2024年6月12日水曜日

【Bachfest-Leipzig 2024】ツアー5日目:あっと言う間に最終日

  6月10日(月),この日は12時までにホテルをチェックアウトし15時までに集合するだけのスケジュールで,あとは自由な時間でした。そこでまずは大事なお土産ゲット,あとは市内観光と考えました。


 しかし9:30にホテルを出ると,トーマス教会で9:30から Mette が始まっているようだったのでいそいで向かいました。メッテというのは「朝の祈り」とのことです。ちなみに私たちがバッハフェストに最初に招聘されたときのプログラムは今回のような「コンサート」ではなく,この「メッテ」での演奏(2020年6月12日(金)「復活祭オラトリオ」BWV249 )でした。→右図は2020年の当初のプログラムから

○演奏曲目
F. Mendelssohn Bartholdy: Wer nur den lieben Gott lässt walten, MWV A 7
F. Mendelssohn Bartholdy: Christe, du Lamm Gottes, MWV A 5
J. S. Bach: Bisher habt ihr nichts gebeten in meinem Namen, BWV 87
○演奏者他
KÜNSTLER: Pfarrerin Jutta Michael, Schülerinnen und Schüler der Grundschule forum thomanum
オルガン:Thomasorganist Johannes Lang (Orgel)
独唱:Elvira Bill (Alt), Wolfram Lattke (Tenor), Philipp Goldmann (Bass)
合唱:Wasserburger Bach-Chor
オーケストラ:Mendelssohn Kammerorchester Leipzig
指揮:Angelica Heder-Loosli

 牧師の祈りあり,子どもたちの祈りあり,コラールによる賛美ありと,これもまた本来的な賛美に近い形式だったように思います。メンデルスゾーンのモテットは盛岡でも演奏したことがあり,ここのところバッハを聴き続けてきた耳にはだいぶモダンな響きに感じられました。

 その後,お土産を物色しながらライプツィヒ大学のあるアウグスト・プラッツに向かいました。途中の道端にあるモニュメント(写真)は,右手で平手を挙げながら右足は進むのに抵抗し左手は拳を挙げて進んでいこうとするもので,全体主義への抵抗を表しているとのことでした。ナチズムへの強烈な反省が街に刻み込まれていると感じました。

 メンデルスゾーンゆかりのゲヴァントハウスのショップでお土産を買い,その後リングを東に超えてグラッシィ博物館楽器博物館民族学博物館を見ようとしたのですが,残念ながら月曜休みでしたので,バッハがかつて眠っていたという裏手のヨハネス墓地に行き,その後メンデルスゾーンハウスに向かいました。

 メンデルスゾーンハウスはライプツィヒに行くたびに訪れていますが,今回は大きくリニューアルしていました。姉のファニーを作曲家として評価しようという姿勢がよく伝わってきました。ヨーロッパでも男性優位の価値観への反省が進んでいるのですね。その他の展示もわかりやすいように工夫されていると感じました。それからクルト・マズアについても以前は設立に貢献した人といった程度の扱いでしたが,彼の活動の歴史を広いスペースをとって展示していました。月曜デモを始めライプツィヒ市の歴史において重要な人物でその価値を示そうとしているかのようでした。盛岡でロンドン・フィルとの第九演奏会で指揮して頂いた(2001(H13)年)頃にはそこまでの方とは知りませんでした。お恥ずかしい…

 その後15時には,全日空チームとトルコ航空チームの皆がホテル前に集まって,今回指揮する予定だったD. ティムさんへの感謝のメッセージ動画を撮りました。次回こそ共演が実現すればいいなと思っています。(大学によるディムさんのプロフィール紹介の上記リンクには「Morioka Bach Kantaten Verein」も載っていました!!)

 私たち全日空チームはこの後,ライプツィヒ・ハレ空港からフランクフルトに飛び(飛行時間は30分くらいで全体で1時間程度),その後羽田空港へ12時間ほどかけて(R2D2号とは降りるまで気づかず)飛びました。バルカン半島→黒海→カスピ海→中国(詳しくは不明)→黄海→韓国といった,ちょっと心配なコースでしたが,往路より2時間程度早かったようです。


 盛岡だけでなく,仙台,山形,東京,富山と東日本各地からバッハの音楽を愛する仲間たちと「Bachfest Leipzig」という聖地での晴れ舞台に立つことができたことは,本当に有り難いことですし名誉なことでもあります。これからの音楽活動で出会う方々にここで体験したことや学んだことを伝え,共有しながら「音楽生活」をさらに楽しんでいきたいと,あらためて思いました。また,ここに至ることができたのは私たちの師匠の佐々木正利先生による弛まぬお導きのおかげであります。目の前のことを一つひとつ丁寧に取り組んでいくこと,その積み重ねを今後も続けていきたいと思っています。
 長くまとまりのないシリーズ記事にお付き合いくださり,ありがとうございました。コメントでも質問でもどうぞご遠慮なく!お聞きいただければさらにたくさんお伝えできると思いますよ!お待ちしています。

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