2025年3月30日日曜日

【合唱研第41回:活動報告】《Sanctus》終了!

  3月29日(日)の午前中,奥州市の水沢南地区センターの音楽室で41回目となる合唱音楽研究会奥州の活動に取り組みました。当初は午後にZホールSP合唱団の練習を予定していた関係で午前中に設定したのでした。予想外に寒い朝でしたね。ごめんなさい。

 盛岡市民文化ホールの大ホールで行った「モツレク全曲演奏会」や,Zホールの中ホールで行った「第1回研究発表会」からほぼ1年になりました。ということは今取り組んでいるパレストリーナとラターを1年間やっていることになります。私たちにとっては克服すべき課題が多いということなのですね。でも少しずつですが課題を克服しながら前に進んではいると思うのです。

 この日は初めに《ぜんぶ》を歌いました。久しぶりのせいか「音符歌い」になっているので「それは悪い癖ですよ。」と「一筆書きの息遣い」を思い出させました。やればできるけれど自分で気づいてやることができないというのは,そのことの良さがまだ身体に染みていないからだと思いました。続いてラターの2曲でした。こちらはゆっくりと数回歌い直して思い出したらすんなりと良くなりました。

 懸案は無伴奏ポリフォニー宗教曲です。まず《Benedictus》の後半のホモフォニックな「Osanna」で響きを思い出そうとしたのですが,すっかり忘れていた様子。そこで階名唱に戻って音を確かめてから歌詞唱へと進みました。そしてこの日の「メイン・イベント」である《Sanctus》。これも以前1〜2回は通しているのですがすっかり忘れている様子。そこで階名唱→歌詞唱と取り組んでなんとか通して歌えるようになりました。

 音楽が変化したアドバイスは2つありました。①声のリソースは限られているので「音程」を優先しましょう,②一つ一つの音を丁寧に発して他パートとの響きを聞いて味わいながら進みましょう,というこでした。

 階名唱での音高の確かめにかける時間が短くなってきています。これはこれまでの取組の成果です。一方音下がりは相変わらずです。私たちの大きな課題です。次回からは《Agnus Dei I, II》を使いながら取組み克服していきましょう。次回は4月12日(土)の9:30〜12:00龍昇殿です。蓑虫山人設計したといわれる水沢公園の桜が盛りの頃と思います。楽しみにご参加ください。

【ZホールSP合唱団・08】一喜一憂している場合ではないのだけれど

 


 3月29日(土)の午後,ZホールSP合唱団の練習を行いました。いつもは「土&日」の2日連続のパターンなのですが,今回はこの土曜日1日だけにしました。というのも,スタート以来ほぼ毎週の土日に練習があったし,音もだいぶ取れて歌えるようになってきた(と思った)からでした。しかし…

 しかし,期待しすぎていました…。今回はいろいろな条件が重なっていたのだと思います。①久しぶりの混声での練習だったこと,②会場がリハーサル室だったこと,③宮古木曜会合唱団の本番のあとだったこと,④自分の体調がイマイチだったこと,などです。

 まず,久しぶりの混声ということで人数が多く,かつ声部の数も多くなったので,ごちゃごちゃ度が増した感じがしたのでした。また前回の男女別の練習はZホール2階にあるよく響く会議室を使ったのですが,今回は天井が低く60名近い参加者でほぼいっぱいなってしまうことに加えて響きもデッドなリハーサル室だったのです。歌のアラがよく聞こえてきました。さらに自分のモードも違っていて,3月20日(木),22日(土),23日(日)と本番に向けて宮古でやってきたために耳が本番モードになっていたせいで,期待する音楽がなかなか出てこないのです。そして朝まで風邪引きで具合が悪かったまま皆さんの前に立ったことで,「どうやったらよりよくできる?」という発想や意欲がなかなか湧いてこなかったのです。

 いろいろチャレンジしたつもりですが,目に見える(耳に聞こえる?)成果があまりなかったように思います。でも一喜一憂している場合ではありません。次回の4月5日(土)・6日(日)はいよいよ及川貢先生のレッスンです。その時その時に音楽に真摯に向き合い取り組むことで,これまでの練習で良くなったところをなんとか発揮して,少しでも良い音楽を提供し,今後に明るい見通しを持ってもらえるよう共に頑張りましょう。

