2024年3月2日土曜日

【合唱研第19回:活動報告】学びの楽しさ

  3月2日(土)の午後,水沢教会で19回目の活動をしました。第18回の活動からほぼ1ヶ月,「モツレク」合同練習(第4回)からは1週間が経ちました。会員の皆さんは歌い慣れてきたのか,参加者は30名弱と少なめでした。本会の会員でない方(歌う会の方)がお二人参加していました。北上市の方(アルト)と前沢の方(ソプラノ)です。前沢の方は「こういう団体があるのを知りませんでした。」とこの日に本会に入会してくださいました。仲間が増えるのは嬉しいですね。

 発声練習を兼ねるつもりで,「Ave verum corpus」から始めました。歌ったことがある方がほとんどでした(Z管弦楽団の第10回記念定期演奏会でもアンコールで歌いましたね)。例によって「音符歌い」からの脱却が課題でした。歌詞をつけずに声だけで音楽させました。「ヴァイオリンだったらどんな音楽にする?」ってことです。また「声を出す」から「音楽する」に意識・価値観を変えるのです。これによって力みまくっていた喉から力を抜く方向にもっていけました。

 続いて「どの曲を練習しましょうか?」と問いかけると,「最近やっていない前半の方の曲」という声がありました。第1曲からやると後半が時間切れ,というパターンが私の毎回のパターンなので,この日は「Lacrimosa」から戻っていきました。

 「Lacrimosa」は8分の12拍子。1拍が三連符になっている曲は本当に難しいです。音符に合わせて声を出しているだけだと音楽が停滞し,どんどん重くなっていき,聴いているのが辛くなります。そこで三連符を機械的に手拍子で刻みながら歌わせることで,歌い手の感じ方の遅れを自覚してもらい,音楽の運びを改善しました。「ソルフェージュ能力」というやつですね。

 「Confutatis」では男声が頑張りすぎでした。歌詞が激しい内容なので力強く表現しようとしたのだと思いますが,音楽の枠をはみ出してしまっていて,「乱暴」とか「雑」といった印象でした。そこで,対比されている女声合唱の部分の音楽作りを聴いてもらいながら,ヨーロッパ・クラシック音楽の「様式感」を感じてもらい,その後に男声合唱部分に生かしてもらうべく修正に取り組みました。

 「Rex tremende」では,「R」の発音がポイントでした。「Rex」の語が出るたびに聞こえてきたい「R」の子音なのですが,さっぱり聞こえてきません。ポイントは「時間をかける」「音符の前から始動する」「有声化する」ことでした。これができてくると「R」が聞こえるだけでなくハーモニーが良くなるのです。なぜか?声の力みがなくなって響きが良くなったからです。それはなぜか?「喉で歌う」ことをやめられるほど「腹で歌う」「お腹で支える」「横隔膜を使う」ことができてきたからです。子音を勤勉に発音するには「お腹の力」が必要で,そうすることで声質がよくなりますが,声楽の際そこが最も難しいところの一つでもあると感じています。

 「Introitus」から「Kyrie」にかけては,(「R」はもちろんですが)メリスマを尋常に歌うことが課題となりました。尋常にそして音楽的に。

 この日の活動のはじめに,2つの話をしました。
1.「福井敬ふるさとコンサート vol.3」へのお誘い
2.研究発表会の構想

 これらについては別にお知らせしますね。お楽しみに!

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