前回はパレストリーナのモテットを均した後,メンデルスゾーンの《Paulus》からステファノの石打ちの場面のあたり(Nr. 8&9)のドイツ語の意味と読みだけをやったのでしたが,今回は実際にドイツ語で歌ってのレッスンとなりました。
たった1週間なのにドイツ語である程度歌えるようになっていて,とても驚きました。高校生ってやればやれるものなのですね!顧問の佐々木駿先生のご指導の賜物と思います。すばらしい!
はじめはコラールから。「Dir Herr, 」の呼びかけで始まるのですが,旋律はバッハの(コラール)カンタータ第93番でお馴染みの《Wir nun dir Lieben Gott lasst walten》です。メンデルスゾーンにとってもドイツ人にとって馴染みのあるコラールであることを紹介して,コラール旋律を歌って馴染ませました。一方,声が固くなり響がでこぼこするので,喉の力がぬけた響を保てるように「ア」や「オ」でも旋律を歌わせました。同時に,四分音符をいちいち置いているので,一筆書きにすることや八分音符で感じること,次のテキストに応じた息を吸うことなどの基本を教えました。縦に見ると和音の響からハミ出さない(音を溶け合わせる),横に見ると音楽が停滞しない(音楽を運ぶ),という点がゴールです。
「Steiniget ihn」の合唱は非常によく健闘していました。細かい音符のところに母音をきちんとはめること,各パートの各部分での役割を理解して聞かせるべきパートに耳を澄ますこと,力強さはフォルテだけでなくピアノでも必要だしピアノの時こそ緊張感が作り出せることなどに取組みながら何度も歌いました。
繰り返しになりますが,ドイツ語の楽曲をしかも1週間でこれほどに歌えるようになっていることに驚きました。高校生の潜在能力おそるべし。そして生徒を信じて引き出せるようにならなければ!と気づかされたレッスンでした。
0 件のコメント:
コメントを投稿