2025年3月26日水曜日

【宮古木曜会合唱団】本番終了・音楽で伝わる世界


  3月23日(日)15:00からイーストピアみやこの多目的ホールにて宮古木曜会合唱団の第42回定期演奏会を行いました(第41回定期演奏会は宮古市民文化会館大ホールでした)。いつも使っている市民文化会館が使えなかったのであまり使ったことのないホールでの演奏会となりました。ここにも書きましたが,2020年12月に「クリスマス・ロマンチックコンサート」なる演奏会に出させていただいた際の会場です。響きはデッドで歌いにくい感じ,ピアノは小型で移動しやすい電子ピアノ,ステージは仮設式で少々狭いので設置しませんでした。客席は150席ほどですがほぼ満席でした!

 会場が響かず(残響がとても少ない)お客様との距離が近いこともあり,アラがよく聞こえる演奏だったように思います。磯鶏幼稚園のホールの響きの良さについては時折触れてきましたが,そこで表現されていたような良い音楽を引き出すことは十分にはできなかったように思います。また,(こちらはさらに大きな反省点ですが)指揮を見ないで歌う人が多いので,音楽の手綱を締めることができないことが多々ありました(特に前半)。これについては休憩時間に「合唱の基本を再確認しますねー。指揮を見られないところは声を出さない!」と各パートに声をかけたので,その後の第3部はだいぶよくなったように思いました。

 新鮮に感じたことがありました。それは,聴き手の方々が演奏を聴いて涙を流していらっしゃったことです。10年ほど前宮古の小学校の合唱委員会を引き連れて一般の演奏会に何度か出た時も,また過去の宮古木曜会合唱団の演奏会でもそうでしたから,そういうことって普通のことと思っていたのですが,「そういえば自分が聴きに行った演奏会でそういうことがあっただろうか?」と思ったのです。盛岡市でも奥州市でも。「すごいなぁ」とか「立派な合唱」と思うような演奏はなくないのですが,お客さんが涙を流して聴いている場面を見たことはないようい思います。

 「感動させよう」「泣かせよう」などそんな(小学生のような)発想は全くないし,そもそも「感動」は「させられる」ものではなくて各自の内側に「生じる」ものでしょう。ですから結果として聴き手の心が動いたのだと思います。表現する側はただただ作品に向き合って「より良い音楽」として再生産する作業に取り組むだけです。その作品が「生きた」ときに,その作品から何かが伝わったという結果なのだと思うのです。

 象徴的な感想がありました。「岩手県民の歌,いい曲だね。」とはY先生の言葉,「モーツァルトの《雀のミサ》っていい曲ですね。」とはO先生の言。演奏を褒められるだけでなく作品の良さが伝わったというのは,とても嬉しい評価だと思っています。作品が作曲者のイメージした響きに近かったということだと思うからです。

 次のシーズンもご一緒させていただくことになりました。ひとつきに日曜日1回,木曜日1回の計2回程度お伺いして一緒に音楽に取り組むことができます。皆さんが音楽に真摯に取り組む合唱団なので,私もたくさんチャレンジし学ばせていただいています。次回の第43回定期演奏会は2026(R08)年3月29日(日)宮古市民文化会館の予定です。ぜひ聴きにいらしてください!

2025年3月19日水曜日

【MBKV】学び・刺激の多いレッスン

  3月18日(火)の夜,盛岡市の舘坂橋教会で盛岡・バッハ・カンタータ・フェラインの通常練習がありました。先週に続いて指揮者の佐々木正利先生は都合でお休みになられ,今回もコンサートマスターの小原一穂さんのレッスンでした。

 座学だけでなくご自身の実践を通して,音楽や声楽の本質的なことをベースにたくさんご指導くださいます。いつもたくさんのことを学ばせてもらえます。今回認識を新たにしたのは次の点でした。

【声楽家の口は喉にある】
 意識としては,声帯のすぐ上で歌っている感じでした。その先はまるで響かせるための筒の役目だけです。金管楽器ならぐるぐる巻になっているあの筒の部分。ですからそこは「楽器の形を変えない!」。そういえばかつて一関の某先生も同じようにおっしゃっていたことを思い出しました。こういうことだったのですね。

【音域、母音で喉の形を変えない】
 これも,前述の意識からくることです。咽頭部で音が出るのでその先は変えない。口腔部あたりで響きを作ろうとするから声が硬くなる(…でもそのとき「いい声が出ている」「響かせている」と自分では思ってしまっているんですよね。これがやっかいです)。

