅西口に朝6:300頃に無事帰りつきました。

2025年8月26日火曜日

【岩手大学合唱団】新シーズンのスタート

 8月25日(月)の午後(13:00ー16:00),岩手大学構内の大学会館第5集会室で岩手大学合唱団の練習に参加させてもらってきました。ピアノのない部屋(なぜか管楽器らしいケースが部屋の片隅にある)でしたが,十数名の団員が集まって,新しく配布された楽譜をもとに音取り&合わせ練習を行いました。

 岩手大学合唱団は私が学生時代に大変お世話になったところ。今年度は12月21日(日)に盛岡市玉山の姫神ホールで第71回の定期演奏会一昨年度は第70回昨年度は定期演奏会を開催さずウィンターコンサートのみ)を開催することとなり,その第3部で演奏する楽曲のエキストラの「団友」として参加することになったので,月曜日の通常練習にお邪魔しました。

 今回のステージ(第3部)は「日本人になつかしいドイツの歌めぐり〜名田綾子編をベースにして」(佐々木正利編纂)というタイトル。日本でよく知られたドイツ発祥の歌(「かえるの合唱」「ちょうちょう」「ぶんぶんぶん」…)のメドレーで,歌詞が日本語だけでなく部分的にドイツ語にもなっています。初回は,男声のパート練習では40ページある楽譜のほぼ半分まで音を出しました。でも全体の合わせ練習では15ページくらいまでしか進みませんでした。早い時期に全体像をつかんで「ここが難しい」「この辺は大変そう」などと見通しを持つためにも,なるべく多く音を出したほうがいいことを,コンダクターのTさんにはお伝えしました。

 コロナ禍で人数が大幅に減り,合唱という活動そのものも減り,そんな中でもサークル活動を続けてきた学生たちを頼もしく思うと同時に,当たり前になされてきたことが途切れている現実も見せられたように思いました。活動(練習)がなんだかぎこちなく,形式ばったことが優先されている感じが強いのです。大学生同士ですから一人一人がもっと自由に行動してほしいし,そういう場にしか生き生きとした「音楽」は生まれないのだと思っています。でもそれは,かつては盛んだった仲間と一緒にお酒を酌み交わしながら自己開示する文化(?),コミュニケーションが,今は失われたからかもしれませんし,そうする他にも方法はあるのかもしれませんが。

 これから4ヶ月弱,先生の指導はほぼ毎週月曜日の12回です。学生と交流しながら良い音楽体験の場となるよう楽しんでいきたいと思っています。12月21日(日)の予定は今から確保し,聴きにいらしてください。お待ちしています!

2025年8月25日月曜日

【合唱音楽研究会奥州51】ピアノ伴奏はいいね!でも「楽チン」は禁物です!

 8月24日(日)の午後,奥州市の水沢南地区センター音楽室で51回目となる合唱音楽研究会奥州の活動に取り組みました。前回は8月9日でしたから約2週間ぶりです。猛暑のせいか参加者はいつもより少し少なめでしたが,テノール2名,バス3名と男声陣は充実していました。

 初めの発声練習では,「脱力」を確かめました。思っていた以上に上半身の力を抜けない方が多くいました。ストレスにやられ,無自覚にこわばっているのかもしれませんね。

 久しぶりに伴奏者の八木絵未さんが来てくださったので,ラターのアンセムだけの練習になってしまいました。10月12日(日)前沢ふれあいセンターでの胆江合唱祭で歌う2つの楽曲のうち,まず《For the beauty of the earth》について,細かい点まで吟味しながら練習しました。音程,音質,息の流れ,ハーモニー…そして歌詞の意味とイメージまで。続けて《Look at the world》も同様でした。ただしこちらは繰り返されるサビの部分が調が違うだけで音使いや歌詞は同じなので,せめてそこは楽譜から目を放そう,とお話しました。最後に,久しぶりの2曲《All things bright and beauthiful》《I will sing with the spirit》ざっと通して終わりました。

 細かい点は指導すると改善するのですが,なかなか改善しない点は2つ。まずは歌詞のニュアンスを表現すること。(日本語だろうと英語だろうと)当然のことながら可能な限り歌詞内容を具体的にイメージして歌うことです。それも歌い出す前にです。でも歌うこと(というより声を出すこと)い気持ちがいってしまって,何を歌っているのか考えられないようです。表現者に「伝えたいこと」がなければ伝わるはずはないのですが。もう1つは…(残念ながら)音下がりです。ピアノの音高と歌の音高が合っていないことが多いのです。これもまた歌うこと(というより声を出すこと)に気持ちがいってしまって,響を合わせることに意識も耳も働いていないからだと思います。そしてもちろん発声の仕方がよろしくないことも原因の一つでしょう。ピアノ伴奏が鳴るとカラオケ伴奏みたいにただただ流れに乗せてもらって歌いっぱなしになってしまうという誤った習慣・意識をなんとか払拭させなければいけないと,強く思いました。

