11月1日(金)の午後,盛岡市民文化会館小ホールに椎名雄一郎さんのパイプオルガンのリサイタルを聴きに行ってきました。椎名さんとは1999年,盛岡バッハ・カンタータ・フェラインがドイツのボン市にあるベートーヴェンホールでバッハの《ロ短調ミサ曲》を演奏(指揮:H. ヴィンシャーマン,オケ:ドイツ・バッハ・ゾリステン)するツアーの最中に,当時東京藝術大学で学んでいた会員のお知り合いということでお会いして一緒にお食事したことがありました。その後も何度か盛岡にパイプオルガンのリサイタルにいらしていて,その度に聴きにいっていました。
この日のリサイタルは「バッハ への道」がテーマ。前半がD. ブクステフーデの作品,後半がJ. S. バッハの作品という2部構成で,各曲の特徴をブクステフーデとバッハとを関連づけて端的に解説しながらの演奏会でした。2人の作品を対比して聴き味わうことができる楽しいプログラムでした。ご本人は「こんな地味なプログラムなのにこんなにも集まってくださって…」とおっしゃっていましたが。盛岡にはバロック音楽好き,オルガン音楽好きがたくさんいらっしゃるのでしょう。そしてそれはパイプオルガンを盛岡市が購入して設置し活用しているからなのだと思います。素晴らしいことです!
ちなみに今回のプログラムは下の通りでした。
D. ブクステフーデ
前奏曲 ニ長調 BuxWV 139
パッサカリア ニ短調 BuxWV 161
《今ぞ我ら精霊に願いたてまつる》 BuxWV 208
コラール幻想曲《われ汝に呼ばわる,主イエス・キリストよ》 BuxWV 196
カンツォーナ ハ長調 BuxWV 166
《今ぞわが魂よ主をたたえよ》 BuxWV 212
第1旋法によるマニフィカト BuxWV 203
J. S. バッハ
D. ブクステフーデ
前奏曲 ニ長調 BuxWV 139
パッサカリア ニ短調 BuxWV 161
《今ぞ我ら精霊に願いたてまつる》 BuxWV 208
コラール幻想曲《われ汝に呼ばわる,主イエス・キリストよ》 BuxWV 196
カンツォーナ ハ長調 BuxWV 166
《今ぞわが魂よ主をたたえよ》 BuxWV 212
第1旋法によるマニフィカト BuxWV 203
J. S. バッハ
前奏曲とフーガ ニ長調 BWV 532a
《最愛のイエスよ,われらここに集まりて》 BWV754
小フーガ ト長調 BWV 578
コラール幻想曲《主なる神,われらがもとにあらずば》 BWV 1128
パッサカリア ハ短調 BVW 582
そして今回私はなんとバルコニー席の右前方「R2」の席で聞いてみました。これまでパイプの近くで聴いたことがなかったからです。目の前のパイプから音が直接届いていくるような感じで,身体で音を感じることができました!パッサカリア(BWV 582)のオスティナートのフレーズの最後の音の最低音が鳴った時は,パイプの発する空気振動に体が包まれる感じでした。
人々の生活に何が必要で,何が大切か…難しい選択とは思いますが,盛岡市の大英断に感謝です!文化ってこうやって人の心を豊かにしていくのですね。
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