【母音は喉でつくる】
 これも,「楽器の形を変えない!」ことと同じです。口腔の形や舌の位置で母音が変わる(変える)を考えていましたが,それは会話発声でのこと。より豊かな響きを保つためには「楽器の形を変えない」ことが大事で,そのためにより奥の咽頭部で母音を変える感覚で歌うと響きやすいし歌いやすいように感じました。

 前回のレッスンでは【遠吠えが旋律のベース】ということを,コラールやその他の楽曲を使って具体的に(そして徹底的に)ご指導くださいました。貴重な時間だったと思います。昨夏に個人レッスンに行ったきりでしたので,近々またきちんと学んできて自分のものにしたいと改めて思いました。

2025年3月16日日曜日

【演奏会・聴いてきました】ささらホールと江刺の合唱団と菊池葉子&菅野まちさん

 


 3月15日(日)の午前中,奥州市のささらホールに「咲かせ続けよう 芸術文化の花」という催し物を見に行ってきました。これは50年ほど続いた江刺のささらホールがこの3月いっぱいで老朽化のため閉館になるにあたって,江刺芸術文化協会が「ありがとう ささらホール! イベントリレー参加事業」として開催したものです。前日の合唱音楽研究会奥州の場での告知で知りました。

 前日にもたくさんの団体が「ささらホールラストステージvol.1」として出演していたようで,江刺第一中学校特設合唱団の名前もチラシにあります(胆江日日新聞にも記事が載っていたような…)。

 この日急遽行くことにした理由は,江刺の合唱団3つの発表があること,そしてメゾソプラノ歌手(!)の菊池葉子さんがフルートの菅野まちさんと出演されること,そして私自身も「胆江合唱祭」などでささらホールに何度かお世話になったから,でした。江刺の合唱団には合唱音楽研究会奥州にご参加の方も数名いらっしゃいますし,菊池葉子さんは後輩でもあり胆江地区での音楽仲間でもあります。菅野まちさんはご両親とお知り合いなのです。

 開幕に際して主催者のご挨拶があり,それがまた思いのこもった言葉,ささらホールへの感謝と未来にむけた言葉で語られ,心に響きました。

 最初に登場した合唱団3つは「江刺ユネスコ・コーラス」「コーラス・スコーンズ」「混声合唱団アミューズ」でした。「江刺ユネスコ・コーラス」は楽しんで活動している様子が伝わってきました。「コーラス・スコーンズ」はささらホールへの思いを歌詞にして(替え歌にして)表現してくれました。「混声合唱団アミューズ」は宮澤賢治の詩に指揮の高野先生ご自身が作曲あるいは編曲された曲(《風の又三郎のうた》《剣の舞》)も聴かせてくれました。楽曲はもちろんほぼ暗譜で表現する合唱団,素晴らしいと思いました。貴重な演奏を聴かせていただきました。

 続いて「菊池葉子&菅野まち オンステージ」でした。先日も「季節の小さなコンサート」を聞いたのですが,菊池葉子さんの歌はますます安定感を増したように感じました(母音が日本語寄りになった感じもしましたが…)。菅野まちさんのフルートは華麗でした。上手です。加えて,ピアノの中村孝子さんが歌や楽器に音楽的にぴったりと寄り添うとても素敵な伴奏をしていらっしゃいました!菊池葉子さんも菅野まちさんもささらホールには子どもの頃からお世話になっているとのお話をしながらの演奏でした。13:00からのZホールSP合唱団の練習があったため途中で失礼したのですが,短いながらとても素敵なステージでした。

 演奏の背後にある「思い」はとても大切なものです。それを共有できると,演奏からより多くのものを感じ取れるし共感できます。今回のステージは江刺の方々の思いがいっぱいに詰まった催し物になったと思います。ありがとうございました。

【ZホールSP合唱団・07】課題は山積,ともに頑張りましょう!

