2月22日(土)の午後,奥州市の水沢南地区センターの音楽室で,39回目となる活動を行いました。今回はピアノ伴奏者はお休みでしたので,3時間ずっと伴奏なしでした!
発声練習では体の使い方を再確認しました。腹部の筋肉の動きを可視化するために手を当て,二人組で見合ったりもしてみました。
まずはパレストリーナです。前回《Credo》をなんとか終わらせた(ことにした)ので,今回のプランは①《Benedictus》の後半の「Osannna」,②同前半の「Benedicutus…」,③「Sanctus」と考えて臨みました。
①の「Osannna」はホモフォニックかつ短いので,音を出しやすいと考えて最初に取り組みました。慣れることも狙いながらまずは移動ド唱法で全パートを全員で音出ししました。その後自分のパートを移動ドの階名唱で歌い,音楽としてハモってみました。その後,歌詞を簡単いさらって,歌詞で歌ってみました…案の定ハモリは崩れました。残念でしたが,今回は先に進むことを優先し,次に移りました。
②「Benedictus…」部は3声部なので,少しでも早く進めるかと思い取り上げました。もちろん最初は移動ド唱です。①で経験したことに加えて,これまで経験の積み重ねによって,各パートともほぼ1回通すだけの移動ド唱で旋律のおおよそを掴めるようになりました!これは大きな進歩,成長,熟達です!その後歌詞を付けたのですが…①同様でした。
めげずに③の「Sanctus」に取り組みました。こちらは後ろの「Osannna」(これはポリフォニック)を確かめ,その前の「gloria tua」を確かめ…。このあたりで行き詰まり,疲れてきたので,残りの前半部分は次回やることにしました。
最後にラターの「Look at the world」の四部合唱部分の歌い方を吟味しました。全体として英語の音を出すだけで精一杯な歌い方をしていたからです。「Prase to thee, Oh Load for all creation…」の意味と心持ちとそれを表す読み方(ディクション)を主旋律で確かめ,そのまま自分のパートで歌うという練習をしました。
今回(も)徹底的にやった階名唱について。盛岡某高音楽部の指導の際に遅くまで残って練習している吹奏楽部を見ながらいつも気になっていたことなのですが,吹奏楽部の人つまり器楽奏者は必ず「階名唱」をすると思うのです(心の中でかもしれませんが)。でないと運指できません(もちろんその階名唱に「音高や音程を伴っていない」可能性はあります)。一方,合唱の方々は楽譜を見てすぐに歌詞で歌いたがります(ピアノで音をとるなどして)。それで何が悪いのだ?と思われるかもしれません。小学生音楽あるあるなのですが,副旋律をそうやって覚えた後に歌詞のシラブルと音高を分離できないのです。人は赤ん坊の時,周囲の大人が話す音色が変化する旋律からシラブルを切り出して認識することで言語を獲得していくと言われています。ですから音高と言葉をセットで覚えようとすることは,耳に入りやすいし自然なことではあります。しかしその結果,音高だけを取り出すことが難しくなるので,ハーモニーを作ろうとしたり音高を吟味しようとした時に自由が効かなくなってしまうことが多いのです。そこで歌を覚える際には歌詞から一度離れて,音高(とリズム)だけを取り出して旋律を覚え,それの後に歌詞をつけるという順で覚えることも方法としてよいと思っているので,階名唱の経験に多く取り組んでもらっているというわけです。
ちなみに,「移動ド」でやるのは(以前から何度も書いているように思いますが)機能和声法における和音の機能や各音の役割を感覚として覚えてもらいたいからです。「ドミナントの響き」とか「導音の方向性」とか…。
今回,大きな課題が再び現れました。それは音の「下がり」問題です。無伴奏で歌い進めていくとどうしても半音から全音(短2度から長2度程度)下がってしまうのです。よくあることではありますが,その原因を明確にできませんでした。特徴は「全パートとも(ハモっているようにしながら)下がっていく」,「(どこまでも下がるわけではなく)半音から全音程度下がる」ということです。聴覚的な音高弁別の精度が低いことに拠ると思うのですが…。原因と対策が今後の課題です。
次回は3月15日(土)です。午後にZホールSP合唱団の練習が入った関係で,なんと9:30〜12:00(水沢教会)という設定にしてしまいました。その次は3月30日(日)これも9:30〜12:00(水沢南地区センター)。こちらは当初ZホールSP合唱団の練習が午後にあったのでこの時間に設定したのですが,ZホールSP合唱団の練習日が変わってこの日の午後は無くなったのですが,活動場所の予約の関係で午前の時間のままということになりました。今年度あと2回で「Sanctus」と2つの「Agnus Dei」の音を出そうと思っています。皆さんのご参加を,お待ちしています!