6月22日(日)の午後,盛岡バッハ・カンタータ・フェライン(以下,略して「MBKV」)の強化練習がありました。毎週火曜日の夜に盛岡市舘坂にある舘坂橋教会で通常練習を行っているのですが,1ヶ月に1回,日曜日に強化練習を行います。今回は久しぶりに内丸教会が会場でした。ここは数年前まで通常練習の会場としてお借りしていた教会です。古いけれども大切に使われてきた歴史を感じる建物で響きも良く,エアコンなどないものの天井が高く風通しがよい(でもこの日は汗ダクでした)会場です。近くの県民会館で某合唱団の定期演奏会があったせいか(アルトの)参加者が少なく残念でした。
「30分も発声練習の時間がとってあって,なにをやりましょう?」と思って発声練習を始めたのですが,15分ほどすると指揮者の佐々木正利先生の姿が見えたので発声練習は早めに切り上げました。先生がいらっしゃっているのですから,少しでも多くレッスンしていただきたいからです。
しかし…先生は合唱団の代表の方との打ち合わせが必要とのことで,レッスン開始までの練習を任されました。この日取り組むのはH. Schuetz作曲の"Meine Seele erhebet den Herrn"の87小節からと予告されていたので,歌詞なしでどう音楽表現できるにチャレンジしながら先生が来られるのを待ちました。ちなみに以前お知らせした今シーズンの楽曲が一部変更(BWV10→BWV187)になっています。
先生がいらしてから,始めに6月21日・22日と開催されている日本音楽表現学会の大会で先生が指揮されたドイツ語合唱("野ばら")の演奏についての振り返りをお話しなさいました。(詳しくは書けませんが)その評価にはまったく同感でした。先生は「でも私たちは他者を批判するとかではなく,自分たちがやるべきことをきちんとやってよりよい音楽を作って行きましょう。それがライプツィヒ(バッハ音楽祭事務局のマウルさん)やドレスデン(フレーミヒさん)からの評価を得るのですから。」とおっしゃっていました。
そして始まったレッスンではとても丁寧にご指導いただきました。テキストのまとまり(文)ごと区切って,①歌詞なしで歌い歌詞の内容の表現に近づける,②歌詞の発音,③歌詞の楽曲に合わせたリズム読み,④歌詞唱,を繰り返しました。特にも②については懇切丁寧で,母音のわずかな違いも妥協せずに(「譲歩はするか…」とおっしゃってましたが)できるまで繰り返しました。また③では語尾をどう切るかについて3つに類型化して示されました。
それにしてもこの日の先生は随所で「シュッツはすばらしいね!」とおっしゃっていました。ドイツ語の音や意味が活きるように付曲されていることが音にするとさらによく分かるから,とのことでした。そしてこれがバッハやヘンデルにつながっていくのですね。(G・トラシュブロス・ゲオルギアーデス著,木村 敏訳『音楽と言語』(講談社学術文庫1108, 講談社1993)を読むとその意味がよくわかります。ヨーロッパの合唱音楽に取り組む方はぜひご一読ください。)楽曲の素晴らしさが伝わる演奏は,自分が目指している演奏の一つですから,そのように感じられたことはとても嬉しく思いました。
真摯に音楽に向かうこと,この基本をあらためて示された練習でした。
・7月6日(日)Zホール:女声合唱団アンサンブル・コンフオーコ「第15回コンサート」
・7月21日(月・祝)岩手県民会館中ホール:盛岡第三高等学校音楽部「第39回定期演奏会」
・9月14日(日)Zホール:「合唱で綴る日本の・世界の民謡in奥州」
(7月2日(水)Zホール:「第44回岩手県高校合唱祭」は宣伝しないでしまいました。)