 次回の活動は9月21日(日),その次は9月28日(日)です。十分に備えて臨みましょう。

 会員の方から一関の合唱コンサートについてご紹介がありました。①第32回東日本合唱祭は10/4(土)13:00から一関文化センター,②第37回コーラスいわいフェスティバルは9/7(日)13:00から一関文化センターの2つでした。なお12/14には東京混声合唱団の演奏会もあり,一緒にステージで歌う体験コーナーもあるようです。身近に良い音楽がたくさんある素敵な環境ですね。一関文化センターの取組は注目する価値がありそうです。

2025年8月24日日曜日

【演奏会・聴いてきました】N響盛岡公演・音,まとまり,そして音楽!


 8月23日(土)の午後,盛岡市民文化会館・大ホールにN響盛岡公演を聴きに自宅から歩いて行ってきました。今回もステージ近くの席(1階6列12番)でした。

 プログラムは以下の通りのオール・モーツァルト!
①セレナード ニ長調 K.239「セレナータ・ノットゥルナ」
②ヴァイオリン協奏曲 第4番 ニ長調 K.218
 アンコール:フリードリヒ・ヴィルヘルム・ルスト ヴァイオリン・ソナタ第1番から「ジーグ」「シャコンヌ」
③交響曲 第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」
 アンコール:ディベルティメント ニ長調 K.136 第3楽章

 プログラム②のソリストは佐藤俊介さん。非常に伸びやかで自由自在に「音楽」を紡ぎ出しtuttiとの対話を楽しんでいるようでした。指揮のトン・コープマンさんは昨年6月にLiepzigの(ちょっと残念だった)ワークショップでバッハのモテット"Jesu, meine Freude"について学んだ方です。その時の彼の音楽も指導のテンポも早い,というか小気味よい感じでしたが,この日のモーツァルトでも流れるような音楽の作りでした。さらに,表現がはっきりしていながらパターン化していない「勇気的な」音楽でした。

 モーツァルトのみのプログラムだったせいか,あるいは前日が仙台,翌日が弘前とツアーだったせいか,N響の編成は小さめでした。開演して始めに驚いたのは音質,とくに弦楽器群の音の輝かしさでした。しかもパート数人の音楽がまったく一つに聞こえてくることでした。そしてその音楽のなんとわくわくすること!そこには「音」を超えて「音楽」がありました!演奏者も楽しそうに演奏していました。モーツァルトの音楽の喜びを味わっているような…。

 岩手にいてこのような音楽が聴けるのはとても嬉しいことです。今シーズンのN響はこのあとブロムシュテットの指揮(いずれもNHKホール)で,①10/18(土)の夜にストラヴィンスキー/詩篇交響曲&メンデルスゾーン/交響曲 第2番 変ロ長調 作品52 「讃歌」,②10/25(土)の午後にブラームス/ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 作品83&ブラームス/交響曲 第3番 ヘ長調 作品90,と聴く予定です。楽しみです!

2025年8月21日木曜日

【アンサンブル・コンフオーコ②】基礎力養成のチャンス

 8月19日(水),北上市のイオンシネマ映画「国宝」を見た後,18:40〜20:40奥州市水沢のアスピアで,アンサンブル・コンフオーコの今シーズン2回目となるレッスンをしてきました。1回目はお盆前の週の8月6日。翌週はお盆でお休みだったようなので,連続してのレッスンということになりました。

 発声練習の後,今回も《祈ってもいいのだろうか》から取組ました。音域が高くなくユニゾンの部分が多いので全員で同じ練習ができます。前回よりも音の粒はそろってきたように感じましたが,「一筆書きの息づかい」にならず「音符歌い」の傾向は相変わらずでした。そこで「s」の子音でピアノ伴奏に乗せて歌う体験をさせました。この段階では「一筆書きの息づかい」は難しくありません。次に「s」に声帯振動を加えて「z」の子音にして歌わせました。するととたんに「一筆書きの息づかい」ができなくなり,音符ごとに息を入れ直すように変わってしまいました。そこで再び「s」に戻しその時の「腹の動き」を確認させ,「z」でも同じ腹の動きで息を流すことを練習しました。何度も何度もやりました。中には(疲れてか飽きてか?)取組まなくなってしまった方もいました。でもこの息遣いは演奏する時の「基礎力」だと思っています。この息づかいを身につけて使えるようにならないと,音楽的に次のレベルの表現ができません。頑張らせました!次にその「お腹の動き」のまま「a」などの母音を出して旋律を歌うこと,そして最後に歌詞で歌ってもらいました。

