2023年12月23日土曜日

【釜石の第九公演終了】暗譜の難しさ

 


 12月17日(日)釜石市の釜石市民ホールTETTOで,第44回で最終回となる「かまいしの第九」演奏会に参加してきました。最終回ということで報道関係の取材がたくさん入っていて新聞やテレビでも報道されたので,これまでの経緯などはご存知の方が多いかと思います。

 私は東日本大震災の年,2011年に釜石高校の体育館で開催された時が最初でした。1年に1回,昔の合唱仲間と集まる機会でもあり,市民手作りの第九の演奏はもちろん,いろいろなことが思い出に残っています。

 今回は第九の前に第1ステージとして2曲を「暗譜」で演奏しました。
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「明日を」作詞:佐藤和夫 作曲:佐藤和夫/SaToMansion 編曲:大熊崇子
「群青」作詞:福島県南相馬市立小高中学校 平成24年度卒業生 作曲:小田美樹 編曲:信長貴富
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 「群青」はこの曲ができてからずっと宮古木曜会合唱団が定期演奏会で歌い継いでいる曲(といっても私が歌ったのは1回であとは振っていた)なので,おおよそ覚えて歌うことができました。しかし「明日を」はなかなか覚えられませんでした。この曲はテレビ番組のBGMとして流れていたのを耳にしていた程度の曲でした。

 今回,久々の「暗譜」体験を通していろいろと考えました。まず,暗譜で歌えるためには【音楽の全体像が頭に入っていないといけない】ということ。自分のパートだけを覚えようとしても,繰り返しやその際の(旋律・歌詞・リズム・デュなーミクの)変化など細部は頭に残せませんでした。全体像があって,そこに自分のパートを位置付けることで記憶に定着するようでした。では全体像とは何か。まずは主旋律とその展開,それに伴う和声の変化です。また主旋律に絡む各パートの動きのおおよそです。「ここではこのパートがこう入ってくる」といったようなことと相対的に自分のパートを想起できるようです。それからもちろん歌詞の意味が納得されていることも重要です。文字面だけで覚えようとしても,文の先が歌う前に想起されるようにはなりません。

 譜面づらが簡単で音遣いもそれほど難しくなかっただけに甘くみていたのですが,予想以上に覚えることができませんでした。そしてなんと,演奏会が終わってから時々浮かんでくる音楽の中では,自分のパートが正しく想起できたりするのです…今さらですが。驚きました。

 主に宗教音楽に取り組む普段の練習では,指揮を見ることに関する「暗譜」以外はそれほど強調されることはありません。それでも案外頭に入っているというのは,やはり回数・時間をかけてその楽曲に慣れ親しんでいるからなのでしょう。自分だけでなく演奏者全体としての表現と意識できるよう,今後は意識して歌っていきたいものだと感じました。

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