  3月15日(土)と16日(日)に,ZホールSP合唱団の男女別練習を行いました。

 3月15日(土),午前中に合唱音楽研究会奥州の活動で「音下がり」問題に取り組んだあとの午後,Zホール2階の会議室で女声だけの練習を行いました。前回の女声練習は合唱に慣れているアンサンブル・コンフオーコの方々がそちらの練習のため欠席でしたが,今回はそれらの方々もご参加くださいました。しかし全体としては少なめ(特にメゾとアルト)でした。

 女声合唱のメドレーの復習,そして混声合唱曲のおさらいをしました。もう音取りではなく音楽作り(もちろん音取りしながらも音楽作りは進めてきてはいるのですが)に入っています。しかし,基礎的なことでつまづきました。次のようなことでした。
①パートの音が揃わない…各自で音高感覚にずれがあり,パートの音高に幅があります。
②音域による強弱の差が大きい…高い音は強く大きく,低い音は聞こえない,そのまま歌っている。
③声は出ているけれど音楽のイメージがない…歌詞で歌っていることを伝えるような音が出てこない。

 「この曲でやっていることは,この曲だけでなく他の曲にも,あるいは他で歌うときにも当てはまることを練習していますからね。」と強調してはみたものの,言って伝えたからできるようになる(転移する)わけでないことはわかっています。でも自力解決のための時間がないのですよ…。どれが近道,どれが最良の方法なのか迷う日々です。

 この日はいろいろな方のつながりがわかった日でした。宮古(木曜会合唱団)の方と盛岡(北声会)の方,地区の高校の音楽の先生と及川貢先生,ピアノ伴奏者と地域の中学校の音楽の先生,などなど地域にはいろいろな人のつながりがあり,それがとても大切で重要だということをあらためて感じました。


 3月16日(日)の午後は,男声だけの練習日でした。冷たい雨のせいか,確定申告締切日の前日だからか参加者は少なく,テノール1が3,テノール2が2,バリトンが2,バスが1と10人に届かない人数(半分以下)でした(一方,見学したいという方がお一人いらしていたようです。入ってくれると嬉しいのですが)。


 前回同様,声作り(のための姿勢づくり)から取組ました。姿勢づくりの「脱力」から始めたのですが,意外なことに上体の力を抜けない方が数名いらっしゃったのです。長く合唱をしていると上半身を脱力できることはあたりまえだと思ってしまっていたのですが…。社会に適応するため長年ストレスがかかり身体を硬らせているのかもしれません。十分に解して差し上げたいところなのですが,ここでもまたレディネスの差異が大きく,中途半端に終わってしまいました。昨年の「福井敬ふるさとコンサートvol.3」のときにやったように,任意参加の学習会でもやったらいいのか知らん??ご意見ください。(右は昨年の資料)

 男声合唱の《マンマ》を一通り復習してから,混声合唱の曲の復習をもう一人の指導者の佐藤智恵子先生にお願いして,私は個人レッスンを行いました。とても意欲的にご参加しているのですが,チャレンジにより大きな壁にぶつかっていらっしゃる方と一緒に,課題解決に取組ました。1時間ほど取り組んだ結果,ある程度方向が見えてきた感じでした。今後もできれば続けたいとのことでしたので,また時間をとって一緒に取り組んでみようと思っています。

2025年3月15日土曜日

【合唱研第40回:活動報告】音下がり対策

  3月15日(土)の午前中,水沢教会で第40回になる活動を行いました。バス3名,テノール4名,アルトとソプラノはそれぞれ12〜3人でしたので三十名強の参加でした。前回水沢南地区センターの音楽室での活動では,「音下がり」という大問題に直面したので,今日はなんとか解決策を見出したいと思いながら会場に向かいました。

 はじめの発声の時間には,体の使い方についての質問がありました。腹部を絞った後ゆるめることについてでした。皆でチェックし合いながら,呼気動作後の筋肉の緩み具合について考えました。

 楽曲の練習に入る前に,ハンドサインを体験してみました。コダーイ・システムで使っているものです。これによって,音高想起の精度を上げることに取組みました。予想通り,音程が清潔でなく「ピシッ」とその高さにはまる感じがあまりなかったので,よくない音程の部分を何度の検討してやり直しながら音程感覚を鍛えました。

 ア・カペラのパレストリーナは《Agnus Dei》に取組みました。順番では《Sanctus》だったのですが,《Agnus Dei》のほうが順次進行が多かったので,音高を想起しやすいのではないかと考えたのです。アルト,バスと全員でおさらい(移動ド唱法)し,完全4度の上がりや下がりが不安定だという弱点がみつかりましたが,音の下りはだいぶなくなりました。