 今回,彼女らが選んだ2曲(もう1曲は《歌いながら行こう》)はいずれも音取りに苦労はありません。せっかく音が難しくない楽曲に取組んでいるので,その余裕分の意識を発声や音質,息の流れ,音楽の流れなどに向けて,この機会に「音楽すること」のレベルを上げたいと考えています。そうすることが今回のステージ後にも活きてくる「資質・能力」を育てることになっていくでしょうから。そしてあと4回(次回は9月3日(水)),がんばりましょう!

2025年8月19日火曜日

【ZホールSP合唱団・18】本番のステージを使える贅沢さ!

 お盆明けの8月16日(土)・17日(日)の両日午後,奥州市文化会館Zホール・大ホールでZホールSP合唱団の練習がありました。今回は本番で第1部イタリア民謡の指揮者及川貢先生に加え伴奏をするピアニストの島田さんがいらっしゃっるのでイタリア民謡のみの練習となる予定でした。しかし及川先生のお計らいにより,17日の初めの1時間を日本民謡の練習に使ってよいこととなりました。有り難や!

 この合唱団は常設ではなく奥州市文化振興財団が企画する公演ごとに募集され,希望する方が集まる合唱団です。そのため運営などを担当する事務局は奥州市文化振興財団が担います。事務に関する仕事の分担(団長などの組織分担,ポスター係やチケット係などコンサート実施のための役割分担,会場確保や謝礼準備など)がないだけでなく,なんと参加費や月謝そしてチケット責任販売もありません!集まってきて歌う,練習する,終わったら帰る…アマチュア合唱団に参加している身からすると,なんとうらやましいことでしょう!Zホールの周年行事である市民オペラ(2022年は《トスカ》),岩崎宏美・良美コンサート(2023年)福井敬ふるさとコンサートvol.3(2024年)と皆このスタイルでステージに立ってきました。

 したがって,毎回の練習はZホール内の施設を(調整の上)優先的に使わせてもらえます。普段は大中ホールでは催し物があることが多いので展示室で練習することが多いのですが,今回はなんと大ホール,つまり本番のステージを使うことができました!(これも一般のアマチュア合唱団では難しいことですね。もちろん無料です。)しかも練習開始時点からステージ上にはすでに,山台の位置に合わせてビニールテープが貼られ,「◯列◯番」の付箋が貼られた椅子まで並べられているのです!今回は立ち位置のおおよそも確認することができました。

 及川先生は第1ステージ「イタリア民謡」を演奏曲順に練習されました。途中にテノール歌手の中鉢聡さんのソロも入ることもお話しされつつ,レッスンは進みました。ステージで歌っていると,本番を想定して客席を見ながら歌うことができました。女声合唱の際は時客席に降りて聴くこともできました。広いホールで聴くと90人ちかい合唱団は,音のまとまりはあるのですが,音の重さ声の飛びの悪さもよくわかりました。残された練習(8月30日,31日,9月6日…あと3回!)でなんとか改善したいと思いました。

 第2ステージ「日本民謡」の練習も演奏曲順に進めてみました。各曲でもっともっと整理すべき点があったのですが,1時間だけでしたので全体の流れを理解していただきつつ全曲の音を出すことを優先して行いました。本番まで1ヶ月弱となったこの時期に本番のステージを使って練習できる利点をあらためて感じるとともに,その贅沢さや事務局である奥州市文化振興財団のスタッフへの感謝の気持ちも感じました。

 本番は9月14日(日)です。多くの方のご来場をお待ちしています。さらに,同様の企画で進められる予定の2027年に公演予定のオペラ《トゥーランドット》の合唱への多くの方の参加もお待ちしています!

2025年8月13日水曜日

【MBKV】コラールは合唱の基本要素がびっしり!

