前に来たのは1週間前の通常練習。この時は身体を使って表現しようとしていない様子に驚き,なんとかせねばと焦ったので,間を1週間しか空けずに次の練習に取り組めるというのはともてよい設定になりました。そこで「レガートな旋律で発声練習を生かしながら声の響きを整えたら,子守歌のドイツ語にチャレンジ」という練習プランで行ったのですが…。この日はVictoria作曲の"O magnum misterium"のそれも前半だけで時間切となってしまいました。
この日やったことはまとめていうと「大切なことに丁寧に取り組む」ということ。合唱する上で大切にしなければならないことはたくさんありますが,合唱を音楽たらしめる大切なことをなおざりにしていくら音とりをしたり発音を吟味したりしてもだめなのだということを,(終わってみて)強く感じました。では「合唱を音楽たらしめる大切なこと」とは何だったかというと,まずは音質でした。どんな音でも良いからといって喉の狭い息の浅い声で(楽譜通りに誤なく)歌っていても,音楽にはなりません。身体から出てくる音,聴いていたくなるような音で音楽したいわけです。それから旋律のレガートさ。音符一つ一つに息を入れるような歌い方では音楽として生きてきません。さらに旋律をどう音楽的に聞かせるか。高い音はでかく低い音は聞こえないとか,音が平板に並んで続くとか,そうではなくて自分の旋律を歌う際に均質な音を保つように気をつけながらも音楽的な豊かさをどう表現するかといったことを考えて表現することが必要です。そういった「音楽する上で大切なこと」に向き合わないでいたら,いつまでたっても充実した音楽が生まれてこないように思ったのでした。そしてこのことはこれまで自分が先生方から教えられてきた「当たり前のこと」ことでもありました。手を抜いてきた自分を反省しました。
団員のみなさんには次のようにお話しました。「徹底してやったのでみなさんお疲れになったことと思いますが,ここを超えて身に付けなければ,この先のレベルには行かれません。筋肉に覚えさせて習慣化したり鍛えたりしなければいけないので,日本語の歌を歌う時でも今日やったことは同じですから,意識して練習に取り組んでください」。次の練習に参加するのは,3回の通常練習を挟んだ(つまり3週間以上)後の7月27日(日)の強化練習です。意識の変化が続いていればいいなぁ…と思いました。
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