 その後テノールをおさらいしたのですが,これが下がりまくり!ということは,高音域で音高調節機構をうまく操作できないという新たな課題ということです。発声法の問題ですね(「音程優先」で歌うことへの価値づけの問題もありますが…)。今回は歌詞唱までは進みませんでした。

 後半はラターの《Look at the world》を歌いました。リフレインされる「Prase to thee oh Lord…」の部分を取り上げ,「音下り対策」を施しました。少しずつ下がり幅は少なくなったのですが,解消とまではなかなかいきません。他の歌いづらいところの歌い慣れ練習などをし,最後に通して歌ったところ,ア・カペラになる「Prase to thee oh Load…」の部分がほとんど下がりませんでした!本日の成果が現れて嬉しく思いました。

 最後に《For the beauty of the earth》の最後,拍子が変わるところをゆっくり繰り返し,表紙の変化に慣れることをやりました。

 「音下がり」解決に向けて,次回は発声法の工夫にも取り組んでみたいと思っています。次回は3月30日(日)これも9:30〜12:00(水沢南地区センター)です。よりよい音楽目指して,またいろいろなことに挑戦しましょう。

2025年3月13日木曜日

【宮古木曜会合唱団】能力の「転移」は期待できない…

 


 3月13日(木)の夜,宮古市の山口公民館で宮古木曜会合唱団の通常練習がありました。日中の用事がなかったので少し早めに盛岡を出発して行ったのですが,風がものすごく強い1日でした。

 前回は3月2日(日)の強化練習で人が多かった(特にテノール)のですが,普通の木曜日のこの日はそれほど多くはありませんでした。でも演奏会が十日後に迫っているせいか,釜石,大船渡,花巻,などからも夜にもかかわらず集まってきました。

 強化練習で音を出せなかった《Gloria》や《Kyrie》をやろう思って向かったので,まずは《Gloria》からはじめました。例によってピアノ伴奏がありませんから,合唱の良さも悪さもよく聴こえます…で,こんなにも身体を使わずに歌っていたのか!とやっと気づかされました。ほとんどピアノ伴奏のある日そして人数の多くなる強化練習にやっていたので,私自身もよく聴くことができていませんでした。

 第1部のア・カペラの楽曲の練習を通して,身体を使って響きのある音を出すことを学んできたつもりでしたが,「それはそれ,これはこれ」になっていたようでした。だいぶ前に購入し最近読了した新書『私たちはどう学んでいるのか 創発から見る認知の変化』(鈴木宏昭著,ちくまプリマー新書403,筑摩書房)の主に第3章によると,ざっくり言って練習で様々な状況に当面することによって学習者の側に様々なチャレンジが生まれ,うまくいかなかったものでもそれは次の飛躍のための土台となっている,というのだそうです。つまり,練習時に「こういうときにはこうすれば良い」と教わってできるようになってしまうと他の状況ではその力は発揮されないということのようです。「わかりやすい」ことにが一つの価値だと思っていましたが,「わかりやすく」学んだことは他の文脈では発揮されない,「転移」しないということのようです。新しいつもりだった自分のスタイルの古さを再確認させられた練習でした。

 次回の練習は3月20日(木・祝)の日中,そして22日(土)の前日リハ,23日(日)の本番と続きます。いい音楽をお聞かせできるように頑張ります。(なお,本番の会場の駐車料金は,受付でまとめて手続きして無料にするそうです。安心してご利用ください。)

2025年3月11日火曜日

【ZホールSP合唱団・06】音取りから新たな段階へ

  3月8日(土)と9日(日)に奥州市のZホールでZホールSP合唱団の練習を行いました。今回は男女分かれてそれぞれの日に集まる形での練習会となりました。

 3月8日(土)は2階の会議室で男声のみの練習でした。ここは狭いけれどもよく響くので,喉に負担をかけずに歌える場所でした。テノールは全員,バスは半分ほどの参加でした。はじめに発声練習に取組ました。普段合唱に馴染みのない方も多くいらっしゃるからです。体を楽器にして音を出す,だから姿勢が大事,息を流すと声帯から音が出る,だから響かせる空間を広くする,などなど基本的な考え方を確認しながら発声してみました。続いて男声合唱曲の《マンマ》の復習を通して,先ほどの声を使って歌う(音楽する)ことにチャレンジしました。歌詞をつけると口元で「喋ろう」とするので響きの空間が狭くなるし息も流れなくなるからです。自信のない音程を確かめながらより良い音で音楽することができるようになってきました。続いて男声が4パートに分かれる《ヴォラーレ》,最後に混声の楽曲の《ナポリは恋人》と同様に進んでいき,音がだいぶしなやかでよく鳴るようになりました。