 8月12日(火)の夜,盛岡市の舘坂橋教会で盛岡バッハ・カンタータ・フェラインの通常練習に参加しました。この合唱団はドイツのライプツィヒ市で毎年開催されるライプツィヒ・バッハ音楽祭に昨年6月に招聘されカンタータ3曲を演奏してきたのですが,再来年(2027年)6月のライプツィヒ・バッハ音楽祭にもオファーがありカンタータの練習に取り組んでいるところです。

 この日取り組んだのはBWV187の終曲の四声体のコラールでした。食べ物を豊かに与えてくださる神を賛美する楽曲です。まず始めにコラール旋律を歌って身体に入れました。先日宮古高校音楽部のレッスンでやったのと同様です。その後,ドイツ語の歌詞の「重さのあるシラブルおよび音符」を確認し,意味を表現しながら何度も発音して身体に入れました。その後,「ア」などの母音でその「重さ」を生かすように歌って身体に入れました。そして長・短母音の歌い分け(これがまた難しい!),意味・ニュアンスの表現などを吟味しながらコラール旋律を歌って身体に入れました。その後にやっと4パートに別れて楽譜通り歌って合唱しました。以上,所々で佐々木正利先生の音楽觀や活動の考え方についてなど様々なお話しもありながら1時間半ほどレッスンしていただきました。(途中,トリルの演奏の仕方に関して『バロック音楽の演奏習慣』という書籍の話題が出ました。帰宅して書棚を探したら,やはりありました。シンフォニアから1975年に出版されたもの。私は1994年に盛岡市の伊藤楽器さんから購入し,中には記譜されない演奏習慣について読んで学んだような書き込みがあり,「昔は情報が少なかったからこうやって学んだものだったなぁ。」と思い出し懐かしくなりました。)

 四声体のコラールはほとんどが四分音符か二分音符でリズムもシンプル,メリスマもありません。ですから音を出すことはそう難しくはありません。でもそのようなシンプルな音で構成されている楽曲を「合唱音楽」として聴かせるには,徹底的に言葉を生かすことが必要です。さらに,レクチャーを受けて練習し1回できたくらいの表現ではすぐにはがれ落ちてしまいます。何度もこつこつ取り組んで「身体に入れる」ことがとても大切なことだと,あらためて教えられました。

 それにしてもバッハ,そしてカンタータは素晴らしい楽曲ばかりで,歌っていて音楽する喜びを感じます!

2025年8月11日月曜日

【宮古高校音楽部②】ドイツ語作品にチャレンジ!

 8月11日(月・祝)の午前(10:00〜12:00)に宮古市のうみマチひろばの会議室で,宮古高校音楽部の2回目のレッスンを行いました(8月3日の1回目はこちら)。

 前回はパレストリーナのモテットを均した後,メンデルスゾーンの《Paulus》からステファノの石打ちの場面のあたり(Nr. 8&9)のドイツ語の意味と読みだけをやったのでしたが,今回は実際にドイツ語で歌ってのレッスンとなりました。

 たった1週間なのにドイツ語である程度歌えるようになっていて,とても驚きました。高校生ってやればやれるものなのですね!顧問の佐々木駿先生のご指導の賜物と思います。すばらしい!

 はじめはコラールから。「Dir Herr, 」の呼びかけで始まるのですが,旋律はバッハの(コラール)カンタータ第93番でお馴染みの《Wir nun dir Lieben Gott lasst walten》です。メンデルスゾーンにとってもドイツ人にとって馴染みのあるコラールであることを紹介して,コラール旋律を歌って馴染ませました。一方,声が固くなり響がでこぼこするので,喉の力がぬけた響を保てるように「ア」や「オ」でも旋律を歌わせました。同時に,四分音符をいちいち置いているので,一筆書きにすること八分音符で感じること次のテキストに応じた息を吸うことなどの基本を教えました。縦に見ると和音の響からハミ出さない(音を溶け合わせる),横に見ると音楽が停滞しない(音楽を運ぶ),という点がゴールです。

 「Steiniget ihn」の合唱は非常によく健闘していました。細かい音符のところに母音をきちんとはめること,各パートの各部分での役割を理解して聞かせるべきパートに耳を澄ますこと,力強さはフォルテだけでなくピアノでも必要だしピアノの時こそ緊張感が作り出せることなどに取組みながら何度も歌いました。

 繰り返しになりますが,ドイツ語の楽曲をしかも1週間でこれほどに歌えるようになっていることに驚きました。高校生の潜在能力おそるべし。そして生徒を信じて引き出せるようにならなければ!と気づかされたレッスンでした。

【ZホールSP合唱団・17】一喜一憂しない!


 8月9日(土)と10日(日)の午後,ZホールでSP合唱団の練習に取組ました。本番まであと1ヶ月後ですが,練習は今回含めあと3回程度です。

 9日(土)は13:00から日本民謡の暗譜のための自主参加練習時間から始まりました。男声合唱の《酛摺唄》の歌詞を少し分析して思い出すきっかけを確かめました。混声合唱の《大漁節》は最も馴染んでいない曲なので,合唱パートのパターンを分析し部分部分で区切りながら繰り返し歌って,だいぶ覚えて歌えるようになりました。その後14:00からの練習では《大漁節》をしっかり歌えるようになっていたので,細かい歌い方についても指導することができました。レベルが上がっていました。混声合唱の《外山節》も同様でした。後半はイタリア民謡,及川貢先生のレッスンです。相変わらず歌っているうちに母音がでこぼこしていきます。でも伸び伸びと歌えるようになっていました。と,1日目は「一喜」で終わりました。

 10日(日)の前半の日本民謡は《千福山》から始めました。これが意外にてこずりました。音取りは難しくないので,その分(?)とても雑に歌っていた様子。前日のように細かい歌い方に踏みこんでもなかなか変わってくれませんでした。本番のピアニストが来ていたのでピアノ伴奏付きの楽曲を優先して歌いました。でもいずれも前日のように「向上的変容」が感じられません。そして後半の及川先生によるイタリア民謡は…まるで評価されません!指揮に合わない原因はいろいろあるのですが,より大きな原因を取り除かないと指揮に合った表現はできないのですが,それがどうも伝わらないようでした。ということで2日目は「一憂」で終わりました。

 「一喜」してしまったので「一憂」が訪れました。かつて恩師の先生から「一喜一憂しているようではだめ。やるべきことに淡々と取り組め。」と教えられたことがあります。まさにその通り!「上手くいった」なぁんて自惚れていると化けの皮が剥がされますね。再び戒めていきたいと思います。

 次回の練習は8月16日(土)と17日(日)。この回は東京から本番ピアニストの島田さん(こちらにプロフィール)がいらっしゃるので,全時間がイタリア民謡のとなります。その次が8月30日(土)と31日(日)。30日は全日本合唱コンクール岩手県大会高校の部があるので,日本民謡の全体練習は佐藤智恵子先生にお願いし私の練習は31日のみとなります。そして9月6日(土)はもう本番1週間前練習!貴重な練習時間で「やるべきことに淡々と」取組んでいくことにします。

2025年8月9日土曜日

【合唱音楽研究会奥州】少しずつ成長。でも音下がりがやはり課題です。

 8月9日(土)の午前中(9:30〜12:00),水沢教会で第50回となる活動を行いました。胆江合唱祭は10月12日,楽曲はラター2曲と《ぜんぶ》,第2回発表会は11月22日でラター4曲とパレストリーナのミサ・ブレヴィスの全曲,と当面のゴールが決まっての活動となりました。本番が控えていますから,「体験」だけで終わらせるのではなく「実現」までいかなければなりません。「実現」への取組みが本当の意味での「音楽すること」だと考えています。

 発声練習では,久しぶりに横隔膜の動きを確かめました。息を送るポンプに力がないと喉が無理をしてしまいます。それを避けるための取組みの一つです。

 伴奏者がお休みだったので,この日はパレストリーナのミサ・ブレヴィスからまず《Sanctus》に取組みました。歌詞ではなく「音」でです。前回はとてもいい感じで《Credo》を終えたのですが,今回は元にもどっちゃった感じでした。改善をめざして吟味していくと,喉に頼って歌うことが原因しているように感じました。特にソプラノにその傾向が強く,ソプラノ抜きでアンサンブルしたときの音下がりは改善してきました。しかし,旋律を一筆書きで歌おうとする息の運び方は,皆さんだいぶ身についてきた感じです。また楽曲を思い出すのにも時間があまりかからなくなってきました。

 続いて前半三声で後半は四声のホモフォニーになる《Benedictus》も歌ってみました。そして《Agnus Dei II》に取り組みました。ソプラノが同度のカノンなので,音下がり改善のヒントになるのではないかと思ったのです。《Sanctus》より少々改善し,音楽を思い出すにもほとんど時間がかかりませんでした。少しずつ成長してはいます!

 次回は8月24日(日)の14:00〜17:00水沢南地区センター音楽室です。楽曲は《Agnus Dei I》と,《Sanctus》以降の楽曲を歌詞で歌うこと。みなさん,予習して集まり,よりよい音楽体験ができるようにしましょう!