 翌9日(日)は展示室で女声の練習でした。50名以上は集まったと思います。しかしいつも主力となっていたアンサンブル・コンフオーコの方々がこの日は先生のレッスンがあるためお休みしたので,集まった皆さんは心配そうにしていました。はじめに女声合唱メドレーの《夢見る思い》のユニゾン部分を使って,音高に左右されずに音量を安定させることに取組ました。つまり「高いところは強く大きな音,低いところは弱く小さな音」とでこぼこにならないようにすることです。こちらも不安な音程を確かめながら音楽の運び方を練習しました。次に《アル・ディ・ラ》では部分的なパートのコンバートがあるので,それを確かめながら各パートの旋律やその音が持っている音楽的な意味を考えながらハーモニーをイメージして歌えるように練習しました。


 男声も女声も前回までは楽曲の全体像をつかむことに重点がありましたが,今回からは細かい課題を解決することを通して演奏を高めていくことに重点が移ってきたように思います。次回(3/15, 3/16)も男女別の練習,その次(3/29)が久しぶりの合わせ練習,そして4/5, 4/6の及川貢先生のレッスンの出来具合でその後のイタリア民謡と日本民謡の練習時間の配分が決まるということなので,音楽の楽しさを体験してもらいながらより良い状態で4/5, 4/6のレッスンを迎えられるように進めていきたいと思います。(右の表にある3/30(日)は練習なしとなりました。ご注意ください!)

 それから,Zホール児童合唱団の発表会があるようです。3月23日(日)14:00から大ホールです。お時間のある方はぜひ応援にいらしてください(私は宮古で本番が…残念です)。



2025年3月3日月曜日

【盛岡某高音楽部】定期演奏会に向けて(やっと)スタート!

  3月3日(月)の夕方,盛岡某高音楽部に行ってきました。1週間に2回程度の割合で部活動に行っていますが,この先2週間くらい,高校入試の関係で部活動ができなくなるのだそうです。

 1月のアンサンブル・コンテストを終えてから来年度の定期演奏会のプログラム作りを進めてきました(野球部なら夏の県大会で負けた翌日から目標は決まっているのでしょうけれど…)。昨年は2部構成で第1部が合唱名曲集,第2部がミュージカルといった感じでした。今年も当初はそのようなイメージでしたが,ア・カペラの曲数が多くなったのでポップスのステージを別にして,第1部がア・カペラ,第2部がポップス,第3部がミュージカルとすることにして選曲を進めていました。ミュージカルやポップスについては相談には乗りましたが基本的にはお任せでした。ア・カペラについては,子どもたちが歌ってみたい曲にしようと思って揚げてもらったのですが…ほとんど知らないようでしたので,ラテン語宗教曲と日本語の現代曲(「現代音楽」ではありません)それぞれを数曲ずつ紹介して子たちに選ばせ,この日,決定しました。目標が明確になるとエネルギーが湧いてきますね。

 この日の練習では,日本語の楽曲の音出しでした。1曲だけでしたが移動ド唱法で音高をイメージしながら,音域やフレーズに左右されずに良い音質を提供し続けることを目標に練習しました。また,全パートそれぞれの旋律を全員でさらっていくと,様々な音程が出てきます。難しい音程(跳躍音程や臨時記号が付くもの)が出てきたときには,その音が使われている意味を旋律の運び方から解説し,基本の旋律を体に入れながら難しい音程をイメージして取り込むように練習してみました。
 例えば終止形あたりの上向音形で「ソーシーレードー」と進む場合は,
①基本音程の「ソードー」を体に入れ→
②経過する「シ」を挟むように「ソーシードー」と進行し→
③係留する「レ」を経由するように「ソーシーレードー」の流れを掴む
といった感じです。機能和声(「ドミナント・トニックシステム」?)を使って作曲されていますから,音の使い方には作曲者の意図があると思うので,それを想像(解釈?)しながら音楽を作っていく,理解した上で表現するための一つの方法だと考えています。

 飽きやすさも持っている子どもたちですが,「吹奏楽部はこんなことは基本として当たり前にやっているんだよ」と言いつつ,この方法の「良さ」を感じてもらいながら今後も取組んでいくことで,音楽性を高めていけたらと思っています。