2025年8月7日木曜日

【水沢高校音楽部】久しぶりのヴォイス・トレーニング

 8月7日(木)の午後(16:00−18:00),前日のチャレンジングなコンフオーコに続いて再び水沢に行き,水沢高校音楽部のレッスンをしてきました。今シーズン2回目(そして最後)です。

 顧問の先生から「発声法についていろいろ教えて欲しい,子どもたちの今後にも生きると思うし自分も学びたい」とリクエストがあり,ヴォイス・トレーニングの方法などを紹介してきました。

 理屈をいくら知っても,知ってるだけでは良い音楽はできません。本当の発声の先生なら木下マティアス義久先生が仰っていた通り,生徒の声を聞きそれに基いて個別化し評価しながらよりよい声・音楽へと導くのでしょうけれど,自分にはそれほどの聞き分ける経験がないので,理屈をこねながら練習法を紹介するといった程度の内容となりました。即ち,①楽器の仕組みを知る,②運動に関与する部位と構造を知る,③強化方法とそのねらいを知る,といった感じです。ともすると練習の仕方だけを受け取ってそれをやっていれば案心ってなことになり,そのねらい・目的に無頓着に成ってしまいがちだからです。「鼻つまみ」「ハイハイ」「首上げ」など久しぶりにやって見せて触らせながら紹介しました。子どもたち,そして先生も興味を持って取組んでくれました。

 指導のためにもっと知りたい,学びたいという顧問の先生の姿勢が素晴らしいです!学び続けていないと教える立場に立てません。また発声(歌唱)は運動ですから,座学でなく実際に身体を動かすことで理解できます。そしてまた多くのチャレンジが「上達」を支えていることは,鈴木宏昭著『私たちはどう学んでいるのか』(筑摩書房2022)(特に第3章)から学びました。今日の短い時間ではできないことも多かったと思いますが,これを今後の学びのきっかけにしてもらえたらと思っています。

 終わりには顧問の先生の学生時代の音楽活動の話や子どもたちの今後への期待,胆江地区の合唱音楽の現状や学校における音楽教育の現状など,様々な話題で4人で対話する時間もあり,私も思いを伝えることができました。今シーズンはこれが最後になりますが,「1月のアンサンブル・コンテストには1・2年生の生徒を誘って出場させたいのでその時はまたご指導をお願いします。」とお話いただき,とても嬉しく思いました。これ一つの足がかりとして,胆江地区の音楽活動の広がりをさらに広げ高めたいと強く思いました。

【アンサンブル・コンフオーコ①】チャレンジが変化を生みます

 8月7日(木),盛岡某高音楽部の活動に午後に参加し,その夜(18:45〜20:40)奥州市水沢のアスピアでアンサンブル・コンフオーコの練習に参加してきました。在来線で切符を買って往復しました。盛岡駅から北上駅まではSuicaで乗車できるようになったのですが,水沢駅はいまだに現金のみなのです。水沢駅舎内のコンビニ「new days」ではSuicaが使えるというのに…。

 アンサンブル・コンフオーコは7月6日に15回目となる演奏会を終えた女声合唱団です。基本的には佐々木まり子先生から月に1回程度ご指導を受けています。今回は10月12日(日)の胆江合唱祭(前沢ふれあいセンター)に向けて全6回の予定で指導に行くことにしています。ちなみに昨年(2025年)の胆江合唱祭はこちら一昨年の胆江合唱祭はこちらです。

 今回の楽曲は,信長貴富作曲の《祈ってもいいだろうか》となかにしあかね作曲の《歌いながら行こう》の2曲です。昨年の選曲に比べると少し易しい楽曲を選んだように思ったのですが,一昨年の選曲を考えると同じような感じかと思います。信長貴富さんには一昨年(2023年)の日本声楽発声学会の夏季研修会で《祈ってもいいだろうか》と《うた》を使って学ばせていただきました。そんな話もしながらお稽古してきました。

 はじめは発声練習。最近女声合唱で興味をもっている胸声を鍛えることをやってみました。私よりも歳上の方がほとんどなのですが,おそらくこれまでと異なる声のだし方に怖がらずにチャレンジしているので,張りのある声が出るようになりました。

 まずは2曲を一通り聞かせてもらいました。基本的な歌う力は佐々木まり子先生仕込みですから心配はありませんでした。でも声質に難がありました。ハモらない,聞こえないなど…。

 《祈ってもいいだろうか》は始まりのユニゾンが長く続くので,そこを「ア」や「音」で音楽することから始めました。離れた音高の音への調薬や「歌おう」とすると楽器である身体の形が変わってしまって出てくる音質が変わってしまっています。ですから音質が変わっている点をこと細かに指摘し改善に取り組むようにしました。しつこく疲れる練習だったと思います。でも一つひとつの箇所への取組を繰り返し続けることで,音質が安定し良い響きが出てきました。

 《歌いながら行こう》は一変してリズミカルな楽曲です。でも,細かい音符でも身体をしっかり使って音を出すことを徹底してみました。また発声練習で意識させた胸声を使うことも働きかけました。特にアルトは低い音域が聞こえてこなかったのですが,これでやっと聞こえるようになりました。

 いずれの楽曲でも,新しい歌い方や発声の仕方を示すとそれに怖がらずにチャレンジするので,がらりと音楽が変わります。今回は1回目。あと5回でどのように変わって行くのか楽しみです。

2025年8月3日日曜日

【宮古木曜会合唱団】外国語漬け

 8月3日(日),午前中に宮古高校音楽部のレッスンをした日の午後,宮古木曜会合唱団の強化練習をしました。場所は響の良い磯鶏幼稚園のホールです。前回は7月27日(日)の強化練習でしたから,1週間の間隔で来ることができました。ソプラノ4人,アルト4人,テノール1人,バス1人とこの日も全パートそろってスタートできました。

 発声練習の後,まずはビクトリアの《O magnum mysterium》から取組ました。冒頭のソプラノ,そしてアルトの旋律から徹底的に①音楽の流れ,②ラテン語のアクセントの位置と表現の仕方,③母音による響きの安定,などを指摘し改善を要求しました。時間はかかりましたが,きちんと要求すると身体を使い出す(というか身体を使わないと対応できない)ので前回のようなピッチの下がりはほぼありませんでした。かなり時間はかかりましたが,やはり「大切なことに丁寧に,やるべきことを一つひとつやる」ことが近道なのですね。

 次にモーツァルトの《Wiegenlied》。団員Aさんが読みやすいように歌詞を書き直し読みカナをつけたものを作ってきて配り,団員Bさんは歌詞の譜割が見にくいからと各パートごとに歌詞の譜割を書き改めた楽譜を作ってきて配っていました。この楽曲をなんとかものにしたい!という団員の方々の意欲を感じたので,練習でもドイツ語のニュアンスが生きるように徹底的に改善に取組ました。これもかなりの時間がかかりましたが,なんとかドイツ語っぽく聞こえるようになってきました。

 続けてシューベルトの《Wiegenlied》。こちらはモーツァルトのものより音符がスカスカでかつ短いので(あるいはモーツァルトの練習で力をつけたのか)取組やすいようでした。

 3時間半,びっしりと外国語に取組んだのでだいぶ疲れたようで,16時40分ころには強化練習を終えました。でもこの日は「やればできる!」ということがわかった練習でした。次回は8月26日(木)の通常練習です。4週間ほど間が空くので心配ですが,「やればできる!」はずなので,メゲずに「大切なことに丁寧に,やるべきことを一つひとつやる」ことを忘れずに取組たいと思いました。ご参加の皆様,お疲れ様でした!

【宮古高校音楽部】混声合唱は充実した響き

 8月3日(日)の午前(10:00-12:00),宮古市のうみマチひろばで宮古高校音楽部のレッスンをしてきました。会議室を使ったので響きがよく,歌いやすい所でした。

 だいぶ前から夏休みに1〜2回呼んでもらい,昨年は外部コーチに登録の上指導に来たのでした。女声合唱が長く続いていたのですが,昨年から混声となり,今年は新入生を5名迎えて12名ほどの混声合唱,バスが3名,テノールは男1,女2の計3名で充実した響きになっていました。