 ちなみに,来年度の定期演奏会の予定は7月21日(月・祝)です!1年生がたくさん入るといいなあ。

2025年3月2日日曜日

【宮古木曜会合唱団】楽しい練習にはなかなかならず…

 


 3月2日(日)は宮古市の磯鶏幼稚園のホールで,宮古木曜会合唱団の強化練習を行いました。本番のステージに出るほとんどの方がご参加くださいました。遠隔地(内陸部)からも5名ほど,高校生(第3部に出ます)も5名ほど加わりました。前日のZホールSP合唱団で声が出にくくなっていたので(出がけにのど飴も買っていきました),思うように音楽を示せない中での指導となりご迷惑をおかけしました(やっているうちにだんだんと楽にはなってきたのでしたが)。

 前回2月27日(木)の通常練習でモーツァルトの《Credo》の途中で終わったので,今回はピアノ伴奏付きで《Credo》から練習に取り組みました。人数が多くなり音は大きく聞こえるようになったのですが,①歌詞のニュアンスが表現されていない,②全体の響きが纏まっていない,といった課題が立ち塞がりました。これまで口すっぱく言い続けてきたことなのですが…。でも一つ一つクリアしていくしかありません。テキストの意味を考えさせたり,リズム読みに戻ったり,アクセントの位置を確かめたりと,あたりまえのこと,基本的なことに再び丁寧に取り組んでいきました。

 アンコールで演奏予定の《いのちの歌》と《群青》も同じです。こちらは日本語なのでだいぶ伝わってはきます(テキストや心情を理解しているのでしょう)が,各パートがそれぞれで主張し合い消し合っている状況を説明し,整理しました。

 第1部のア・カペラ曲の練習では並び方を変えてみました。本番までに確定しなければなりません。全曲の音をだしましたが,モーツァルトやアンコールの楽曲と同じような課題が見えたので,取り組みました。

 おそらく①腹をきちんと使っていない(だから音が硬い),②自分の発声の都合で音楽を変えている(だから高い音はでかく低い音は曇っている),③テキストを理解し心情を想像していない(だから音の洪水になってても気付かない),といったことが原因と思います。こういう練習は地味でシビアなので,楽しく取組んでもらえるような工夫をうまくできません。楽しくない練習になってしまったと反省しきりです。

 本番まであと2回練習の機会(3月13日(木),3月20日(木・祝))がありますので,もう一踏ん張り粘ってみようと思います。

2025年3月1日土曜日

【ZホールSP合唱団・05】3時間2パートを歌ったら声が…


  3月1日(土)岩手県内では高等学校の卒業式が行われた日の午後,奥州市のZホールSP合唱団の練習がZホールの展示室で行われました。毎年募集をかけるこの合唱団,今年の登録メンバーは90名を超えましたが,この日は70名弱が参加していたように思います。

 久しぶりに及川貢先生によるお稽古でした。14:00から17:00の3時間,はじめにロシアの《百万本のバラ》(アンコール曲)の初見大会をやったあとはずっとイタリアの混声合唱曲のレッスンでした。《ナポリは恋人》《ヴォラーレ》《忘れな草》の3曲です。男声が少なく合唱に慣れていない方も多いので,男声が4パートに分かれる《ヴォラーレ》などは音がなかなか取れずに苦労します。そこで,自信のなさそうなテノールの上とバスの上(バリトン)を行ったり来たりしながら歌って,皆さんの歌をサポートしました…したつもりでした。結果,喉が上がり高い方の声が出なくなってしまいました。腹が使えていない=喉で歌っている証拠ですね。鍛え方の甘さを痛感させられました。普段の自分は手を抜いていて支えてもらっていること,長時間歌い続けることができる発声の仕方になっていないこと,3時間の練習をきちんと歌い切り役目を果たすことが難しいこと…。課題山積です。これからの活動にこの反省を生かして取組んでいきたいと思いました。

 翌日(3月2日(日))は本番が近い宮古木曜会合唱団の強化練習のためZホールSP合唱団のほうは欠席します。次回は3月8日(土)と9日(日)です。男声や女声のみの練習の予定です。ここでしっかりと歌えるようにして,次回の及川貢先生のレッスン(4月5日(土)と6日(日))を迎えたいと思っています。