 取り組んでいた楽曲は,パレストリーナの《Dies sanctificatus》とメンデルスゾーンの《Pulus》の第8ー9曲でした。はじめに2曲聞かせてもらって,まずパレストリーナからやることにしました。この曲は宮古木曜会合唱団でクリスマス・イヴ礼拝で振ったことがありました。子どもたちはよく歌えているのですが,母音によってでこぼこすることが気になりました。また音楽のサイズをはみ出すほどのでかい音になる部分があって,よく見ると楽譜に「ff」がかいてありました。全日本合唱連盟刊の課題曲集ではなく,1970年代あたりに出版された皆川達夫・高野紀子編の版でした。そこでまずは母音の矯正から取組ました。いつものように「身体は楽器」と話して,よく開いた楽器の筒の形を変えない&母音は喉で作るようにとしてみたら,素直な子どもたちなのでずっと安定した響きになりました。次に楽譜の話をしました。パレストリーナの時代は強弱記号を使っていなかったこと,君たちが使っているのは実用譜として「編集」されたものなのでかかれている記号は作曲者の意思ではなく編集者の解釈でしかないこと,当時はスコアでなくパート譜を使っていたことなどなど。ついでに「強弱記号を見たら「なぜその記号をそこに書き込んだのか」を考えて表現するように」ともお話しました。楽譜の見方,解釈の仕方です。その後ラテン語のアクセントを優先する歌い方を徹底したら,各パートがクリアに聞こえるようになりました。

 残り40分くらいになって,あわてて《Paulus》に切り替えました。こちらは盛岡バッハ・カンタータ・フェライン2014年に演奏しているのですが,あまりよく覚えていなかったので慌ててプログラムや対訳で勉強して臨んだのでした。始めに《Paulus》についてよく知らないようでしたので超駆け足で解説し,その中のこの部分をやるんだよ,と説明しました(プログラムに書いた解説を読んでもらえば正しく伝えられるのですが…)。子どもたちはまだ歌詞をつけていなくて,「歌詞の読みを教えてください」ということでしたので,ドイツ語の読みの基本,歌詞の意味,読み方,リズム読みなどをこれもまた超駆け足で取り組みました。次回は8月11日(月)に行く予定です。その時にはさらに進んだ練習ができると思います。

 混声合唱,やはりいいですね。盛岡某高音楽部も人が増えて混声合唱も体験させられたらいいのに,と思いました。そしてそちらも「頑張らなくちゃ!」と(また)思いました。

2025年8月1日金曜日

【水沢高校音楽部】一生懸命で素直,堂々と歌ってます!

 7月31日(木)の夕方(16:00-18:00),母校水沢高校音楽部の指導に行ってきました。県の高校合唱祭では2人で立派な重唱をしていたので「OBとしてお手伝いできることがあれば…」とお声がけしたところ顧問の鎌田先生がお誘いくださいました。卒業してから長くお付き合いがあり,コロナ禍前は毎年数回定期演奏会前やコンクール前にレッスンに行っていたのですが,コロナ禍になり顧問の先生も変わり…なかなか行く機会がなく久しぶりの母校音楽室でした。今年は残念ながら人数が(5名までしか)集まらずコンクールには出られないとのことでしたが,3年生2人の部員は一生懸命歌っていました。

 二人の重唱ながら声がよく出ていて音程も良いのです。耳が良いのですね。何より取組む姿勢に意欲が表われていて,返事ははっきりしているし臆することなくチャレンジしもます!普段やらないようなこと(体の使い方とか「音」で歌うとか)もパッと真似してやってみようとするのです。一生懸命で素直な子どもたちだなぁ,顧問の先生の育て方がいいんだなぁと感心しました。

 二人でそれなりの音楽世界を作っているのであまり口出しすることはないかなと思ったのですが,これだけできるならさらにもっと先を!と思ってしまっていくつかアドバイスしてきました。口や喉を固めないで声の響きを解放すること,音符でうたわないで一筆書きのメロディーラインの息遣いで歌うこと,言葉のニュアンスを息遣いに乗せて歌うこと,次に言いたいことに応じて息を吸うこと…。チャレンジして少し変わってでも元に戻って,の繰り返しではありましたが,チャレンジすることで変わっていく様子が見られ,楽しく指導できました。

 顧問の先生は音楽部の行末を案じていました。そこでまずは実績を積み重ねることが大事と,オープンスクールの部活紹介には部員外の音楽選択の生徒を交えて校歌の紹介をして音楽部の存在をアピールしたり,1月のアンコンにも音楽選択の生徒でチームを作って出場したいと思っているなど,アイディアをたくさん話してくれました。奥州地区の高校で合唱を楽しめる受け皿が他にないので,奥州地区の将来の音楽性を高めるためにも高校の音楽授業や部活動を充実させて欲しいと思っていたので,心強く思いました。

 次回は翌週8月4日(木)の同じ時間に行く予定です。発声についてより詳しく知りたいとのことでしたので,身体の使い方やトレーニングの方法などをお伝えしようかと考えているところです。勉強し直さなくちゃ!